木目1

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大道棋名作三十局選(2) 表紙に戻る
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第2番 稲垣良穂作(奇策縦横261番)

香歩問題で角の恋愛、じゃなかった連合はもっとも多用されている筋。 二枚の角を使う巧妙な展開になればしめたものです。

本作は途中図(21手目65角の局面)での65角が難手。 これがわからずに63角成でA72角と打ったりするから迷路に入り込むことになります。 「箱の中」で収束するので、香歩問題としては易しいほうだと思うのですが、この65角が発見できるかどうかでしょうね。

作者については知る由もないのですが、稲垣足穂なる哲学者と何かご関係でもあるのでしょうか。

ところで、盤面66と=>76とにした双子局 (双子問題コレクション(2)を参照) があり、そちらは飛車が7筋に転回できるので74角〜72角が成立します。 では本局の手順で詰まないのは何故か? それはイ(28手目92香合)のところで92桂合をされると、本作では以下 81角成、同玉、92香成、同玉、52飛成、93玉、82龍、94玉、83龍、95玉、87桂 までなのですが、 この最終手を76との双子局では防いでいます。

このようにと金一枚の位置の違いで後半の詰手順がガラッと変わります。 大道棋には手を出すなといわれる所以で、よほど精通した人でないと何本も取られてしまいます。

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