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紹介したい資料(一部未収集のものがあります)

題名 アルプスの少女ハイジとともに シュピーリの生涯


著 高橋健二(1902-1998)
出版社:彌生書房 135頁 発行日:1984/09/25 価格:980円

説明
「シュピーリの生涯」(1972)を改題再版 巻末に作品目録・参考文献収録
良質で、日本で数少ないスピリ伝記・研究書。
この本が、日本でのスピリ研究のスタート地点となる。

帯の紹介文
「最愛の一人息子と夫をつづけて失う悲しさに耐えて、ひとびとの心に明るい愛を注いで生きぬいたヨハンナ・シュピーリの一生を描く感動の伝記。」


題名 ヨハンナ・スピーリ「アルプスの少女」の作家 豊かな人生文庫 少年少女信仰偉人伝21


玉木功 著
出版社:教会新報社 203頁 発行日:1982/07/20昭和57 価格:1200円

説明
小学生上級・中学生以上が対象。
子供向けスピーリの伝記。
小説的描写で親しみが持てるように書かれている。おすすめ。


題名 ヨーロッパ 詩とメルヒェンの旅


高橋健二 著
出版社:小学館 339頁 発行日:1983/12/10 価格:1600円(1985/4/10 4刷)

説明
第5章「シュピーリへの旅」199-210頁所収
旅行記形式で、ヒルツェル・マイエンフェルト・作品の紹介など。

他にはハイネ・ゲーテ・グリム兄弟・アンデルセン・リルケ・ヘッセを紹介。
スピリの分量は少ない。

帯の紹介文
「著者が50年にわたりヨーロッパの風土に追いもとめた人間像」


題名 「ハイジ」100年の旅


高山智津子 著
出版社:清風堂書店 270頁 発行日:1989/04/20 価格:1800円

説明
ハイジ論・スイス旅行記など。深い内容ではない。


題名 アルプスの少女ハイジ・夢紀行

NHK取材班・他著
出版社:日本放送出版協会 110頁 発行日:1990/04/20 価格:2500円

説明
写真豊富で、視野が広く、良質の解説を収録。
1990年3月衛星第二、11月に総合で放映された同名の番組がある。映像資料LD参照

帯の紹介文
「スイス・アルプスの自然が育んだハイジの物語。牧場をわたる風にのせて、元気なハイジの姿を再び。」


題名 雑誌Polka(ポルカ)特集「ハイジの幸せ」 ティーンの部屋別冊No.4 


イラスト高田美苗 山田磨美、松本正司、松本香織、秋本和彦、高橋健二
出版社:学習研究社 110頁 発行日:1990/08/31 価格:680円

説明 特集5〜40頁(バランスのとれた構成で参考になる)
 
第1章 ハイジのアルプス(スイス現地の写真紀行) 
第2章 ハイジがくれた贈り物−それぞれのロンリーハートへ向けて(おんじやペーターやクララをどうハイジは変えたか)
第3章 ハイジの暮らしにあこがれて(山の生活に表面上近づく商品アイテム) 
第4章 私のハイジ(アンケート・感想・各種紹介)
第5章 ハイジの里−物語の舞台を訪れて(秋本和彦)(スイス旅行記)
シュピーリの生き方をたどって(高橋健二)


題名 アルプスの少女ハイジ スイスメルヘン紀行 求竜堂グラフィックス


高橋健二,矢川澄子
出版社:求竜堂 119頁 発行日:1992/12/2504/20 価格:2500円

説明
西森聡 写真 現在も版を重ねており。入手可能。
美しい写真の大型本。内容はいまひとつ。


題名 アルプスの少女ハイジ展 (展示 図録) 


伊藤元雄.横山真佐子/編
出版社:ブックグローブ社 48頁 発行日:1993 

説明 
アルプスの少女ハイジ展 主催朝日新聞社 
ヨハンナ・シュピーリ博物館およびヨハンナ・シュピーリ文書館協力
1993-1994渋谷等 全国各地で巡回展

貴重な資料を掲載。  入場半券あり


題名 月刊MOE 海外取材大特集 ハイジ夢紀行


新井満・新井紀子他著
出版社:白泉社 発行日:1993/11/01 価格:720円

説明
雑誌の特集記事(6-27頁) 
作家夫妻の紀行文中心で、後に単行本化されている。(MOE books 1994/06/25)
上記ハイジ展の図録の内容を数多く引用している。


