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−芸術鑑賞−
 作品の奥に隠れている構想、芸術家の作品への思い入れはすごいですね。解説を読んだり、聞いたりすると見ただけではわからない情景が浮かんできます。そんなことを思いながら、画家の一連の作品を改めて通してみてみると、苦悩の様にも写りますが、作品はどこまでも洗練されてきれいです。 宗教的な作品、買い手を意識した作品から、自分が思うままの作品と解説文と対照しながら絵画を見ていくと、いろんな時代、背景が作品に映し出されています。しかし、制作中の画家には関係なかったかも知れません。
  しかし、貧乏した画家は多かったらしいですね。経済状況に大きく左右されたことと思います。こんな話を茨城県出身のパリ在住の画家の講演に聞きました。絵を売って少ない収入が入ると、お札をコインに替えて部屋にばらまくそうです。こうすると、お金が無くなってきて困ってきたとき、家具の片隅にはかならず1枚や2枚は見つけられるそうです。そのまま使ってしまっては、生活できない貧乏画家の様子をかいま見えるエピソードですね。日本でも、バブルの10年前と現在では大違いでしょう。
バブルと言えば、バブル期に購入された有名絵画が、日の目を見ずに倉庫の中で眠っているという話を聞きました。しかも、一度も日の目を見ずに、そのまま外国に転売されていく有名絵画。あんなバブル処理はやめてほしかったですね。
 美術の流れも興味深いものがあります。印象派の作品など、最初は軽蔑のまなざしで見られて当時の主流の評論家には受けいれられなかったようです。今となってはぜんぜん信じられないことです。今の前衛的な作品が、後世の世に名画になるとも考えずづらいですが。しかし、美術館で作品を見ていると、とても落ち着きます。現代アートでは無理がありますが、2時間半待ちの行列も気にならないかもしれません。
 テレビを見ていると、大原美術館の生い立ちの実話映画を見ました。日本で最初の西洋美術館だったんですね。それまでは、日本では白黒の雑誌ぐらいでしか見られなかった作品が直接見ることが出来るようになった。当時としては画期的なことだったんですね。しかも作品は児島虎次郎という画家が直接ヨーロッパにわたって買い付けに行って、モネの作品も画商を通さずに直接購入。当時は今の400万円の旅費が必要だったといいます。画家がパリ?の芸術会員になっていたので購入できたようです。
倉敷紡績の経営者大原氏は、えらかったですね。今のお金で20億程購入したとか?