これを書いている時点(11月下旬)ではまだ2005年は終わっていないが、
私の住む東京で、
蝶の成虫を見かけることはほとんどない。
そこで、印象に残った蝶の写真を取り上げて、2005年を振り返ってみることにした。
以前ほかでも触れたことだが、最近は蝶の採集には熱心でなくなり、2005年もまったくネットを振らなかった。
山登りのついでに見かけた蝶や家の庭に来た蝶を撮影したくらいのものなので、内容的には少々寂しい。
写真にはないが、2005年で気になったのはゴマダラチョウで、自宅近くの蚕糸の森公園で、
一瞬だがそれらしき蝶が飛ぶのを9月に見たのである。
公園にはエノキがあるので、いても不思議ではない。
いつか撮影したいものと思っている。
<追記> 12月も押しつまった23日に、ウラギンシジミを家のすぐそばの道で見つけた。
生垣の上をしばらく飛んでは葉の上に止まることを繰り返していた。
天気は快晴で、時間は正午近くだったが、東京にしては寒さが厳しい日で、最高気温が10度になるかならないかくらいだった。
冬に入ってからほかの種類の蝶は見かけなくなった時期だけに、
蝶が飛んでいること自体に意外な感じがした。
以前にもウラギンシジミを自宅近くで見かけたことがあるが、こんなに寒い時期ではなかったと記憶している。
春になるまで無事越冬できればよいが。
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4月下旬、フジやツツジの花が咲き、 我が家の庭が最も色彩豊かになる。 この日も花を眺めていたら、モンシロチョウ(またはスジグロシロチョウ)に混じって、少し小ぶりな白い蝶が飛んできた。 よく見るとツマキチョウではないか。 すぐに家の中からカメラ(DIMAGE A2)を取り出しで撮ったのがこの写真。 止まってくれないので、ぼけた写真になってしまったが、ツマキチョウ♂の前翅先端のオレンジ色がはっきりと写っている。 ツマキチョウを自宅(東京都杉並区和田)で見たのはこれが初めてである。 2005/4/23撮影 |
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長野県南部の熊伏山に登山後、 静岡県浜松市水窪町の池島を車で通りかかったとき、 ハルジオンの花に吸蜜に来ていたウスバシロチョウを見つけた。 この時期に山里を訪れるとウスバシロチョウに出会う確率が高い。 この蝶はおっとりと飛び、かつ花に長い間止まるので写真撮影がしやすい。 2005/5/28撮影 |
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6月中旬、久しぶりに埼玉県の秋ヶ瀬公園に出かけた。 お目当てはミドリシジミである。 7時に公園に着き林の中に入っていくと、もうすでにネットやカメラを持った人が歩いている。 NHKの取材班までいて、ビデオカメラを回していた。 ちょうどよい時期にあたったようで、ミドリシジミの数も多く、そのほとんどが新鮮な個体だった。 曇り空で気温が急に上がらなかったことも幸いして、長時間じっくり観察することが出来た。 2005/6/19撮影 |
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![]() ミドリシジミ♂の緑色の金属的な輝きは構造色なので、見る角度により輝き方が異なる。 斜め後方から見ると上の写真のようになる。 2005/6/19 秋ヶ瀬公園で撮影 |
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ミドリシジミの♀。 オスとは対照的に光沢のない地味な色合い。 2005/6/19 秋ヶ瀬公園で撮影 |
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オオミドリシジミ♂、岩殿山(山梨県)。 中央線の電車が東京方面から大月駅に近づくと、岩殿山の太鼓腹のような特徴的な岩壁が車窓からもよく見える。 登るのは外見ほど難しくなく、大月駅からハイキングコースが通じている。 頂上は眺望もよい上に蝶も豊富で、この日はほかにヘリグロチャバネセセリやウラナミアカシジミが見られた。 2005/6/26撮影 |
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ツマグロヒョウモン♀。 今年もっとも驚いたのは、ツマグロヒョウモンが大量に現れて、自宅(東京都杉並区和田)周辺でもごく普通に見られたことだ。 最初に気がついたのは、9月下旬のことで、家の中から何気なく庭を見ていたら、見慣れない鮮やかな蝶が一瞬視界を横切っていった。 模様からしてメスアカムラサキのメスではないかと思ったのだが、まさか東京23区内にいるはずはないし、疑問が残った。 そして数日後、ご近所の家の道路に面して植えられたランタナの花に、ツマグロヒョウモンが来ているのを見つけた。 それで庭に来た正体不明の蝶は、ツマグロヒョウモンのメスだろうということが判明したわけ。 このランタナの花は午前中は日陰になっていて、次から次へとツマグロヒョウモンが訪れていた。 しかし、昼を回ると花に日が当たり、ぱったりと来なくなるのだった。 2005/10/1 自宅付近で撮影 |
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ツマグロヒョウモン♂。 ツマグロヒョウモンのメスは、カバマダラに擬態していると言われ、 いかにも暖かい地域に生息するにふさわしい派手な色彩を持っていて、鮮やかなランタナの花の色とよく合う。 一方オスは、他のヒョウモンチョウ類と同じような地味な模様をまとっている。 2005/10/1 自宅付近で撮影 |