詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート

よもやま話大道棋全短評
大道棋50 鳥本敦史さん

ドキドキストリート
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題: 詰将棋パラダイス2018年12月号 大道棋よもやま話 第49回
結果発表: 詰将棋パラダイス2019年3月号 おもちゃ箱だより 第40回

詰パラでの結果発表時の解説

 84龍、同玉、54飛、74角合、同馬、94玉、
75馬、84銀上、85角、93玉、84馬、同歩、
 94銀、82玉、52飛成、72角合、83歩、同桂、
 72龍、同玉、83銀成、同玉、75桂、82玉、
 83銀、71玉、53角、61玉、62角成、同玉、
 63桂成、61玉、72銀成、51玉、52成桂迄35手。

86飛は85角合で逃れ。54飛は限定打で、
 64飛では52銀が取れず不詰。
58角は76桂合で逃れ。

歩合は83歩、同桂、同銀成、同玉、
 75桂、93玉、94銀以下33手。
 この94銀を防ぐのが角合の意味。

作者「加藤徹193がかなり難解なのでもう少し簡単にならないかなぁとあれこれ弄っていて出来上がりました。」

加藤徹193とは詰パラ2001年8月の大道棋教室で発表した筆者の作品(右図)で、45手の難解作。

龍対峙型のなし13類型の変形で、96銀、86玉、66龍など誘い手も増えている。

鳥本作は龍切りのあと54飛の限定打で52銀を狙う。 52飛成には角合が強防で、これに対しては19手目龍切りの英断で解決。 収束も駒余りなしですっきり決まる。

で誤解者もでて正解者は8名に留まった。

よもやま話大道棋50 鳥本敦史




詰パラ2001年8月 加藤徹

解説・全短評

なし13類型(右図)は84龍、同玉のあと取った飛を縦横どちらから打っても詰みそうというのが誘い手です。 筆者が創作した類型で、当時大阪の大道棋屋さんが実際に出題してかなり稼いだ実戦価値のある類型です。 この類型の作品は、加藤徹全作品大道詰将棋(持駒なし)でたくさん見ることができます。

更に誘い手を増やそうと、97の歩を銀にしたり龍で金を取れるようにしたのがNo.193(棋譜ファイル)。 鳥本さんの大道棋50はこの作品の改作で、52銀の配置が工夫したところ。 これにより、74馬から52馬と空き王手で銀を取る筋ができたり、本作の作意のように54飛の限定打から52飛成と銀を取る筋が生じています。

序盤から変化紛れの多い本作ですが、なし13類型に詳しい人ならば、この52銀に着目すれば15手目の52飛成までは想像できるところです。 しかし、ここのの変化がちょっと大変で、最長は72角合でここから20手もかかるので、 実戦で出題されたら破るのは難しいでしょう。 作者は「もう少し簡単にならないかなぁ」と改作されたとのことですが、詰パラの出題で正解者が8名にとどまったのを見ても、かなりの難解作ですね。

Aさん:
8二龍 まで 33手 ・・・ 角の捨合から銀の移動合でよく手が延びる。 7二の合駒にだいぶ迷う。
Bさん:
手数が四十手台二十手台と様々になり悩みましたが三十手台の表示がありましたのでこれを選びました。

Aさんは72歩合、Bさんは73玉と、お二人ともの応手で躓きました。 惜しい。

以下は、作意解答者のみなさんの感想です。

加賀孝志さん:
この型はあまり見ません。急に玉が広くなり変化調べ大変でした。
鈴木彊さん:
7手目49角は76桂合同角同金で逃れ(86桂は同金でよい)
19手目先に83銀成同玉72龍同玉は詰まない
22手目同玉でなく62玉は44角53金合54桂で早詰
結局山場は19手目に先に72龍とするところでしょう。
竹中健一さん:
綺麗に捌けて良いと思います。
シロイヌさん:
初手の龍切りが爽快。
小山邦明さん:
3手目の86飛ならば角合の逃れを含めて、4手目、16手目の角合や8手目の応手がポイントの作品。 収束は通常の詰将棋のようなきれいな手順でした。
占魚亭さん:
飛龍対峙型の変形ですね。 逃れ順(3手目86飛に角合)でも一局できそう。
竹園政秀さん:
3手飛を王手銀取りに打ち後に銀を取る。
33手目成生非限定

これまで9年間連載してきた大道棋よもやま話、50回で切りもよいので、2018年でいったん終了とし、 2019年からは「おもちゃ箱だより」に統合することにしました。

「大道棋教室が休載になり、大道棋の灯を消すなということで始めたこの連載ですが、 うれしいことに大道棋教室が再開、軌道に乗ってきたので、今回で最終回とします。 出題は終了しますが、大道棋の話題は今後も「おもちゃ箱だより」の中で随時取り上げていきますので、続いてお楽しみください。」

鈴木彊さん:
加藤さんの「大道棋よもやま話」が幕をおろされて第50回で終了されるという意味なのでしょうか・・・・・
その辺のところ最初に(P28で)明示されておられないのでよくわかりませんでした。
第51回がないということでしたら誠に残念なことに思います。
私は「おもちゃ箱だより」を見ておりませんので申し訳ありません。
お元気でご活躍ください。

「おもちゃ箱だより」も詰パラで連載していますので、大道棋の話が載っていたときはぜひまたごらんください。

竹中健一さん:
出題50回目ということで、今回も頑張って解きました。
大道棋は正直言って結構きついので、毎回解答というわけにもいきませんでしたが、いろいろと勉強になりました。
有難うございました!

解答強豪のみなさまにも解答いただけたことで、私をはじめ大道棋作家の方には大きな励みになったと思います。 大道棋教室が毎月出題になりましたので、こちらもぜひご解答ください。

小山邦明さん:
このコーナーでは、解答や作品掲載を含めて、いろいろお世話になり、また楽しませていただきましたので、 今回で最終回というのは大変寂しい気持ちですが、これからも、「大道棋教室」や「ドキドキストリート」で大道棋を楽しんでいきたいと思います。

これからも「大道棋教室」、そしておもちゃ箱の「ドキドキ展示室」にも投稿、解答ともよろしくお願いいたします。

占魚亭さん:
「よもやま話」が終わるのは残念ですが、今後も「おもちゃ箱だより」で取り上げていくとのことで安心しました。

「大道棋教室」は出題中心なので、大道棋の話題は「おもちゃ箱だより」で取り上げていきます。 引き続きお楽しみください。


よもやま話 大道棋50 解答:11名 正解8名

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2019年3月号をご参照ください。

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