木目1

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10 古将棋の世界(2)
三代宗看の詰中将棋
カピタン第12号より
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前号詰コで簡単に紹介したが、 「無双」の作者である三代伊藤宗看が創作したと思われる中将棋の詰物集がある。 国会図書館蔵(209−582)の「中将棊作物 伊藤宗看作」と題する写本で、 私の知る限りではこれ1冊しか伝わっていない。 あけてみると、巻頭に「延享三年季夏 得寿堂伊藤宗看作之」とあり、 年代から初代宗看ではなく三代宗看であることがわかる。 (この名称はあるいは四代得寿と関係があるのだろうか?) 50図の詰中将棋が収録されていて、解は付いていない。

注目すべきは、2番と3番、4番と5番など続き番号の問題の玉位置が左右対称の点にありことで、 これは五代宗桂以降の家元の図式集の特徴である。 内容は、まだあまり詰めていないのだが、長編趣向局や立体曲詰を含み、かなり高度な作品集であるらしい。 (東京の鈴木亨氏より連絡あり、三十数題を解いたとのこと、全貌が明らかになるのも案外早いかもしれない。)

以上のことから、写本とはいえ本当に三代宗看作である可能性は大きいと思う。 とにかく、作品を二三紹介しよう。

  • 中将棊作物 第2番
    5手目飛鹿が取れるのに37馬から411飛鷲といく手順の妙。無双よりも図巧に近いものを感じる

  • 中将棊作物 第16番
    手順は一本道だが、詰上りも対称形の立体曲詰で、希少価値のある作品

  • 中将棊作物 第44番
    下辺、上辺で麒麟と飛車のコンビで左右に追い回す。妙案の知恵の輪を思い出させる。並べて楽しむ作品

手順を見るには、「正解を見る」ボタンを押してから、「進める」で一手ずつ見るか、「再生」で自動再生。

LINE

中将棋入門 のDHTML中将棋盤を使わせていただいています。
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Mac版IEでは、多分文字化けするとのこと。ごめんなさい。

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