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映像版デジ造PCA-DAV2 + Ubuntu 10.04 + Medibuntu でビデオ録画


 どうも最近録画した動画にノイズが載る。また構内配線の問題かと思ったがHDR兼用CATVチューナに残ってる録画はノイズがなさそう。PCでキャプチャするとノイズが載る。そうか、バッファローのキャプチャユニットPC-MDVD/U2がイカれてきてるようだ。リプレースを考えねば。
 とりあえずヤマダ電機でも行ってと自転車で西へ向かう。自転車で練馬のヤマダ電機へ向かうのは初めて。地図で行き止まりになってた道は本当に行き止まりで驚いたとか環八に出て左へ進むがヤマダでなくコジマが見えてきたので引き返したとかあったが、ママが自動車でヤマダ電機へ向かうときによく使う道まで辿り着いて無事に到着。もうPC-MDVD/U2がディスコンなのは分かっていたし、実際モノもない。リプレース時にはWindows 7のことも考えて単純なハードでソフトエンコードの安物かなと考えていたので、バッファローのキャプチャユニットPC-SDVD/U2Gを買ってきた。帰り道は素直に環八を北上して目白通り経由。
 PC-SDVD/U2とU2Gは評判が悪い。その多くは付属ソフトの問題。ビデオテープからのダビングを謳っているどころかそういう名前のソフトなのに、古いビデオテープにありがちのノイズをコピーガードと誤認識する。CATVチューナーの出力もコピーガードと認識する(こっちは本当に何らかのコピーガードの可能性はある、PC-MDVD/U2付属のPCastVideoは素通ししてたが)。加えて本体も脆いようなので、何らかのバックアップ体制は用意したい。安いので他のメーカのをもう一つ。
 リプレースで一番の問題はハードウェアでなくソフトウェア。PCastVideoは割と良く出来た番組録画ソフトで、それに匹敵する環境を探さねばならない。ふぬああでは音が録れないのでとりあえずVirtualDubで龍馬伝とコードギアスを録画実験。映像品質に問題はない。どうせ古いLinkPlayerとアナログテレビで見るだけ。
 アマレコTV+タスクを使ってみることにする。タスクでは使い勝手が悪いのでアマレコTVを起動するタスクの代替アプリでも書くことになるだろうか。

2010.10.18

 バッファローのPC-SDVD/U2Gのバックアップとしてプリンストンテクノロジーの映像版デジ造PCA-DAV2を買ってきた。試しにUbuntu 10.04マシンに差し込むとデバイスそのものはCheeseで認識される。映像が出るところまでは至ってないのでなんとも言えないが、Linuxでビデオキャプチャという可能性がある。PC-SDVD/U2Gは認識されなかった。
 PCA-DAV2のビデオはem28xxで、PC-SDVD/U2Gはtw9910だそうだ。tw9910よりはem28xxの方がLinuxでの開発が進んでるということか(それぞれの名称+Linuxでググった結果より推察)。まぁ、簡単にとはいかないだろうが。

2010.10.19

 映像版デジ造PCA-DAV2の映像はなんだか微妙に揺れている波が見えるが、どうせ3次元ノイズフィルタで消えるので問題なし。しかし音声は完全にクリップしてる。[コントロール パネル - サウンドとオーディオデバイス - 音声 - 音声録音]でUSB EMP Audio Deviceを選択して音量を下げる必要がある。完全に下げても無音にならない。目盛1でだいたいPC-MDVD/U2と同程度になる。ちゃんと対策があって良かった。しかしどう考えても実装の問題。
 PC-SDVD/U2Gの音量は逆に小さい。こっちはコンパネから設定することもできず固定。大きすぎるよりはマシなので問題なし。キャプチャ後+3.5dB程するとPC-MDVD/U2と同程度の音量になる。

2010.10.20

 PC-SDVD/U2Gでキャプチャ・エンコードした動画がおかしい。調べるとどうもインターレスのフィールドオーダーを間違っているようだ。さて原因は何だ。PCA-DAV2でキャプチャ・エンコードしたのも同じだ。ということはソフトか。
 犯人はAviSynth。AVISource()はボトムファースト決め打ちなんだそうだ。MPEG2Source()は決め打ちかどうかは不明だがトップファーストの放送の録画ならトップファーストと判断されるそうだ。おそらくAVIがボトムファーストなのはDVがボトムファーストだからだと思う。
 今まではハードウェアエンコードされたMPEG2を扱っていたから気付かなかったが、今度のビデオキャプチャユニットはソフトウェアエンコードなのでXviDのAVIで録画するとモロに該当。インターレスのAVIはDVでしか扱ったことがなかったってのもある。
 ともかく以下の行を.avsファイルに加える必要があるでゲソ。
AssumeTFF()
または
ComplementParity()
 PC-SDVD/U2Gの音量の件は
AmplifydB(3.5)
でオケ。

