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飛行機が行ってしまった!(2)
バンコクから日本へ帰国するときのことだった。このときは安く行きたいということで,ビーマン・バングラデシュ・エアラインのチケットだった。「空飛ぶ棺桶」などと揶揄されるこのエアラインは,確かに機体は古いが別にそれほどひどいこともなく,成田からのフライトはエキゾチックなスチュワーデスでサービスも悪くはなかった。

72時間前までのリコンファームが必要とあったので,バンコク市内のビーマンのオフィスで規定どおり3日前にはリコンファームを済ませていた。このときのオフィスの係員はまるでおもちゃのようなキーボードをたたいていて,こんなもので大丈夫なのかと,ふと気になった。

さて,バンコクを発つ日,少し早めに空港に到着すると僕たちが搭乗手続きの最初らしかった。空港ではタイ航空の職員が仕事を代行していて,僕たちのチケットをチェックし,「スタンバイ」という。30分後に再びこの場所に来てくれというので,その通りにするがまた「スタンバイ」を繰り返すだけで,その間にすでにほかの乗客たちはゲートのほうへと続々と進んで行くのだった。

リコンファームはしてあるといくら説明しても,「スタンバイ」を繰り返すだけで,らちがあかない。どうやらオ
ーバーブッキングらしく,結局ビーマンエアラインからも,代行しているタイ航空の職員からもなんの説明もなく,飛行機は予定の時刻に行ってしまった!タイ航空の職員は「私たちに責任はないのよ」とでも言いたげな様子で立ち去った。

こんなことがあるとは思ってもいなかったので,呆然とするしかなかった。ビーマンエアラインの日本への乗り入れは週1便なので,次の便は1週間後ということになる。僕らと同じように積み残されたのはOL2人組と男の大学生2人組。このような状況で大学生2人組はただおろおろするだけなのに対して,OL2人組は意外にしっかりした態度で,女性のほうが土壇場では強い感じがした。

全員呆然としていると,「どうしましたか?」と,どこからともなくドイツの航空会社のものだと名乗る日本人男性が現れた。結局,彼のお蔭で我々6人は翌日のキャセイ航空の便にエンドースしてもらった。エンドースできないチケットでも,何とかなるものだということをこのとき初めて知った。

翌日のキャセイ航空はビーマンとは段違いで,食後にコニャックのサービスまでついていた。

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