超漢字から超漢字Vへ・・・(2006年10月〜2007年11月)

<項目>

(0)回想のロンド、2001年夏
(1)超漢字V登場、2006年夏
(2)ノートPCを衝動買いする、2006年夏
(3)Welcome!超漢字V、2006年冬〜2007年秋
      1)インストール
      2)Windows「共有フォルダ」を有効にする
      3)セキュリティソフトの設定
      4)別売ソフト導入
      5)VMWare Playerのアップデート
      6)仮想ディスク導入
      7)仮想ディスク導入へのデータ移行
      8)USB MO について
(4)移行を終えて


<内容>

(0)回想のロンド、2001年夏

 SHARPのノートPC Mebius MN-5030(Windows95a)の調子が悪くなってきてどうしようか・・・とぼんやりと考えていた2001年夏、たまたま通りがかった大須のパソコンショップの店頭処分品(これまた同社ノートPC)のMebius PC-MJ730R(WindowsMe,PentiumIII-800MHz,128MB)を衝動買い(※1)して「超漢字3」を使い始めたのが、実質的な超漢字事始めだったと思う。それ以前に1B/V3(※2)を使ったこともあったが、これは単に「入れてみた」に留まる。

※1:今思うとこれは手痛い失敗であった。史上最悪のOSであるWindowsMeに手を出してしまうとは・・・。
※2:懐かしい・・・、FD1枚(数枚?)の小さいシステムだったが、CD-ROMもインターネットも使えなかった。

 BTRON仕様の「超漢字」は1999年の発売後、「超漢字2」「超漢字3」「超漢字4」と2006年までバージョンアップを重ねてきたが、パーソナルメディア一社だけでは、際限なく増加し続けるWindowsPC(※3)への対応を完全に行えるはずもなく、ここ数年は既に限界(※4)を越えていたと思う。

※3:昔はPC/AT互換機と言っていましたが、昔話ですなあ。
※4:実際、ようやってたなあ・・・と思いますよ。

(1)超漢字V登場、2006年夏

 そこへ救世主(?)として現れたのが、劇的なコストパフォーマンスのWindowsPC+無料で使える仮想化技術(VMWare Player)の組合せによる「超漢字V」(※5)。これなら、「超漢字」開発側から見たターゲットマシンは VMWare が提供する「仮想マシン」(※6)一つに絞れば良く、WindowsPC機種間の差異はWindowsとVMWare吸収してくれるので基本的に意識する必要は無い。Windows上の一つのアプリケーションとして扱えるから、危険なHDDのパーティション切り直しやMBR書換(※7)も必要なくなる。

※5:我ながら大げさ。
※6:これもPC/AT互換機・・・と言えるのかな?。
※7:System Commander を使ってました。

 軽くないWindowsOSの上に仮想マシンを構築しさらにその上で「超漢字」を「快適」に動かすには、それ相応のハードウェアが要求されるのは言うまでも無いが、それはここ10年数年の劇的なハードウェアのコストパフォーマンス向上が解決してしまった。

 「超漢字V」は CeleonM 1.5GHz CPU,1GB主メモリ, 60G HDD 程度のスペックで結構軽快(※8)に動くが、この程度の性能はノートPCのエントリーモデルですらクリアしまう。色々探せば5万程度(※9)で入手可能だろう。(2007年11月現在)

※8:WindowsXPの話、Windows Vistaでは駄目です。
※9:ホント、ここまで安くなるとは10年前は考えられなかったし、20年前では想像すら・・・。

(2)ノートPCを衝動買いする、2006年夏

 仕事で使う会社の機器を購入するために貴重な休日を使って足を運んだ大須のパソコンショップ、そこでlenovo 3000 C100が展示処分品として売られていた。CeleronM1.5GHz,主記憶512MB,80GBHDD,DVDスーパーマルチ。OSはWindows XP Home SP2で、バンドルソフトは余り入っていない。

 液晶はXGAでテカテカしてないノングレア(※10)。ブラックボディで無愛想な外見だが、あとメモリを512MB足して1GBとすれば、超漢字Vを使う目的には申し分無いだろう。これで9万ちょい(2007年11月現在なら6万円台で買えるかな?)。セキュリティソフト(※11)+StarSuit8(※12)を加えても10万で収まる。超漢字V発売の数週間前の出来事。自転車で片手に持ちながら落っことさないよう恐る恐る帰ったことはよく覚えている。