2010.10.22

 どうもPC-SDVD/U2Gでの録画が白っぽい。「明るさ」を下げる必要がある。VirtualDubやアマレコTVからは色々と設定できる。設定画面は同じなのでドライバが持っている機能なのだろう。ともかく「明るさ」を少し下げて、「明瞭さ」を少し上げてみた。CATVの出力を試験的に録画し、LinkPlayerでの出力と比べて調整。面倒。
 「明るさ」を128から105に、「明瞭さ」を16から24に。これで当面やってみよう。まずは金曜ロードショーの「猫の恩返し」の再キャプチャ。

2010.10.24

 PC-SDVD/U2Gでの運用を始めて一週間。多少癖はあるが致命的な問題や不具合もなく安定して運用できている。3日で壊れる音声入力はおそらく対策されたのだろう。トップとボトムのフィールド逆転の問題はおそらくこの手のソフトウェアエンコードのビデオキャプチャ製品に共通のハナシ。単純にインターレスのままキャプチャしたXviD/PCMの.aviをLinkPlayerで再生するとガタガタになる。LinkPlayerも.aviをボトムファースト決め打ちで再生するようだ。キャプチャ後インターレス解除等後処理が必要なのは今までと一緒。なので音量と明るさだけが癖か。解像度で640x480を選んだらリサイズでなくクロップされるってのも癖というか変態仕様。
 Linuxでの脈がありそうなPCA-DAV2で遊ぶのはこれから。

2010.10.25

 映像版デジ造PCA-DVA2はプリンストンテクノロジーの配布しているドライバでは音量調整可能だがEETI(eMPIA)のリファレンスドライバ(http://home.eeti.com.tw/web20/eg/IC_support.htm)では音量調整ができない(以外はおそらく問題なく動く)。少なくともその点だけはプリンストンテクノロジー向けのカスタムといえる。インストールされるドライバの名前から使われているチップはEM2861と推察される。Webで探すと分解写真が見つかりそれにはEM2860が載っていたがリビジョン変更によっておそらくピン互換のEM2861になったのだろう。もしかしたらそのときに音声がクリッピングするという問題が発生したのじゃなイカ?
 Ubuntu 10.04マシンににPCA-DVA2を差し込むととりあえず認識する。ドライバのソースのヘッダファイルem28xx.hをEM2861でgrepすると幾つかEM2861を使った製品がわかる。Linuxのem28xxドライバはcardオプションで製品を強制できる。
/etc/modprob.d/
に適当な名前のファイルで以下を記述する(このディレクトリにあるファイルは起動時全部スキャンされる)
options em28xx card=40
 40番はプレクスターの安物ビデオキャプチャ装置。これでPCA-DVA2がLinuxで使えるようになる。しかし音声がクリッピングしているのでまだ実用はできない。音声入力を別の装置ですればいいといえばいいが、なんとかして音声キャプチャの音量調整ができると嬉しい。続く。

2010.10.26

 想定通りというか案の定というかバッファローのPC-SDVD/U2Gが一週間で壊れた。症状はググるとたくさん挙がっているものと同じ。数秒おきに「チッ・チッ」という音しか入力されなくなる。例の発振子だかクロックジェネレーターだかの問題。どうやら私の入手したのは対策品ではないということだ。そもそも対策品が存在するかもわからないが。
 こんなに早くバックアップを使うハメになるとは。プリンストンテクノロジーのPCA-DAV2はたまに映像が乱れるという問題がある。Linuxで遊んでるときには気付かなかった。Windowsのドライバの問題か?
 というわけでバッファローのサポートにメール。続く。

2010.10.27

 PCA-DAV2はLinuxで映像は問題ないが音声レベルを制御できない(クリッピングする)ので安物のミキサーでも買おうかと思ってビックカメラへ。適切な安価なミキサーなんてものは置いてなく、別のオーディオキャプチャ製品でもいいと気付きクリエイティブの安物Sound Blaster Easy Record SB-EZRECを買ってきた。Linuxでもちゃんと認識する。
 Windowsで録音して波形を見る。-43dB程度と結構盛大にDCオフセットが載っている。えぇぇ! 安物とはいえオーディオに特化した製品でDCオフセット? 安物のビデオキャプチャのPCA-DAV2もPC-SDVD/U2GもPC-MDVD/U2も音声にDCオフセットなんてなかったぞ。もちろんクリエイティブ E-MU 0404もEDIROL UA-25もTASCAM US-122もKORG 1212I/Oもなかった。クリエイティブへ不良なのか仕様なのか問い合わせのメールを出す。
 amazon.co.jpのレビューを見ると一人DCオフセットに言及してる人がいた。仕様なのかぁ? ありえねぇ。
 安物買いの不良続き。たぶん続く。

2010.10.29

 クリッピングするPCA-DAV2対策として抵抗入りのケーブルでも買おうかとヨドバシカメラで物色。ビクターから抵抗入りのピンプラグがでており、-20dBのものと-10dBのものがあった。能書きにはビデオデッキの音声出力をラジカセで録音するときの音割れ対策と書かれていた。そんなもんなの? ラインイン・アウトに規格ってないのか?
 -20dBのものを買ってきて動作確認。Windowsで録音音量最大にておそらくPC-MDVD/U2以下の音量になった。音量は良い。しかし録音音量最大のおかげでキャプチャーユニット自身のマシンノイズが無視できない程度に大きくなる。これじゃやっぱりダメだ。続く。

