のうとりだけ 標高3026m。
白峰三山の一つであるが、その山容は北岳、間ノ岳に比べもう一つ特徴に乏しい感じがする。
筆者は農鳥岳に登る機会が長い間なかったが、ようやく98年秋になって頂上を踏むことが 出来た。 この時は、せっかく登るのであるから、白峰三山縦走をして農鳥岳を登ることにし、 金曜日の夜行列車で甲府に向かった。 広河原まではタクシーの相乗りで時間を短縮し、4時に広河原に着くことができた。 まだ暗いうちに大樺沢を登り始め、稜線に出てからは北岳、 間ノ岳と雄大な南アルプスの景色に囲まれて歩き、 農鳥小屋には12時半に着いた。 今日はここまでとするか、農鳥岳を越えて大門沢小屋を目指すか多少迷ったが、 天気もよいので大門沢小屋まで行くことにした。 西農鳥岳を越え、農鳥岳に着いたのは14時近くである。 午後になっていたせいか、ほかに登山者は一人しかいない、静寂な頂上だった。 小休止したのち、広く歩きやすい斜面を大門沢下降点に向う。 大門沢下降点からは一気の下りで、これが結構長い。 足がいいかげんくたびれ、よろよろしながら大門沢小屋に着いたときは16時半近くになっていた。 ほとんど寝る時間の取れない夜行列車利用の身に、行動時間12時間は少々きつくはあったが、 充足感のある一日だった。 熟睡した翌日の朝、小屋の正面には富士山が輝いていた。 大門沢からはよく整備された道を奈良田まで3時間弱歩き、9:25発のバスで身延駅経由帰京した。
歩行記録 1998/09/12 登り9h25m(広河原−農鳥岳) 下り2h35m(農鳥岳−大門沢小屋)
間ノ岳からの縦走路からみた農鳥岳。
農鳥岳頂上。 見えている山は西農鳥岳。
夕方の大門沢小屋。 小屋の前で食事の準備をする。 自炊の宿泊者には右手の小屋があてがわれた。