題名 ハイジ紀行 ふたりで行く『アルプスの少女ハイジ』の旅 MOE books


新井満・新井紀子他著
出版社:白泉社 96頁 発行日:1994/06/25 価格:1550円

説明
上記の雑誌記事を中心として、多くの写真などを加えて単行本化。
ダイジェスト『ハイジ物語』 ハイジ紀行(新井満)第1章ヒルツェルのにわか雨、第二章チューリッヒのひな菊、第三章マイエンフェルトの晩鐘 『ハイジ』学んだ幸福な三つの生き方(新井紀子) ヨハンナ・シュピーリの生涯p76〜77 ハイジの旅・シュピーリの旅(対話)  あとがき 写真新井満 装絵安野光雅


題名 めるへんいっぱい スイス紀行


宮沢乃理子/安野光雅/絵クラウス・ディーター・モイリッヒ/写真
出版社:東京書籍 167頁 発行日:1994/06/30 価格:1553円

説明
NHKディレクターが番組制作のためにスイスを訪れた旅行記。さほど詳しくはない。


題名 ハイジ  ヨハンナ シュピリの生涯  ヨハンナ シュピリ 没後100年を記念して


出版社:Heidi-Guide AG(スイス) 50頁 発行日:2001 価格:

説明
スイスのハイジ関連施設で販売されているもの。原著はドイツ語(1500部)。日本語訳。
「略歴」「ヨハンナとハイジ」「ハイジのふる里」の三章構成。
多くの写真と簡潔な文章で、観光ガイド的だが、手際よくまとめられて理解しやすい。
編集した会社は、大学受験資格者7人によるミニ会社(高校生の会社!)

(この本の内容は、チョナンさまより教えていただきました。ありがとうございました。)


題名 月刊MOE 巻頭大特集「アルプスの少女ハイジ」は永遠に

出版社:白泉社 110頁 発行日:2001/06/01 価格:760円

説明
雑誌の特集記事 シュピーリ没後100年記念 特集6-23頁
高畑勲特別インタビュー 他村上由佳・三倉茉奈、三倉佳奈・矢川澄子・龍野宏幸
 
高畑監督がハイジについて集中的に語るのは珍しく貴重。
原作との相違点の意図などは研究者なら必読です。


題名 ハイジに会いたい! 物語の背景とスイスアルプスへの旅

出版社:三修社 220頁 発行日:2006/08/10 価格:1500円
純丘曜彰 ・ 純丘路子 著

説明 紹介ページ リンク1 リンク2 
「アルプスの少女ハイジ」についての質の高い解説本。おすすめです。
物語の展開にそって、アニメと原作と、現地の旅行記が平行しています。どれも読み応えがあり、作品と現実世界が随時リンクしていく。
アニメで印象深い山の牧場や湖が、本当にあったのだとカラー写真が掲載されていて、ファンならずとも目がひきつけられることでしょう。
 これまで知られていなかった新しい視点や情報があり、読み終わった後はハイジという作品がちがった視点でとらえるようになっているはずです。
 ハイジ原作の讃美歌の原典を日本ではじめて指摘した本と思われます。 (2006/8/25追加)


題名 ハイジの原点

出版社:郁文堂 128頁 発行日:2013/03/16 価格:1260円
ペーター・ビュトナー (著), 川島 隆 (翻訳)

説明 リンク  著者は2014にシンポジウム出席のため来日

2010年、国際的な注目を集めたビュトナー氏の論文。そこで取り上げられた物語『アルプスの少女アデライーデ』は、世界的名作『ハイジ』のルーツなのか?注目の物語『アルプスの少女アデライーデ』とビュトナー氏の論文を収録。(出版社の広告文より)

