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耕地と宅地とエネルギー
plowland and energy




 人間の生存可能な土地は、米作を前提とするなら平地に限られる。
 計算のベースとなるのは米作耕地と宅地である。

 この面積に、300人/平方キロを掛けたものが日本の居住可能人口のベース計算となる。
 北海道の北半分は米作ができないため、計算からとりあえずはぶいてみる。

 日本のピークと考えられる米作面積は1960年における338万ha(その他畑269万ha)、当時の宅地面積は60万haである。
(1998 田272 畑249 宅地158 宅地の増加は平地森林・里山の伐採の影響が大きい) 

 1960年ベースで考えると、すべて「モデル村」で換算すると居住可能人口は1200万人。
 1998年ベースでは、1300万人となる。現行人口の1/10程度である。
 畑作で麦を生産できるので、あくまで目安である。また、コンクリートで固められた宅地を水田に再生する手間も考えていない。
 単純に1ha10人と扶養すれば3000万人で、江戸時代末期の人口と重なるが、当時の生活を再現してもしかたがない。

(参考 江戸時代末期 人口3500万人 人口密度約100人/平方キロ とされる)


 もう一つの居住可能人口の計算ベースとして、植物工場が考えられる。
 エネルギーがあれば、多層建築のもとで、植物を育成可能である。

 耕地で余剰太陽光線を電気に変換し、それで屋内の植物に光合成のエネルギーを与える。
 道路や水路の上、そしてもちろん建築物の屋根に設置した太陽パネルのエネルギーを使えば、純粋に収穫の増加が見込まれる。

 電力が与えられる時間帯は、太陽による日照がある時間のみなので、現行の植物工場のような24時間の照射は難しい。

 設備はかなり膨大になるため、コストダウンと継続した力強い投資が必要となるが、メインテナンスフリーで長寿命の設備ができるなら、人類の幸福な日常にとって、有意義である。



2016/5/3 T.Sakurai 結婚式記念日に 


各種計算



 24戸、人口150人のモデル村で、

 6歳以下の乳幼児は、12人が中央値 小学生と中高校生も各12人
 32村あつめれば、小中高校生の一学年は62人になります。二クラス編成可能。
 (4キロx4キロ四方の一学区 一里四方で 2X4X4=32村で行政単位とする)

 出生と死亡は、年間それぞれ 約2人(1.92人) 結婚も、年間2件

 人口増加率0% 安定した人口構成の集落ではこうなります。


 出生率、死亡率は、1.3%  特殊出生率は2.0(女性が一生に出産する人数)

 実にシンプルな机上の計算です。

 保育所は各村に設置。小学校と、中高校、医療機関・救急、行政・警察は、それぞれ別の村の中心部にひとつずらして分散配置すれば、どれも最大3キロ以内の等距離で利用できることになります。それぞれの職員は、周辺9村からの通勤でかようことになります。


死亡率計算
death rate calculation



 人口問題を考えるさいに、出生率とあわせて、死亡率が、その社会の平均寿命を決めます。
 出生率は、基本的に人間がコントロールできますが、死亡率は、疾病、事故、飢餓、戦争などの要因で決まるために、個人でのコントロールは事実上できません。

 どれも対症療法で間接的に死亡率を下げる努力をしなければなりません。

計算必要な死亡率

 乳児死亡率    医療の水準により大きく変化する
 感染症死亡率   肺炎・疾病など
 慢性疾患死亡率 生活習慣により変化する
 自殺死亡率    精神疾患・社会ストレス
 事故死亡率 
 災害死亡率 

 同様に、出生数の早期コントロールが「不幸な死亡」を大きく減らす要因になります。

 堕胎・間引き・虐待・貧困・不名誉な扱いは、集落が扶養できない人口を持ったときに、必然として発生します。

 それら不幸な人生を予防するため、出生数の受胎前の、平和で人道的なコントロールは、一人一人が全生涯をかけて、とりくむべき最重要課題である。と私は考えます。

 愛と尊厳と禁欲に代表される精神的歯止めと、物理・医療的歯止めを総動員しましょう。



さまざまな食材
various ingredients




 村内で調達できる食材を列記してみます。ごく一部ですから、あくまで「ヒント」です。


 はちみつ  養蜂によって収穫できる。 村内に一家

 蜂の子   土蜂、アシナガバチの幼虫・さなぎは美味。川でのざざむし、カミキリムシの幼虫、イナゴなども食用になるのはよく知られている。

 あさり・たにし 淡水あさりが収穫できる地域がある。また田でのたにしも食用になる。寄生虫がいるため、加熱が必要だが、普通に汁物の具材にできる。

 ザリガニ・フナ・コイ・ドジョウ・スッポン いずれも田や水路に自生するか、養殖してもよい。

 海産物  地域により、季節により変動するが、実に多彩な収穫がある。新鮮な食材は沿岸部より内陸に運ぶ行商人の存在が必要。

 山菜・タケノコ・キノコ そのほかに山葡萄、あけび、くり、どんぐりなど、里山から収穫できるものは多い。

 いのしし、ヤギ、ヒツジ、ウサギ 秋の巻き狩りや、年間をとうして罠などでとらえる。

 家畜 どの家庭でも豚・鶏は飼うが、大規模に村内の需要を一気にひきうける一家も存在してよい。各食肉の現在の消費量と目標消費量を下記のようにまとめた。

 
一人消費量
(2013)
(1960)
目標
肉量/体重
村内
必要頭数
一戸
飼育数
330個 200 200
300個/一羽
100-150羽
5-6羽
鶏肉 12kg 1kg 8kg
1100/2600
1100羽
25羽
12kg 1kg 8kg
44キロ/90キロ
27頭
1.1頭
牛肉 6kg 1kg 3kg
200キロ/800キロ
2.25頭
 
魚介 27kg 28kg 30kg
全部位を含む
 
 


 豚や牛は、いのしし、鹿・ヒツジ・ヤギの肉で半分程度充当できれば飼育の負担はかなり削減可能。
 鶏は毎月100羽程度、生産しなければならなくなる。魚介類は、養殖できる部分は半分にもならないであろうから、近海資源を大切にしなければ維持できない。

大型食肉の場合、分配方法が問題になる。余剰分は冷凍保管の必要がある。


2016/05/14