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紹介したい資料(一部未収集のものがあります)

題名 アルプスの少女 世界少年少女名作選集


訳 : 谷村まち子 (谷村満知子 1914-1987)
出版社: 同和春秋社  272頁  発行日 :1956/05/20昭和31  価格 : 170円

説明 (参考画像)
高橋秀・カバー絵 外山えみ子・挿絵 「この物語について」訳者1-2頁

この訳者は、アルプスの少年、ヴィルデンシュタイン城など、他のスピリ作品も紹介している。


題名 アルプスの少女 児童名作全集18


訳  : 後藤楢根(ならね)編著(1908-1992)
出版社: 偕成社 204頁  発行日 : 1956/昭和31 価格 : ?円

説明 (参考画像) 画像は1971年重版のもの

佐藤ひろ子絵 簡略訳 1971年に重版 1973年に改装新版

このシリーズは全70巻 すいせん 川端康成 鳩山薫子(共立女子学園園長)


題名 アルプスの少女 たのしい名作童話 ; 12


訳 :馬場正男著 (1913-)
出版社: ポプラ社  146頁  発行日 : 1957/03/05昭和32 価格 : 160円

説明 (参考画像)
富永秀夫・挿絵(1924-) 吉沢廉三郎・カバー絵  
収集本は1968/01/10重版 260円
「ご両親や先生に」解説・山本和夫145-146頁 植田敏郎の完訳を参考にして書きなおされたようである


題名 アルプスの少女 名作絵文庫 ; 3年生


訳 :江間章子(1913-2005)
出版社: 実業之日本社  160頁  発行日 : 1957/昭和32  価格 : ?

説明(参考画像)
須田寿絵 図版有 内容未確認

江間章子は「夏の思い出」(なつがくーればおもいだす)などの作詞家、詩人。


題名 アルプスの少女 保育社の幼年名作全集10(全25巻)


訳 :上田健次郎編著
出版社: 保育社 171頁  発行日 : 1957/08/20昭和32 価格 : 200円

説明 (参考画像)
富岡襄絵  カラー口絵2枚 小学2年までの漢字を使用
「『幼年名作全集』について」(先生や、お母さまがたへ)
宇野浩二1-3頁所収

宇野浩二・村岡花子監修


題名 アルプスの少女 少年少女物語文庫 ; 9


訳 : 田島準子
出版社: 集英社 154頁  発行日 : 1958/06/10昭和33  価格 : 100円

説明 (参考画像)
中条顕絵 図版有 国会図書館のデータでは昭和32年発刊


題名 アルプスの少女 新選世界名作選集


訳 : 城夏子
出版社: 東光出版社 379頁 発行日:1958/昭和33 価格:


説明 (参考画像)
内容未確認


題名 アルプスの少女 なかよし絵文庫 ; 36


訳 : 徳永寿美子文
出版社:偕成社  166頁 発行日:1958/昭和33 

説明 (参考画像)
遠藤てるよ絵 図版有 1967/9再出版(220円)
ほとんど漢字のない、絵本の次の段階の活字本。
ほぼ毎ページに挿絵があり、カラーの挿絵は12ページある丁寧な本。


題名  アルプスの少女


訳 : 小倉ゆり子
出版社 : 中央出版社 254頁 発行日:1959/昭和34  

説明(参考画像)
内容未確認


題名  アルプスのやまのむすめ  世界幼年文学全集 ; 23


訳 : 川端康成等編
出版社 : 宝文館 201頁 発行日:1959/昭和34

説明 (参考画像)
吉崎正巳絵 図版有


題名  アルプスの少女 / スイスのロビンソン 少年少女世界文学全集24 ドイツ編(7)


訳 : 関泰祐/ウィース 塩谷太郎
出版社 : 講談社 430頁  発行日:1959/01/20昭和34   価格: 380円

説明 (参考画像) 1962に重版有
「アルプスの少女(ハイジ)」9-232 さし絵・西村保史郎 「アルプスの少女について」(こどもむけのまえがき)関泰祐10頁 
「解説 19世紀のスイスの文学」417-421植田敏郎 解説「アルプスの少女」421-422関泰祐

