今庄蕎麦(いまじょうそば) 5/30
福井の名産はいくらでもあるけど、安さも兼ね備えたものなら今庄蕎麦と水ようかん(こちらは冬季限定もの)がお勧め。このサイトでも何度か話題にしてます。
週末から昨日まで、父の一周忌で帰郷していました。土曜の夜テレビを見ていたら、ローカルニュースで、あす今庄そばまつりが開かれます、と言っていました。それを見ていた母が突然「これ行ってこか」。思いつきです。ふだん母のそばにいてあげられないし、面白いかも知れないというので、翌日レンタカーを借りて行きました。今庄は福井市から49km南の、景色のきれいな山間の町ですが、会場になっているスキー場は大混雑でした。
母と二人で食べたのが、右のおろし蕎麦。冷やしです。この蕎麦は温かくても冷たくてもおいしい。1杯400円。味をうまく説明してできないのだけど、だしは昆布、鰹節がベースです。信州蕎麦や深大寺蕎麦とはまた違った味です。百聞は一食にしかず、福井に来たらぜひお試しください。駅にも立ち食いのお店があります。かけそば260円、冷やしが300円。
東京に戻る日、市役所へ戸籍謄本などの書類を発行してもらいに行ったのだけど、やたら長い時間待たされました。時計を見ながら、次第に不安が増してきました。買い物や駅の蕎麦を食べる時間がなくなるじゃないか。あきらめるとしたら、おみやげか、蕎麦か? 苦渋の選択を迫られる寸前で書類が出てきました。
お金を支払うとすぐに老骨にむち打って駅まで走り、大急ぎで土産を買い、5分で蕎麦をかき込んで、電車にもセーフ!ああ、よかった。
アニメーターに求められるもの 5/26
アニメの美術監督をやっている友人から、時々仕事を回してもらっています。このひと月ばかり、まとまった分量が続いていました。新しくMac
Mini を買ったのもその仕事のため。先日やっと開放されて、今週はひと休みです。
この仕事をやっていて思うことは、ふだんぼくがやっている印刷媒体の仕事とは異なる技術が要求されると言うことです。友人の担当は背景なので、町や建物、室内などをリアルに描くテクニックが必要です。でもそれだけでは不十分。絶対に欠かすことができないのが要領の良さです。
スケジュールがきついのはどこの業界も似たようなものですが、アニメ界は単価が飛び抜けて安い。これは手塚治虫プロを起源とする構造的な問題ですが、着彩してあるもので1枚3千円が基準になっています。上手に描けるだけではだめで、食っていくためには驚異的なスピードで枚数をこなさなくてはいけません。
ぼくはアニメに出てくるような感じのリアルな表現はできないので、もっぱら設定という仕事をやらせてもらっています。建物や風景の設定で、こちらは鉛筆で描きます。不思議なことに色をつけないこちらの方が値段はいいのですが、それでも作業は大変。パース(遠近感)や比率はきちっと合わせなくてはいけない。
短時間ですべてを計算しながら描いていくためには、どこに力を入れ、どこで手を抜くかを体で覚えなくてはいけない。多少慣れたとはいえ、いまだに四苦八苦しています。
考えてみれば、そういうテクニックを身につけた人たちによって、日本のアニメブームは支えられているのです。すごいもんだ。
先週の土曜日、ぼくがMac Mini で作った着彩の背景が出てくるアニメ番組が放映されました。画面の切り取り方と、時間の流れで、絵がまったく違ったふうに見えました。ほんとうに、印刷媒体とは異なる世界なのだと実感しました。
絵のピンポイントパス
5/22
ピンポイントパスというのはサッカー用語です。味方に出す正確なパスのこと。中村俊輔、小野伸二、など優秀な選手はみなさん上手。中田ヒデなどの出すパスにはキラーパスという言葉がよく使われます。敵の選手たちのわずかの隙間を抜けて味方に届きます。
こういう技術がどれくらいすごいかは、実際にサッカーをやっている人じゃないとわからないのだろうなと思います。パスに限らず、シュートなども、一流の選手たちはイメージした動線どおりに球を蹴ることができるのでしょう。ぼくのような素人は、選手たちのリフティングを見ると、ああ真似できないと、しっかりわかるのです。
絵についても、同じようなことが言えると思います。最近、映画がらみでダ・ヴィンチがどこでも話題になっていますが、マグダラのマリアがどうしたこうしたばかりを騒ぐんじゃなくて、あの人の絵のすごさ、中でもデッサンの美しさに注目して欲しいと思います。ダ・ヴィンチ研究家の中には、デッサンこそが彼の芸術の神髄を表していると言う人がいるくらいです。
