黒法師岳(静岡県)

くろぼうしだけ 標高2067m。

 南アルプス深南部の山。 静岡県水窪町と本川根町の境にある。

 南アルプスの山の中でも黒法師岳は、東京からは遠い山である。  この山だけを目的に出かけるのは、往復の時間を考えるともったいない。  2000年の秋の週末、南アルプスの比較的簡単な山と組み合わせて登ろうと考えて東京を早朝に出発した。  あいにく当日は天気が回復しないのでどこにも登れず、水窪ダムの脇の休憩所に車を停めて車中泊とした。  翌日は朝から快晴で、戸中川東俣林道経由で等高尾根を利用して、黒法師岳頂上を往復したのち帰京した。
 普段は車で戸中川東俣林道のゲートまで入れるようだが、 この時は崖崩れでゲートの手前歩いて約20分の所までしか入れなかった。  かなり荒れた状態の戸中川東俣林道をうんざりするほど歩いた後、 廃道状態の日蔭沢林道に入る。  等高尾根の登山口は、うっかりすると見逃してしまいそうなくらい目立たない。  樹林の中の登山道を登り稜線に出ると、快晴の秋空の下、 幾重にも重なり合って広がる南アルプス南部の山々が視野に入り、疲れを忘れさせてくれる。  ここまで登れば、あとは景色を堪能しながら30分ほどで山頂である。  頂上は広場になっているが、木々に囲まれていて展望はない。  ほんの少し離れた縦走路からは北西方面の展望が得られるので、ここで昼食の休憩を取った。
 終日晴れていたので、帰路にとなりの丸盆岳に足を延ばすことも考えたが、 時間的にあまり余裕がないのであきらめた。
 帰路には結構多くの登山者とすれ違った。  路上駐車した場所に戻り数えてみると、10数台の車が停めてあった。  同じ深南部の山でも、一ヶ月前の池口岳で二日間に一人しか会わなかったのと対照的である。

山行記録: 2000/11/4 登り3h55m(ゲート−頂上) 下り3h35m(頂上−ゲート)  

写真左は、黒法師岳−丸盆岳縦走路と等高尾根の分岐から見上げた黒法師岳。



頂上近くからの景色。 中央に大無間山、右に富士山が見える。

木々に囲まれているが、広々とした頂上。

頂上にある一等三角点。  通常十字の標識がここのは×印。 全国でただ一つということで、三角点マニアには有名らしい。

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