那岐山(岡山県/鳥取県)

なぎさん 標高1255m。

 鳥取と岡山の県境に横たわっていて、 南に広がる津山盆地側から見ると目立つ存在である。
 2004年のK555定例山行が那岐山だったため、 仲間7人と一緒に頂上を踏んだ。 時期が6月の初旬、つまり梅雨時にあたるため、 天気を心配したのだが、結果は快晴で大満足の一日だった。 幹事役のNさんのテルテル坊主が絶大な効力を発揮したわけである。
 当日は、朝8時に津山駅前集合。 参加者は8名なので、タクシー2台に分乗して登山口に向かう。 行く手に那岐山のゆったりとした山塊が見えている。 駐車場を歩き始めたのが9時過ぎ。 Cコースを登り、Bコースを下る計画である。 K555としては2003年の11月以来の山行で、 歩きながらもいろいろと話が弾む。 雲ひとつない上に岡山県には乾燥注意報まで出されているという上天気のため、 のんびりムードである。 舗装道路をしばらく登ると舗装が切れ、右手にB・Cコースの登山口が現れる。 ここから登山道になり、すぐにBコースが右に分かれる。 ヒノキの林の中に道が続いているが登るに従い、 広葉樹も多くなる。 途中で広く展望が得られるのは、大神岩という岩が露出した場所だけである。 この岩場からは津山盆地が見下ろすことができ、休憩するのに格好の場所である。 登山道にもどると、また樹林帯の中の道となり、 三角点のピークに近づくまでほとんど景色は見えない。 気温が結構上がっているので歩けば暑いのだが、 乾燥しているせいか、汗が滴り落ちるということもない。 駐車場からゆっくり歩いて約2時間半で三角点(1240m)のピークに着いた。
 ピークといってもなだらかで広々とした草原で、 周囲の景色がよく見渡せる。 草の上に寝転がって、ビールを飲んでいるのがふさわしい環境と状況で、 肝心のビールを運び上げなかったことを後悔した。 あらためて周りを見渡すと、雲ひとつない空を縁取るように、 山とも丘ともつかないゆったりとした山並みがどこまでも続いている。 中国地方の東半分の山々は見えていると思われるが、 その中で抜きん出て風格があるのは大山である。 深田久弥が中国地方で大山を唯一百名山に入れたのもうなづける景観である。 三角点ピークで少し休んだ後、1255mの最高点に向かう。
 こちらの頂上は少し狭い。 ここで大休止し、昼食を取ったのちBコースを下る。 Cコースほど人に踏まれていないようだが、 歩きにくいということもない。 小さな沢をいくつか通過し、 最後に橋を渡って沢を横切ると、じきにCコースと合流する。 タクシーの待ち合わせの時間に余裕があるので、 途中にある蛇淵ノ滝を見学した。 そのあと駐車場に戻ると、ちょうど2台のタクシーも到着するところで、 無駄な時間がまったくないというタイミングのよさだった。 この日の宿の湯郷温泉(美作湯郷かんぽ保養センター)へ向かうタクシーの窓から、 穏やかなかな山容の那岐山がはっきりといつまでも見えていた。 温泉に着いて汗を流したあとに飲んだビールのおいしかったことは言うまでもない。

 歩行記録  2004/06/05 登り 2h37m(駐車場−Cコース−頂上)  下り 2h05m(頂上−Bコース−駐車場)


 Cコースの途中にある大神岩。 津山盆地が眼下に見渡せる。 頂上を除けば、唯一展望の開けた場所である。
 写真はすべて、KONICA MINOLTA DiMAGE A2で撮影した。

 1240mのピークに近づくと、木々の丈が低くなり展望が開けてくる。 梅雨時とは思えないような真っ青な空が広がっていた。

 従来の三角点のある1240mのピーク。 のびやかな草の原が広がっていて、その向こうには15m高い最高点が見えている。

 中央の右寄りに大山が見えている。 写真でははっきりしないが、双眼鏡で覗くと特徴のあるごつごつした山肌が確認できる。

 那岐山の頂上で記念撮影。 頂上には2つの石碑が並んでいる。

 下山後に宿泊した「かんぽの宿 美作湯郷」の部屋から眺めた夕暮れの那岐山。 この日は終日晴れていたが、翌日は朝から雨になった。

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