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20 安南将棋の一族
カピタン第2号・第3号より
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1.安南詰

安南将棋は、その起源は不明ながらかなり昔からあり、その詰将棋も昭和20年代後半頃からいくつか見ることができます。 安南詰・朝鮮詰・広東詰・アングラ詰などいろいろな名で呼ばれますが、ここでは安南詰の名称を使用することにします。

安南将棋のルール:
盤上にある任意の駒は、そのすぐ下に味方の駒が存在するとき、その駒の性能に変化する。 その他は将棋に準ずる。

・打歩詰は性能に関係なく禁手とする
・二歩は動いて二歩になる場合も禁手とする
・行き所のない駒はかまわない
・玉も例外とはしない
・最初の配置は双方2、8筋の歩を一つ突いた形とする

安南詰の面白さ−−それは本質的には詰将棋のそれと同じものでしょう。 しかし、我々はまだこのルールに馴れてなく、通常の将棋の感覚が身についていますから、 はじめのうちは安南詰特有の手に妙手性を感じると思います。 即ちルール自体の面白さです。

例えば安南詰では明王手以外にも動かした駒自身では王手しないことがあります。 一つはある味方の駒のすぐ下に動き、その駒の性能が変化して王手になる場合、 もう一つは動いた為にそのすぐ上にある駒の性能が復活して王手になる場合です。

次図を見てください。

将棋の感覚では13金か13桂成しかありませんが、11玉で全くダメです。 24金!? が安南らしい王手ですがこれも全然ダメ。 正解は13桂生!です。 桂=>金で生でも王手になります。 11玉の一手で、そこで23桂生。 これに対し22玉では玉=>歩で13金迄ですから、12玉と逃げます。 一見切れた様に見えますが、24金!があります。 前述の変化王手です。 11玉しかありませんが、ここで13金!が復活王手で、迄詰となります。

2.ネコ鮮詰

ネコ鮮将棋とは安南将棋よりヒントを得て4年前に発案された将棋で、そのルールは次の様です。

ネコ鮮ルール:
味方の駒がタテにつながっているとき、上からn番目の駒は下からn番目の駒の性能になる。 その他は将棋に準ずる。 打歩詰、二歩、行き所のない駒については安南将棋と同じとする。

このルールから「味方の」を取り除いてしまうと、ネコネコ鮮将棋 のルールになります。

上図で17桂は角、18香は香のまま、19角は桂の性能です。 初手は27角しか王手がなく、27角=>桂、17桂=>香ですから両王手! また18香=>桂で26に利いているので、15玉は竜ですが25玉としか逃げられません。 これで玉は歩になってしまったので37桂迄詰です。

3.対面詰

対面はネコネコ鮮と同様、敵の駒の性能を変えられる可能性のあるおもしろい将棋です。

対面ルール:
盤上にある任意の駒は、そのすぐ上に敵の駒が存在するとき、その駒の性能に変化する。 打歩詰、二歩は安南将棋と同じ。 行き所のない駒は二段目の桂だけ許される。 他は将棋に準ずる。

例題3−−22飛成の1手詰に見えますが、21桂!という激しい抵抗があります。 この手によって22竜=>桂で動けなくなりますから、これでは詰みそうにありません。 しかし、他に手もないようですが?

初手21飛成が好手。 21同玉に22桂生!−−玉=>桂、桂=>玉 ですからこれで詰なのです。

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柿木義一さんの Kifu for Java を使わせていただいています
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