 著者の2010年の発表は、「ハイジは盗作?」といった、センセーショナルな報道が無責任な一部メディアによってなされ、心あるファンの心情を不要に動揺させましたが、その実体・真相をあきらかにしている。

 この本を読んだ個人的結論を書かせていただくなら、発見された短編小説とスピリの「ハイジ」はまったく別の作品であり、むしろ「アーデルハイト」の名前を残したスピリは「原点」をわかる人にはわかる様に最初から書いていたのであり、フェアな態度であったと評価できます。


題名 図説 アルプスの少女ハイジ (ふくろうの本/世界の文化)

出版社:河出書房新社 128頁 発行日:2013/09/20 価格:1890円
ちば かおり , 川島 隆 著

説明  リンク  

永遠の名作「アルプスの少女ハイジ」。原作を丁寧にたどり、歴史的背景をよみとき、作者シュピーリの生涯も解説する永久保存版! ヨーロッパの可愛い挿絵満載!(出版社の広告文より)

 現時点での原作ハイジ研究の到達点を、楽しく伝えようとする本です。
 ハイジ研究会も参加させていただき、得がたい機会となりました。多くの方々に感謝いたします。
 また、収録されたシュピーリ伝は、現代的でバランスのとれた記述で、今後、シュピーリを語る上での新たな出発点となることでしょう。


題名 ハイジ神話―世界を征服した「アルプスの少女」

出版社:晃洋書房  226頁 発行日:2015/3/24 価格:2484円
著作 : ジャン=ミシェル ヴィスメール著 翻訳 : 川島 隆

説明  リンク  
著作紹介より「知られざる名作『ハイジ』を「子どもの心と大人の目で」読みなおす。自然がいっぱいの美しい国スイスの「神話」として世界中で愛されながら、しばしば誤解と偏見にさらされてきたアルプスの少女の物語。この知られざる名作を「子どもの心と大人の目で」読みなおす。初めての本格的『ハイジ』論。」

国際的ハイジ研究者による研究書。多くの謎を解き明かしている。


 

 上記「ハイジ神話」の原著

著作 : Jean‐Michel Wissmer

左はフランス語(原著)

右はドイツ語版(翻訳)

著者は、2015/3にシンポジウム参加のため来日された。


題名 映画でめぐるドイツ―ゲーテから21世紀まで

出版社:松籟社  321頁 発行日:2015/07/15 価格:2400円
川島 隆 著(ハイジ関係部分) 青地 伯水 編者

説明  リンク  
第四章「アルプスという名の神」 副題「ハイジ映像化作品の宗教性について」でハイジを紹介している。

 ハイジは原作から、ハリウッド映画、スイス映画、日本での高畑アニメなど様々に映像化されたが、それらを宗教的要素の観点で比較している。


題名 ハイジの贈りもの

著 たかはし たけお , イラスト 山崎 牧子 原文翻訳 松永美穂
出版社:いのちのことば社 176頁 発行日:2015/12/25 価格:1512円

説明  リンク  
著作紹介より
「根強い人気のある『ハイジ』だがキリスト教文学としての魅力はあまり語られない。ハイジ愛好家である著者が、物語を紹介しつつ、聖書に込められたメッセージを読み解く。新しい発見に満ちた一冊。」

ハイジ研究会でさまざまな発表をされてきた著者の研究成果が、親しみやすいかわいらしい本となりました。 牧師である著者による、日本では見過ごされやすいハイジの物語を紹介します。



総 評


 このリストに肝心の児童文学専門書が少ないのは残念です。

 ハイジが掲載されているもので、集めやすいものが中心になってしまいましたが、ハイジ・スピリ単独の評論集などは、どうやら、ないようです。
 ハイジについて語るとき、紀行文ばかりになる傾向がありそうです。

 その中で唯一といって良いのが高橋健二の「シュピーリの生涯」で、これを読むとなぜ、深い内容に入りにくいのか、少しわかります。

追記

 上記は2002年当時の実体でしたが、近年、研究者がスピリの実像にせまろうとする試みが数多くなされ、成果をあげつつあります。今後にさらに期待ができます。2014/3/5