デ・ハビランド DH103 シーホーネット   1/32

作 安土 潤吉   登場 2018年7月




デ・ハビランド DH103 シーホーネットとは、どんな機体ですか?
ホーネットはモスキートの後継機で、半木半金属の複合構造の単座長距離戦闘機です。イギリス製プロペラ機で最速の780km/h、航続距離は4000kmを超える優秀機ですが、大戦には間に合いませんでした。エンジンは2070馬力のマーリン130ですが、プロペラを左右逆回転としトルクによる偏向を解消しています。シーホーネットはホーネットの海軍型で、主翼折畳み機構や着艦フックが追加されています。製作したのはデハビランド型尾翼が美しい初期型です。


作ろうと思った動機や、特にこだわって作ったところをお聞かせください。
非常にスマートで以前から作りたかった機体ですが、前作でアルミ張りの目途がある程度ついたので、突板(極薄の木シート)との張り分けで質感の違いを表現してみようと思い立ちました。(ただし実機では木部分は帆布張りと塗装のため木が見えるわけではありません。模型はあくまでフィクションです)
こだわったところは木部の仕上げで、スケール感に違和感が出ないよう、なるべく細かく癖のない木目の突板(材種はスプルス)を選び、張った後で極薄に薄めたクリアオレンジを吹いて色調整をしました。


良く出来たところ、逆に出来栄えに不満なところはありますか?
木部は色も含め割とうまくできたと思いますが、アルミ張りは特にナセル部分でパネル目地が大きくなってしまったところがあり今一つ。主翼の後縁のアルミはフラップ部分で下地がないため、やや厚めの0.4mmのアルミを焼きなまさないで張りましたが、ピシッとした感じになったのではないかと思います。マーキングはデカールですが、木部とのなじみが悪くマークセッターを多用しましたが難儀しました。


その他、感想やエピソードなどがありましたらお聞かせください。
ソリッドモデルの突板張りは他にあまり例がないので(たぶん)施工方法など暗中模索でしたが、悩ましくもあり楽しくもありました。プロペラは当初、木林さんに教わった方法でアルミ角材を削ってみましたが、あまりに大変なので(アルミ材質を正しく選択しなかったのが原因のようです)、人口木材に変更しました。
次作は初心に帰って、アルミだけでどこまで表現できるかやってみたいと思います。

(合成写真)

○モデルデータ
機体名:deHavilland DH.103 Sea Hornet
縮尺: 1/32 
材料: 朴、アルミ、木シート、ゴム、他
完成年月:2018年7月(製作期間20カ月)

安土潤吉 会員 作品ページ  

(ホーム(Home)  作品集(Solid Models)