毛勝山(富山県)

けかちやま 標高2414m。

 毛勝山は、剣岳の北約10kmに位置し、登山道がない山として知られている。  主に残雪期に登られているようで、筆者も6月初めに会社の山仲間のK君と毛勝谷から頂上を往復した。  一日目は東京を早朝に車で出発し、途中で斑尾山に登った後、 片貝山荘(予め魚津市役所に届けを出しておいた)に宿泊した。  発電所わきにある大きな建物で、無人だが中はきれいだった。
 二日目の朝3時に起床し、小屋で簡単な朝食を済ませ車で出発。  宗次郎谷出会上部にある橋まで車が入れる。  登山の準備をしているとぱらぱらと雨粒が落ちてくる。  出だしで雨とはいやな気分だが、大した降りでもないので、4時38分に歩き始める。  雨は本降りになることになくまもなく止んだ。  発電所の取入れ口の少し上の堰堤から雪渓が始まる。  最初は谷が狭い上に雪渓の表面も荒れているが、徐々に谷が広くなり歩きやすくなると、 大明神沢が右から合流する。 このあたりでアイゼンをつける。  どうやら今日の登山者の中では我々がトップのようだ。  高度を上げるにつれ傾斜も増し、息が切れるが雪面が安定しているので登りやすい。  周囲からの落石に注意を払いながら登り、 稜線に飛び出すと、テントが2張りあった。 前日に登った人のものだ。  広い雪の尾根の上を少し左に歩くと、地面が露出している頂上である。  周囲の景色を眺め、写真を撮る。  期待していた剣岳の展望は、残念ながら上部が雲に隠れていて全貌は見えなかった。  風が冷たく、短時間休んだだけで頂上を後にした。  下山は往路を戻った。  この日は登山者がけっこう多く、下山途中に20人くらいの人とすれ違った。  登山口に11時少し過ぎには戻ることが出来たので、北山鉱泉で汗を流したあと、魚津市内で昼食を取り高速道路に乗り帰京した。   

 歩行記録 2001/06/02 登り3h45m(宗次郎谷出会−頂上) 下り2h23m(頂上−宗次郎谷出会)

魚津から片貝山荘に向かう途中の道路わきから見た毛勝山。 2001/06/01撮影。

 片貝山荘。 林道の対岸の発電所となりにある。  大きな二階建てのしっかりした建物。   我々が泊まった夜はほかに10数人の宿泊者があったようだ。

 雪渓下部。  このあたりを登っているとき突然目の前を小さな蝶が雪渓に舞い降りた。  雪渓の上で体を横にして動かない蝶をのぞきこむとトラフシジミであった。  早朝の気温の低い時間にどうやって雪渓の真中に飛来したのか不思議な光景だった。

 大明神沢出会を過ぎたあたりを登るK君。 体力抜群のK君は快調なピッチで先頭を行く。

 頂上(写真の左手)には雪がないが、周りはまだ雪の世界。

 僧ガ岳(正面)と駒ガ岳(右手の高いほうのピーク)。

 上部が雲に覆われた剣岳。 手前に釜谷山と猫又山(右側)。

 雪渓上部を正面に僧ガ岳を見ながら慎重に下る。 僧ガ岳の左側には魚津付近の海岸線が見える。  この日は気温が急に上がらなかったせいか、往復とも落石には会わなかった。

 雪渓下部から振り返って見上げた雪渓。 この付近はかなり荒れている。

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