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Chateau d'Isenbourg (Rouffach, France)
フランスのアルザスを走って,南へ向かっていた。そろそろホテルを決めたほうがいいという時間になった。ヨーロッパをドライブする場合は,空港からどの方向へ行くかをあらかじめ決めておくぐらいで,その後はどこへ行くかも気分次第だし,したがってホテルを予約して行くことはない。

ただし,どこで泊まることになっても,Mがルレー・エ・シャトーとスモール・ラクジュアリー・ホテルのリーフレットを持っているので困ることはない。満室ということはほとんどなく,だいたいいつも泊まることができる。

この日は,Mが候補にあげた Chateau d'Isenbourg に泊まることにした。部屋の用意ができるまでテラスでワインを飲みながら待った。ホテルは高台にあり,暮れかかるルファック村が一望できた。村の中心部には教会があり,典型的なヨーロッパの村がそこにあった。どこにでもある風景で,取り立ててすばらしいというわけではないが,心が安まる思いがした。

ドイツのシュロスホテルに比べるとフランスのシャトーホテルはたたずまいもどこか瀟洒な感じで独仏の気質の違いが感じられる。夕食は当然のことだがフランス料理で,ギャルソンたちがきびきびと立ち回り,ソムリエおすすめのアルザスのリースリングも料理の味も申し分のないものだった。ただ,Mはカエルを食べようと張り切っていたが,この日は用意できないと言われてがっかりしていた。

カエルを食べることはできなかったが,フランスの田舎の旅は充足感で満たされる。

(注) Chateauの「a」にはアクサン・シルコンフレックス記号が付く。

シャトーといっても重々しい雰囲気はない。


ルファックの村は夕暮れの中に沈もうとしていた。

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