空木岳(長野県)
 南駒ガ岳(長野県)
 越百山(長野県)


 うつぎだけ 標高2864m。
 みなみこまがたけ 標高2841m
 こすもやま 標高2613m

 9月の天気のご機嫌を伺うのは大変難しい。
 台風の時期であり、秋雨前線が活発化する9月は、雨量がもっとも多い月である。
 中央アルプスの空木岳、南駒ガ岳、越百山の縦走も、 2年連続で中止せざるえなかった。  3年目の2001年9月にようやく計画が実現した。  今回の記録はそのときのものである。  同行者は、山仲間のY女史とN氏である。

 7日(金)朝一番のロープウェーで「千畳敷」へ登る。  空模様は芳しくなく、ガスで視界がない。  天気は良くない方へ向かっているようだが、とりあえず極楽平まで上がってみる。  風もそう強くはなく、なんとか歩けそうなので木曽殿山荘へ出発。  雨が降らないことを祈りながら稜線を歩いていると、檜尾岳の登りにかかる頃とうとう水滴が落ちてきた。  その後は雨具をつけて黙々と歩きつづける。  ちょうど20年前の5月連休に同じコースを歩いた時は、 景色を見ながらの縦走だったが、今回はごく近くのものしか見えない。
 15時少し前にやっと木曽殿山荘に着いたときにはほっとした。  こぎれいな小屋である。  平日なので、ほかに数人の登山者がいるだけである。  夜行列車を使って入山したため、夕食後横になるとすぐ眠りに落ちてしまった。
 翌8日(土)は、前日の雨が信じられないような快晴。  5時半ごろ南アルプスの山並みの背後から太陽が顔を出したのを見届けた後、小屋を出発。  花崗岩の快適な斜面を登ること1時間半で空木岳の頂上着。  我々3人だけで360度の景色を堪能した後、稜線を南下する。  所々で写真を撮りながらの稜線歩きである。  南駒ガ岳の頂上も、ほかに誰もいなかった。  仙涯嶺を越えて越百山の頂上に着くと、この日初めて登山者と出会った。  越百山の頂上から越百小屋に向かって下り始めるころから、 少しずつ雲が多くなってくる。  当初の計画では、越百小屋にもう一泊する予定だった。  しかし、台風の影響で天気は下り坂という天気予報だったので、一気に下山することにした。  遠見尾根を「下のコル」近くまで下ったところから携帯電話でタクシーを予約する。  福栃沢出会いに下りると、あとはゲートまで40分ほどの林道歩きだった。
 まだ明るいので、汗を流してすっきりした気分で帰ろうということになり、 タクシーの運転手さんに紹介してもらった「フォレスパ木曽」に直行する。  最近各地に多くなった温泉を利用した施設で、 ここは温泉にレストラン、プールが併設されている。  800円の料金を払って入浴した後、館内のレストランで生ビールを飲んで一息つくことが出来た。
 このあと、野尻駅から中央西線で名古屋で出て、 四国に帰るYさんと別れ、Nさんと筆者は新幹線で深夜帰京した。

 今回の山行は、入山一日目が雨で、二日目は一転して快晴という極端に異なる条件下で縦走したため、 大変印象深い山行となった。   青空の下で歩いた、空木岳から南駒ガ岳、越百山へかけて稜線は、 花崗岩主体のためか明るい感じで、 久しぶりに中央アルプスの良さを味わうことが出来た。

 歩行記録 2001/09/07〜08  千畳敷-木曽殿山荘 6h25m 木曽殿山荘-空木岳 1h30m 空木岳-越百山 5h00m  越百山-ゲート 4h00m

 空木岳の頂上。(2001/09/08)。 
 今回の山行では、20年前の5月の中央アルプス山行と同じ一眼レフCANON F1を使って写真を撮った。  最近の山行によく持ち歩いているコンパクトカメラCONTAX TVSを修理に出していたためである。  F1に28-80mmのズームレンズをつけると、重く軽快さに欠けるが、 オートのカメラにないフォーカス合わせ、露出合わせの操作をする楽しみは、捨てがたいものがある。

 南駒ガ岳を目指して、空木岳頂上の斜面を下る。
 中央アルプス南部の安平路山から見たときにも感じたことだが、 南駒ガ岳はその姿が堂々としていて空木岳と比べて少しも遜色ない。

 南駒ガ岳へ向かう縦走路から振り返って見た空木岳。

 南駒ガ岳の頂上。

 南駒ガ岳から南側の眺め。
 ここからだと越百山(中央左より、南駒ガ岳から続く尾根の上)は、 尾根上のただのこぶのようで、見栄えがしない。
 越百山から西(写真では右方向)に延びる尾根の鞍部に、 赤い屋根の越百小屋がある。
 越百山の右奥(写真の中央)には安平路山が見えている。
 

 越百山からの南駒ガ岳。
 右側に見える仙涯嶺はちょっとした岩場で、ガイドブックに登降注意とあるが、 特に緊張するような所はなかった。

 越百山頂上。
 この日、木曽殿山荘から歩き始めて、ここで初めてほかの登山者に出会った。


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