ぼくはいろんな画家のデッサンを見るのが好きです。それは着彩された大作よりもぼくたちに近づいてくれるし、でも近づいてくれているようで、意外に遠かったりする(自分はこんな所にはとても到達できない、と)。
優れた画家たちの絵には、無駄な線や色がありません。一瞬で形を正確に把握し、線で表します。それはまさに絵のピンポイントパスと言っていい。そうだ、Pinpoint
Pass をちょっとしゃれてPinpoint
Path と言ってみましょう。すごい人はしかも、単に正確なだけじゃなくて、対象の動きとか感情とか生命力までその線で表してしまう。
サッカーのリフティングを見るときと同じように、線で描かれた見事な絵を見るとき、ぼくたちは画家たちの恐るべき実力を思い知らされるのです。
ガソリンが高い 5/19
今日の午後ほんの少し晴れ間が見えたものだから、久しぶりに車を洗いました。どれくらい久しぶりかは言いません。言うとみんな引くと思うから。子どもたちからも「汚いよ」と言われ続けていました。乗るのが平均週1回なものだから、洗車するにも腰が重くなってしまうのです。学校勤務時代は車で通勤していて、毎日往復50km走っていたものですが。
今朝は給油にも行って来たのですが、ガソリンの価格がまた気を重くする材料です。ギリギリまでガソリンを入れないでいるけど、待ってたって当分値段は下がりそうにありません。
今月も値上げして、レギュラーが1リットル136円。ハイオクは145円。ぼくはセルフ給油のスタンドを利用しているおかげで、ハイオクを136円で買うことができたけど、それにしても高い。110円前後だった10年前が懐かしく感じられます。
石油で思い出すのは、高校1年の時の地理の授業です。1971年。先生が、地図帳に載っていたデータをもとに、いつごろ人間が石油を使い尽くすかという計算をしました。当時の世界全体の年間消費量で割った結果、ちょうど2000年ごろになくなりそうだ、という結論になりました。「このころまでには、別の資源を利用することを考えないといけないということやな」と先生は言いました。
ぼくが44歳になる頃か……どうなるんだろう、と微かな不安を感じたのですが、さて、その2000年はとっくに過ぎてしまいました。あの時代をはるかに上回る消費量に、中国の経済発展が拍車をかけている現代。でもまだ石油は生産され、消費され続けています。いったいあの時の計算は何だったんだろう、と思う。まるでノストラダムスの予言がはずれたみたいに、あの時の予測もはずれたわけですが、でも石油が限りある資源であることには間違いなく、教室の中で抱いた不安は今なお、ぼくのどこかに居座り続けているのです。
日韓の温度差 5/16
うっとうしい天気が続きます。みんな認めたくないだろうけど、日本の大部分はもう梅雨に入っているのですよ(笑)。5月6日から昨日までの10日間の日照時間は、例年の半分以下だそうです。やっぱりなあ。
さて、昨日サッカーW杯の代表メンバーが発表されました。最後にほんの少しサプライズがありましたね。でもぼくは巻には入ってほしかったから、満足です。今回一番活躍してほしいのは大黒と中村。次に小野の華麗なプレイを見たいけど、ディフェンスの加地や中澤も大いに頑張ってほしい。先日のキリンカップはどちらの試合も、まるで今の天気のような湿った結果だったから、ドイツではあんな結果にならないことを祈ります。
日本と韓国で行った世論調査によれば(毎日新聞5/12付記事から抜粋)、それぞれの国の代表についての予想は以下のようなもの。
日本代表の成績予想は、日本では「ベスト16」(27%)が最も多く、「分からない」(23%)、「1次リーグ敗退」(20%)、「ベスト8」(18%)。韓国では「1次リーグ敗退」(64%)
が最も多かった。 一方、韓国代表の成績予想は、日本では「分からない」(35%)、「ベスト16」(26%) が多く、韓国では「ベスト8」(42%)、「ベスト16」(35%)
の順。
いつも思うのだけど、自国チーム応援の温度差が日韓ではかなり違いますよね。サッカーに限らず、野球のWBCの時もソウルの広場で市民が応援する様子がテレビに映し出されていて、ぼくはあの光景に圧倒されます。上に引用した調査結果も、韓国の場合、予想と言うよりは期待値でしょう。どちらかというと日本の方がクールに(時に皮肉っぽく)代表を見つめている感じがありますが、冷静な分析とともに希望を持ちながら熱く応援するのが大切。スポーツ応援の熱さでは韓国を見習いたいものです。
というわけで、本番オーストラリア戦まであと26日、がんばれNIPPON!