※10:最近流行りのテカテカ液晶は見た目は綺麗だけど映込みが激しくて使い物にならない。どうしてこんなものが・・・
※11:トレンドマイクロのウィルスバスター2006を購入。
※12:MS Offfice互換のオフィスソフト。MSのは高い。個人利用ならこれで充分。

(3)Welcome!超漢字V、2006年冬〜2007年秋

1)インストール

 仮想PC上で動くOSといっても基本的にWindows上で動作する一つのアプリケーションなので、インストールについては他のWindowsアプリとそう変わることは無い。インストールガイドに従い「VMWare Player」(※13)「超漢字Vサービス」「超漢字V仮想マシン」を順にインストールしていく。なお、「VMWare Player」インストール時にCD-ROMの自動起動を無効にするかどうか確認するチェックがあるが、これをチェックしてインストールすると、Windows Explorerを使ってCD-Rにファイルを書き込みすることが出来なくなる可能性があるので要注意(※14)

 インストール完了後起動すると「VMWare Playerのユーザー使用許諾」画面が現れるので、了解してOKするとVMWarePlayerが起動し、そのウィンドウの中に見慣れたB-rihgt/Vの画面が出てきた後、超漢字Vが起動。

 最初の起動時は「初期設定」が出てくるのでガイダンスに従い設定。「かな漢字変換とキーボード操作の設定」はBTRON標準かWindows標準を選択出来る。Windowsの操作に慣れているのでWindowsの方を選択。その後の「かな漢字の変換入力方法」は「ローマ字入力」「英数(起動時)」を選択。最後の「キーボード操作の方法」の3つの項目(かな漢字変換キーの割り当て、ローマ字入力とかなの対応、ショートカットキーの割り当て)も全てWindows標準で設定、これで初期設定は終わりだが、「ATOK風」に慣れているので、さんの「ATOK風キー割当て定義ファイル」(※15)(「超漢字V」に添付)を導入した。

※13:超漢字V添付のVMWare Playerのバージョンは1.0.2。現在、1.X.Xの最新版は1.0.5。2.X.Xの最新版は2.0.1。Windows Vista には2.X.Xが必要だが、WindowsXPには1.X.Xで問題ない。

※14:インストール時の注意事項(CD-ROM Autorun Disable)
 VMWare Player(バージョン1.0.2)のインストール時、推奨通りCD-ROMの自動起動を無効(disable autorun)をチェックすると、Windows Explorerを使ったCD-R書き込みが出来なくなる可能性がある。ブランクディスクを入れてもExplorerがそれを認識しないためのようだ。ただ、専用のソフトを起動してCD-Rへの書き込みを行うことは可能。
 なぜCD-ROMの自動起動を無効するかというと、「超漢字V利用時にCD-ROMの自動起動をオンにすると、CD-ROMの利用が常にWindows側で行われるため、超漢字VでCD-ROMドライブが利用できなくなる場合がある」ということで、パーソナルメディアとしてはCD-ROMの自動起動オフを推奨している。
 によると、CD-ROMの自動起動のオン/オフには「VMware Playerのアンインストール後、再インストール時に、CD-ROMの自動起動をオフにする設定をはずすことでCD-ROMの自動起動をオンにすることができます」とあるが、これは現実的ではないので、他の方法を考えるべきだろう。OSの種類によってもさまざまなやり方があるので、インターネットで方法を探すといいと思う。
 超漢字よりWindowsでCD-ROMを使う人が殆どだと思うし、僕もそうなので、「CD-ROMの自動起動を無効(disable autorun)」チェックは外してVMWare Playerをインストールしている。なお、「メディア挿入時にShiftを押し続けると自動起動を働かなくさせることが出来る」そうなので、超漢字でCD-ROMを使う時だけそうすれば良いと思うが・・・もっと手軽にCD-ROMの自動起動のオン/オフが出来ないかと探してみると、一応下記の方法があるようです。

