ささやま 標高1065m。
篠山は、愛媛県と高知県の県境上で宇和島市の南約20kmに位置している。
筆者は高松のYさんと三本杭登った日の午後、
篠山へと車で移動し頂上を踏んだ。
現在、篠山を登る人はほとんどが八合目登山口から頂上を目指すようで、
我々も八合目の駐車場に車を置いて頂上を往復した。
駐車場に到着したのが14時。
5月連休中で、
駐車場に入りきらず路上駐車している車もあったが、
幸いにも午後になって、
第一駐車場に少しずつ空きが出てきたころのようで、
我々は駐車場の中に車を停めることができた。
駐車場の傍らには、臨時のアイスクリーム屋さんまでお店を出しているほどの賑わいぶりである。
地元の人の会話から、今がアケボノツツジの花がまっさかりらしいことがわかった。
さっそく簡単に身づくろいして登りにかかる。
登山口には無料の杖も大量に置いてあり、
駐車場整理をしていた地元のボランティア(?)と思われる人から
持っていくと楽ですよと勧められた。
だが、杖を使う習慣がないし、
写真を撮るとき邪魔になるので丁重に辞退した。
樹林帯の中の道はよく整備されている。
普段登山とは無縁と思われるかなりの高齢者や家族連れなどが息を切らしながら歩いている。
途中にある水場やお寺の跡を通り過ぎ、
稜線に出るとやっとアケボノツツジのピンクの花が目に付くようになる。
最後は石段を登りつめると篠山神社である。
駐車場から約40分だった。
神社のすぐ背後が標柱の立つ頂上で、
周りはアケボノツツジのピンクの花、花で埋まっている。
なるほど大勢の人がつめかけるわけである。
こんなに華やかな山頂は珍しいのではないだろうか。
地元の人も、このように見事なアケボノツツジの花に出会ったのは久しぶりだと言っていた。
なんでもアケボノツツジはいっせいに花をつけるため、
その最盛期に出会うのが難しいらしい。
明日は天気が雨との予想なので、今年の花の最盛期は今日で終わりだという。
我々は偶然にも幸運に恵まれたと言える。
山頂で小休止し、入らずの森まで足を延ばした。
こちらにも多数のアケボノツツジがあるが、
山頂一帯の群落を見てしまった後なので、
感激するほどではなかった。
そのあと下山し、
駐車場に戻ったのが16時前。
もう夕方だったが、まだこれから登ろうという人達がいるほどの賑わいぶりで、
アイスクリーム屋さんも大繁盛の様子。
200円のアイスクリームがおいしかった。
もしアケボノツツジの花がなかったら、
八合目駐車場から往復する篠山登山に、
登山の楽しみはほとんどないと言っても過言ではない。
どういう理由で篠山が三百名山に選ばれたのか知らないが、
この見事なアケボノツツジの花を見たら誰でも満足するに違いない。
この日は、三本杭のシャクナゲと篠山のアケボノツツジと
花尽くしの山行に満足して宇和島へと戻った。
歩行記録 2005/04/30
頂上はアケボノツツジの群落に囲まれている。
石柱には「南 伊豫国 境」、「北 土佐国 境」と書かれている。
愛媛県は高知県の北にあるのでおやっと思ったのだが、
地図で見ると篠山のところで県境が曲がっていて、
なるほど愛媛県は山頂の南側にあることがわかる。
アケボノツツジの花の間から見た北側の山並み。
この写真は、2006年の年賀状に使った。
見えている景色は平凡だが、
アケボノツツジのピンク色の花が新春にふさわしいと思ったから。
頂上には小さな池がある。矢筈ノ池と呼ばれているらしい。
頂上を囲むアケボノツツジの群落は壮観である。
アケボノツツジの花。
八合目登山口の駐車場。
アイスクリーム屋さんが店を出し、繁盛していた。
八合目登山口の駐車場から見た篠山。
下山後、宇和島に戻って、この日の締めくくりは「ほづみ亭」での夕食。
宇和島での食事といえば、
やはり海の幸だろう。
ビールと日本酒を飲みながら、走りんどう、せいがいなどの貝類や鯛めし、
鯛そうめん(写真)でお腹一杯になった。