ダ・ヴィンチという宇宙 5/13
映画「ダ・ヴィンチ・コード」が封切られるものだから、テレビも展覧会もダ・ヴィンチの企画ものが花盛りです。ゆうべ「たけしの誰でもピカソ」も2時間特集を組んでいました。
面白かったのですが、テレビの避けがたい性格として、初心者を念頭に置いて作られているから、他の番組や本でも取り上げられる基本事項を繰り返し見せられることになります。鏡文字のことやら、生い立ちのことやら。
さらに、今の時期に放映されるものは映画の宣伝を兼ねているので、話が横道にそれていきます。ダ・ヴィンチの研究ではなく、ダ・ヴィンチを利用した謎かけ遊び。この本(映画も)はそういう種類のエンタテインメントだから、当然そうなるでしょう。
面白いのは、『ダ・ヴィンチ・コード』の中で展開されている「最後の晩餐」をめぐる解釈について、番組の中でゲストの大学教授が「そういう解釈もできると言うことです」と発言していたのですが、別の出演者がサラリと別の話題に切り替えました。それ以上突っ込むと映画の宣伝に支障が出るからだろうというのは、容易に想像がつきます。
ダ・ヴィンチの謎ということがいつも話題になりますが、実際、彼は日ごろから人に謎をかけるのを楽しんでいたようです。ダ・ヴィンチの絵にしろシェークスピアの芝居にしろ、天才の作品というのは、その中にあらゆる要素を詰め込んでそのままを提示し、解釈は鑑賞者にゆだねているところがあります。一つの答えしか引き出せないような単純なものではないと言うことです。どこをどう取り出すかで、とんでもない解釈もあり得る。
だから、一つ二つの解釈でわかったような気になるのではなく、芸術家の中の膨大な宇宙や懐の深さに驚嘆しながら頭にどんどん「?」を増やしていくのが、ダ・ヴィンチの正しい楽しみ方なのかも知れません。
雨と新緑浴 5/10
いやー、一週間もサイトを更新していませんでした。今日の午前に仕事がひと区切りついたので、久しぶりにご挨拶を。
今年は4月も肌寒い日々が続いたし、連休中ぼくはどこにも出かけられませんでしたが、たとえ家の中にいても、外は晴れていてほしいと、ずっと願っていました。
ところが爽やかだったのは連休中だけ。それがが過ぎたらまた急に天気が悪くなって、曇りやら雨が続いています。風薫る五月のはずなのに、なんだなんだ、まるで梅雨みたいじゃないかと、だだっ子のようにブツブツ言いながら、今朝、作品を届けに外へ出たのですが、そうしたら……。
雨に濡れた木々がしっとりと新緑の香りを放っていて、その香りとともに緑色が鮮やかに目に飛び込んできました。ひんやりとした空気はどこかの山で迎える朝のようだったし、いつも通る所が別の場所のように見えて、新しい驚きに満ちていました。
そう、それはまさに
Sense of Wonder 。あの有名な科学者レイチェル・カーソンさんの著書のタイトルどおりです。
そう言えばあの人は、この本の中で、雨の日は森の中を散歩するにはうってつけだ、と言ってます。カーソンさんは甥っ子ロジャーを連れてメイン州の森を散策した経験からこの本を書いたのですが、湿った気候の中の森ほど新鮮で生き生きしたものはない、と語っています。
この指摘はぼくにとっては本の中で最も印象深い言葉の一つです。ふつう、雨ってちょっと人気がなかったりして、みんな快晴の日にこそ出かけたいと思うものです。でもカーソンさんは違う。自然の生命力を感じることのできるのは雨の日なのだと。それはきっと、いわゆるアウトドアとは全く別の視点なのでしょうね。
今の時季、雨が降るたびにいよいよ緑が鮮やかになっています。森林浴という言葉はよく聞くけど、新緑浴という言葉があってもいいなあ。そんなことをふと感じた今朝のひとときでした。
ヤモリはもう衣替え 5/3
連休本番に入りました。今朝は快晴で、まさに行楽日和。でもぼくはお仕事です。別に残念だとは思いません。だって、日ごろ稼ぎ悪いから、フリーランスは仕事がある時にしっかりやらないと、家族に顔向けできないじゃありませんか。
さて、このところの陽気で、わが家のヤモちゃんが昨日ついに脱皮しました! 写真、わかりますか?頭としっぽに白い膜が残っているでしょう。ケースの中にやや大きめの石を入れてあるのですが、それにうまくこすりつけて少しずつ脱いでいました。
カメもヤモリも冬の間はほとんど何も食べません。家の中にいるので冬眠はしませんが、動きは鈍いし、餌をやっても見向きもしないし。でも最近少しずつ活発に動くようになってきたのです。冬の間ヤモリにはミルワームをやっていましたが、この頃暖かい日には外で蠅やシジミチョウなどの小さな虫を捕まえてきて、やっているのです。
そうそう、今日の午前中、ヤモリの餌を息子が採りに出かけたら、何とツマグロヒョウモンが採れました! 今年最初の収穫。これも後日掲載します。
花もカメも虫も、毎日生命力溢れた素敵な姿を次々に見せているので、「生き物ですよ」で紹介したいものがたくさんあるのですが、追いつきません。
暖かくて明るい陽射し。出かけることはできなくても、もうじゅうぶん気分がさわやかで、仕事でもなんでも、いろんなことがうまくいきそうな気がしてしまうのが不思議です。
4月の「ごあいさつごあいさつ」
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