  1)MS社無保証提供ユーティリティ群PowerToys for Windows XPを使う
   http://www.microsoft.com/windowsxp/downloads/powertoys/xppowertoys.mspx
   ※これだけのためにこのソフトをインストールするのもなあ・・・

  2)レジストリ設定による無効化
   これは面倒だし、マシンの再起動も必要。初心者向きじゃないなあ。

  3)gpedit.msc を使う
     gpedit.mscは「スタート」ボタンをクリックし「ファイル名を指定して実行」で実行。
      但し、gpedit.mscはWindows 2000 Professional Edition、Windows XP Professionalには
      あるがXPHomeには無いそうな。僕の機種はXPHomeだからこれは使えない。

   4)CD-ROMドライブの「プロパティ」-「自動再生」で設定
       CD-ROMドライブ(これは機種によりさまざまでしょう)の「プロパティ」を表示し、
      「自動再生」タブで選択するすべてのファイル(音楽ファイル、画像、ビデオファイル、
       混在したコンテンツなど)から「何もしない」を設定する。

   5)Shiftキーを押しながらCD-ROMを挿入する

   以下、参考にしたサイト。

    ANGIE WORKSHOP
    Windows XPで自動再生機能を無効化する

    GIGAZINE
    USBメモリもCD-ROMもあらゆるドライブの自動再生をオフにする方法

    @IT
    リムーバブル・ストレージの自動再生機能を制御する方法(Windows XPの場合)

    Windows高速化への道
    CD-ROMの自動再生停止

    Windows Users
    一時的に CD-ROM の自動再生をキャンセルする

※15:超漢字Vに添付。

2)Windows「共有フォルダ」を有効にする

 「共有フォルダ」を超漢字Vからアクセスするには設定が必要。PDFファイルで提供されている『操作ガイド』(※16)の「基本操作編 第8章 Windowsとの連携機能」に従って設定。

3)セキュリティソフトの設定

 これはセキュリティソフト次第なので、超漢字ウェッブサイトの--を見ていただくのが良いだろう。私場合は、ウィルスバスター2008のファイヤーウォール設定を現在の使用状況(家庭内ADSL利用を想定)に適応していると思われる「家庭内ネットワーク2」に設定し、印刷に関わる「超漢字Vサービス」のアクセス制限設定をに従い行った。プリンタは持っていないので特に関係ないのだが、セキュリティがらみのことなので、これはきちんとやっておかないといけない。

※16:『操作ガイド』(PDF)は2007年3月28日に修正版がから入手出来るので、古い操作ガイドは新しい物に置き換えた方が良いだろう。

4)別売ソフト導入

 超漢字オフィシャルサイト「について」を再度確認してインストール。(これはよく読んでおきましょう。書体のインストールは不要とか重要なことが書いてあります)   の導入はすんなりいった。ちなみに、はFDで供給されているけど、FDD無しノートPC(※17)なので、FDDの内容をHDDに複製してあるものから導入した。

 手間取ったのは前回と同様。Windowsで使っていたEPWING辞書(英和中辞典)のデータの抽出に1時間くらいかかった。まあ、そのくらいかな・・・

 なお、別売ソフトという訳ではありませんが、超漢字V本体も2007年7月4日にバージョンアップ版が公開されている。方法はこれまでの超漢字4と同じ。

※17:3.5"マイクロフロッピーもやがて無くなるのかなあ・・・5インチのミニフロッピーはディスクそのものの生産が終了してしまったようだし・・・時代を感じるなあ・・・

5)VMWare Playerのアップデート

 特にアップデートする必要はないけど、セキュリティ上少々不安なのでアップデートすることにした。とはいえ、2.0.Xは主にWindowsVISTA対応でXPにはあまり関係なさそうだしXPで使う分にはメリットよりデメリットの方が多そうなので1.0.2から1.0.5へのバージョンアップに止める。でもこのバージョン迄なら問題ないと書いてあるし。

 バージョンアップは簡単。上書きインストールで、全バージョンの削除と設定の引き継ぎまでやってくれる。念のためセキュリティソフトや他のソフトは停止してからアップデートを実施。マシンを再起動してから超漢字Vを起動し特に問題のないことを確認。CD-ROMの自動起動無効のチェックを外して(※18)再インストールしました。

