節刀ガ岳(山梨県)

せっとうがたけ 標高1736m。

 節刀ガ岳は、御坂山地の山で、黒岳の西方にあり山梨百名山の一つである。 「せっちょうがたけ」とも呼ばれることがあるようだ。 なぜ、「節刀」という字が当てられているかはよく分からない。
 2011年の1月に、岳友Tさんに誘われて登る機会があった。 ここで紹介するのは、そのときの記録である。。
 出かけたのは、お正月気分の抜けない金曜日。 典型的な冬型の天気の日で、快晴ではあるか気温はかなり低い日だった。
 埼玉県在住のTさんが車を出し、筆者を大月駅でピックアップしてくれた。 高速道路を通って富士吉田経由で大石峠の登山口へ向かう。 青空に富士山がくっきりと見えている。 登山口に続く林道の脇に着くと、横に真新しい笛吹市側に抜けるトンネルができていた。
 林道の脇のスペースに車を置いて、歩き始めたのが8時半過ぎ。 しばらく林道を歩くと、大石峠への分岐に出、山道になる。 歩きやすい登山道だが寒い。 約1時間半で大石峠に出る。 広場になっていて、富士山や河口湖がよく見える。 クニマス発見で話題になった西湖も一部が顔を出している。 ここで、小休止したあと、尾根伝いに節刀ガ岳に登る。 樹林帯の中の道を進むのだが、風が吹き抜ける場所では、肌を刺すような 冷たさだ。 所々に雪が現れるが、スパッツをつけるほどでもない。
 大石峠から1時間ちょっとで節刀ガ岳の頂上だった。 地形のせいなのか風が遮られていて、寒さを感じない。 おかげで、ゆっくりとくつろぐことができた。 頂上は広くはないが、眼の前の富士山が大きい。 南アルプスも見えているが、少し木の枝が邪魔だ。 東側には、黒岳、三ツ峠山、釈迦ガ岳がよく見える。 八ヶ岳方面は針葉樹の影になってよく見えないのが残念。 Tさんが持参したコンロでお湯を沸かし、ラーメンを作ってくれた。 こういう寒い日に暖かい食事を取ると、体が内側からほぐれてくる。 ゆっくりと頂上で休んだ後、金山まで行ってみたが展望がなく、 来た道を戻ることにし、大石峠経由で登山口に引き返した。 結局、この日は山の中で誰にも会わなかった。 気温が低かったので、霜や雪解けのぬかるみがなく、靴が汚れることもなかった。
 平日の登山の良さは、登山者が少なく静かな山行を楽しめることだ。 2011年の初登山は好天に恵まれ、幸先のよいスタートになった。

歩行記録: 2011/1/7 登り(大石登山口−節刀ガ岳)1h35m 下り1h35m

 大石峠からの富士山
 昼で、しかも富士山の北側から眺めているので、 カラーだと平板で面白味に欠ける。 そこで、モノクロにしてみた。 富士山ののびやかな裾野の向こうには、箱根の山も見えている。 (2011/1/7)
この日の撮影はすべてCANON 5D Mark2・EF-24-105mm F4L IS USMを使用。

 頂上から東側の眺め。
 眼下に河口湖、その左に三ツ峠と黒岳(左手前)が見えている。 (2011/1/7)

 頂上から北東方向に目を転じると、谷を挟んで釈迦ガ岳が ぽっこりと頭をもたげていた。 節刀ガ岳より約100m低い釈迦ガ岳はずいぶん下に見える。 (2011/1/7)

 大石の登山口近くの林道で見かけた馬頭観世音の石柱。 昔はけっこう歩かれていた道のようだ。(2011/1/7)

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