「スイスのロビンソン」(1814)は欧米ではハイジに匹敵するほど有名なスイスの代表的児童文学作品。 実写映画化され、東京ディズニーランドにアトラクションもある。 日本ではこの本の他に岩波文庫版しかなく、ほとんど知られていない。

医師のお父さんが子供たちが眠るときに話した冒険物語を、成人した子供が整理追加したもの。
スイス人の家族が無人島で暮らすお話で、日本では「ふしぎな島のフローネ」として1981に一年間にわたってアニメ化された。アニメでは主人公は女の子だが、原作では男の子だけの兄弟4人。


題名 アルプスの山の少女 世界少年少女文学全集 ; 16


訳 : 植田敏郎
出版社 : 東京創元社 370頁  発行日:1960/05/05
昭和35  価格: 270円

説明 (参考画像)
原田ミナミ絵 全32巻(第1回配本) 「解説」植田敏郎367-369  読書指導369-370


題名 アルプスの少女 集英社のフレンドブック4・6上


訳 : 岸なみ
出版社 : 集英社 214頁  発行日:1960/06/07  価格: 100円

説明 (参考画像)
高木清絵 「ハイジのように」岸なみ(裏表紙) 「アルプスの少女」1-151頁、「読書のてびき」浜田廣介(同一ページの下1/3でスイスやハイジの映画の紹介をしている)152-156頁所収 雑誌形式

他に「ゴビ砂漠の名犬」「自動車王フォード」など連載・コラムなどあり


題名 アルプスの少女/トム・ソーヤーの冒険 世界名作全集. 第19  


訳 : 関泰祐,阿部賀隆訳/マーク・トウェイン作 ; 光吉夏弥訳
出版社:平凡社 603頁 発行日:1960/10/28昭和35 価格: 260円

説明 (参考画像)
箱付(箱絵 アルプスの真昼・セガンチーニ) 
小冊子付(「郷愁(ハイムヴェー)スピリの『ハイジ』に因んで」小池辰雄1-3頁 

巻末解説「アルプスの少女」阿部賀隆594-599頁



総 評 日本語翻訳紹介3


 いよいよ高度成長時代に入り、本の物質的な質は格段に向上します。

 各出版社は、いっせいに同じような「全集」を計画して、豪華さと冊数と、子供への教育効果、さらに全集にすることによる「お手軽さ・装飾性・経済性」をきそっていきます。
 全集の全盛期のはじまりです。

 部屋に全集がずらりと並べば、保護者としてはハナが高いですよね。たとえ当の子供たちが読みはしなくとも・・・です。

 しかし、全集として扱うには、同じような厚みの本にそろえなければならず、ページ数の制限ができます。
 また低年齢層向けにする場合、簡単な内容にリライトしなければならず、ダイジェストと簡略化が横行する結果となってしまいました。

 ハイジは全集の常連となりますが、原作のままでは、ページ数・内容ともに「大人」の目には低年齢に最適とはうつらずに、さまざまな簡略化がすすめられます。

 ハイジにおいての内容の書き換えは、野上弥生子の初版と岩波文庫版の間でかなりの内容変更が行なわれたのが最初です。
 これは文学としての質を追求するための書き換え、削除でした。
 しかし、商品としての体裁をととのえるための簡略化はより大きな問題をはらみます。

 もちろん、各訳者・各画家たちは、子供たちのことを考えて、心をこめて本を作るはずですが、まことに皮肉なことがおきてしまいます。

 全集は長期に残ることを目的として購入されるものですが、実は児童文学の書き換えされた全集は、保存価値・資料価値があまりなく、また本として長く版を重ねることもない短命な「商品」です。
 キャンペーン的・季節商品的な性格をもってしまうのです。

 この点、通常の文学作品の全集と、児童文学の全集ではかなり意味が違ってきます。


2005/8/11 


個人的おことわり。
勝手にいろいろなところにリンクをはらせていただいておりますが、
アフィリエイトなどは設定しておりませんよ。
誤解しないでくださいね〜。
されても当然かもしれないけど・・・
(^ ^;)ゞ