※18:※14参照

6)仮想ディスク導入

 超漢字Vにを導入する。超漢字4では「実身-仮身」データ(メール・ホームページ)をUSB 40GB HDD(超漢字形式)に入れており、超漢字Vでもこのままで問題なく使える。しかし、やはりアクセスが遅く USB 1.1規格の速度しか得られないので、この際仮想ディスクに乗り換えることにした。

 仮想ディスクのいいところはアクセスが速くなることと、バックアップが容易なことの2点。仮想ディスクは所詮一つのファイルに過ぎないから、バックアップはそのファイルのコピーで済む。WindowsのUSB HDD なら数GBのデータでも数分でバックアップ可能だから、安くなったUSB HDD(※19)でバックアップを取ればよい。

 今回はシステム部分とは別に10GBの仮想ディスクを2つ作った。一つはソフト関係、もう一つはメール・ホームページ等のデータ用。頻繁にバックアップを取る必要のあるデータ用とそうでないソフト関係に分けて管理する(※20)ことにした。

※19:消耗品扱い出来るほどHDDが安くなったから出てきた発想だなあと、つくづく技術の移り変わりの速さを実感するこの頃である。
※20:分けておけばあとあと管理が楽だと思ったが、VMフォルダ全部をまとめてバックアップしても5分もかからなかった。

7)仮想ディスク導入へのデータ移行

 USB 40GB HDD(超漢字形式)から仮想ディスクへデータ移行を行う。やり方は、

 い)メールとホームページのデータをバックアップ小物で一つの実身にまとめてCDーRに落とす。
 ろ)ディスクチェック(ディスク修復)を行う
 は)USB 40GB HDD(超漢字形式)のデータを仮想ディスクへ実身複写する。

という順序。ディスクチェック(ディスク修復)でデータが飛ぶ可能性があるので、メールとホームページのデータだけは事前にバックアップを取る。後は壊れても問題ない。ディスクチェックを行うのは、データ移行を行う前にデータの健全性を確認しておきたいから。

 バックアップを取った後ディスク修復。修復は「簡易」「通常」「完全」の3つあるが、今回は空き領域も含めて確実にチェックしたいので「完全」を選ぶ。40GBを4つに区画して10GBづつ使っていたが、一つの区画で3時間以上かかった。

 ディスクチェック終了後、超漢字形式USB HDDから仮想ディスクへデータ移行。これも結構時間を喰った。実身数3万・3GB程度のデータ移行に3時間はかかったと思う。実身-仮身ネットワーク関係を解析して実身複製するから時間がかかるわけだ。でも一度移行すれば後は楽。バックアップもこの仮想ディスク(ファイル)をコピーするだけ、数GBのデータもコピーはものの数分で終わる。今までの苦労や心配が嘘のよう。

8)USB MO について

 超漢字Vでは、USB MO(Buffalo MO-P1300U2)をサポートしているのだが、僕の端末では使えなかった。ディスクが入っていない状態では、超漢字Vはちゃんと機器を認識しているが、ディスク(Windowsフォーマット、超漢字フォーマット共)を入れた途端、「湯飲み」待ち状態になってしまう。VMWare Player からUSB MOを切り放すと回復するのだが・・・
 色々トライしたが結局駄目で、超漢字からのMO利用は諦めることにした。バックアップの手段は他で確保しているので、特に問題にならないし。


(4)移行を終えて

 操作感(おもに体感速度)は超漢字4と比較して遜色ないし、バックアップも楽になった。Windowsとの連携もスムーズで、これまでの不満が一挙に解消された感じ。超漢字で出来ないことはWindowsでやればいいし、テキストのコピー&ペーストならシームレスで行える。OS切り替えの為の再起動も不要だし。

 ノートPCのトラブル等、予想外の要因でここまで来るのに丸一年経過したが、その甲斐はあった。

 現在の不満は画面の狭さ。XGA(1024×768)では物足りない。今度ノートPCをリプレースするときはWXGA以上にしよう。(2007.11.8記、2007.12.1修正)


End of Page.