いけくちだけ 標高2392m。
南アルプス深南部にある山。
2000年の5月連休に大無間山から双耳峰の池口岳を遠望したとき、
姿のよい山という印象を持った。 そのとき以来いつか登りたいものと思っていた。
同じ年の秋になって、10月の3連休を利用して頂上を往復する機会を得た。
実際に登ってみると、いかにも深南部の山らしく頂上まで森林に被われていて、
展望が得られる場所は限られている。
池口集落からの道は概ね歩きやすく、ザラナギ平から上で少々倒木がうるさいくらいで、特に危険な所もない。
筆者は天幕利用の二日間で登ったのだが、足に自信のある人なら余裕で日帰り出来るだろう。
実際、この山行で出会ったたった一人の登山者も、日帰り単独行の男性だった。
今回は東京を早朝に車で出発して、昼前に現地に着き、麓の遠山家の裏の林道脇に駐車させてもらった。
丁度林道は工事中で、登山口まで車を入れることが出来なかったが、登山口まで大した距離ではない。
4時間弱の登りでザラナギ平に着き、テントを張った。 ここまでは傾斜のゆるい尾根通しの道である。
ザラナギ平は林間に開けた明るい平坦地で幕営によい所である。
この日は、3連休にもかかわらず、テントは筆者の一張りだけだった。
秋も深まっていたせいか虫の鳴き声一つない上、風がそよとも吹かず、静寂そのものの夜であった。
翌日は、荷物を置いて北峰、南峰の頂上を往復した後、テントを回収して下山した。
高曇りで周りの山々が霞んでいたのが少々残念だった。
紅葉にも少し早く、葉が色着いていたのは上部の一部の木だけだった。
池口岳そのものとは関係ないのだが、この山は五万分の一地形図の角近くにあるため、
登山ルートは4枚の地図にまたがっている。
筆者は、登山のときいつも五万分の一地形図をポケットに入れておく習慣があるので、
一度に4枚も持ち歩かなければならないのは煩わしかった。
山行記録: 2000/10/07、08 登り:遠山家裏の林道-ザラナギ平 3h50m ザラナギ平-北峰-南峰 1h50m
下り:南峰-北峰-ザラナギ平 1h40m ザラナギ平-遠山家裏の林道 2h25m
ザラナギ平にテントを張る。 木々に囲まれた静かな場所だ。(写真右)
北峰の頂上。
南峰の頂上。北峰から25分ほどだった。
いわゆるヌタ場だろうか。
かなり強いケモノの匂いがこの辺りに漂っていた。
南峰の頂上近くで。
南峰側の斜面から見た北峰。
前黒薙からの池口岳。(写真右)