2010.10.29

 任天堂に修理不良のDSを、バッファローに初期不良のPC-SDVD/U2Gを送る。初期不良のサウンドブラスターはビックカメラに持ち込むつもり。あぁ面倒くさい。
 ビックカメラには在庫がなく、交換品は取り寄せになった。

2010.11.01

 月曜日に宅配便で名古屋に送ったバッファロー PC-SDVD/U2Gの交換品が水曜昼に届いた。文化の日。キャプチャして音声データを調べる。以前とはノイズ(キャプチャユニット自体のノイズ)の様子が違う。対策品の可能性があるかもしれない。
 プリンストンテクノロジー PCA-DAV2とTASCAM US-122でUbuntu 10.04 + Medibuntuでのビデオキャプチャ実験。MEncoderであまり問題なくキャプチャ。もっと細かい調整や、ビデオ映像の下の方に出来る緑の線の対策やら残っているが、概ね可能であると判明。
 いままでバッファロー PC-MDVD/U2を使っていたが、Windows XP向けのドライバしか存在しない点が懸念材料だった。今回これが故障したことで色々やってるわけだが、ビデオキャプチャーを「少なくともXP依存からは脱却したい」という観点で考えていた。安物のソフトエンコードビデオキャプチャユニットならば概ねドライバがWindows 7でもあるのでなんとかなることはわかった。で、欲が出て「Windows依存から脱却したい」となったわけだ。
 Linuxで動くビデオキャプチャー製品の情報は少ない(大抵の情報は古い)。PCA-DAV2は当てずっぽうで買って当てずっぽうで設定して幸運なことに動いてしまった。動くからには活用したいのが人情。
 最初TASCAM US-122でなくEDIROL UA-25で実験していたのだが、どうもMPlayerなどビデオ関連アプリもしくはVideo4Linuxと相性が悪くあまり思ったように動かない。常に定番デバイスが有利というわけでもないのがLinuxの怖いところ。US-122はSound Blasterの交換品が来たら入れ替える予定。
 続く。

2010.11.04

 mencoderでの録画は概ねオッケイだが、その出力には問題がある。画面一番下のラインに緑色の線が載っている。よく見ると画面左端の数ピクセルがおかしい。細かいことを気にしないならオッケイだが惜しい。tvtimeではそういったことはないのでmplayer/mencoderの問題だろう。mplayerで録画なしにビデオ入力を表示してても緑の線は見える。
 仮にTASCAM US-122で音声をキャプチャしてみた。mencoderではサンプリング周波数を44.1KHzにしないと音がおかしくなった。48KHzでは早回し状態。どうやったらUS-122を48KHzで動くようにさせられるかは不明。DTM方面では44.1KHzの方が嬉しいのではあろうが、DTVではできたら48KHzで動かしたい。まぁ、実害はあまりないが。
 他にビデオキャプチャソフトないかな。

2010.11.05

 PCA-DAV2とLinuxの件。tvtimeの設定を見ていくと表示をオーバースキャンしていることが判明した。オーバースキャンを0にするとボトムラインに緑色の線が見える。xawtvの表示も緑の線が見える。もしやと以前Windowsでキャプチャした映像と比べる。Windowsでキャプチャした方がわずかに大きく映っている。Windows用ドライバがオーバースキャンをしていたのだ(ソフトかハードかは不明)。mencoderは無実と判明。
 さて、どうしたもんか。再エンコでオーバースキャン相当の拡大縮小をするということか。

2010.11.06

 mencoderを使うシェルスクリプトを書き、それをcronで呼び出すことでタイマー録画の実地試験を開始。最初パラメタを間違えてcronが動かず失敗。パラメタを修正して無事タイマー録画できた。もうこれでビデオのタイマー録画はLinuxに移行できそうだ。
 キャプチャ中にシステム時刻が変更されるとmencoderは誤動作するそうなので、ntpdは止め、ntpdateで運用するよう変更。
 mencoderは動作が速いと説明のあるlavcでRealtimeとされている設定を使用してビットレートは8Mbps与える。Linuxファイルサーバ機は割と非力なのでキャプチャー自体の負荷を下げたい。Celeron 430 1.8GHzでキャプチャ時50%程食われる。指定したビットレート程はファイルサイズが大きくならない。とりあえずは綺麗に録画できてるようなのでよしとする。

2010.11.07

 lavcでmpeg4を指定した場合、DivXやXviDと互換性があるとされている。実際FourCCをXVIDにするとXviDとしてデコードできる。しかしその場合画面にときどき縞模様が入る。ffdshowを経由してFMP4(lavcでmpeg4を指定したときの本来のFourCC)として再生した場合に縞模様は入らないので単に非互換な部分なのだろう。VirtualDubやAviSynthはFMP4をXviDでデコードするらしく縞模様が入る。結論としてlavcでmpeg4は使えない。実地試験はxvidでRealtimeとされている設定に変更。CPUは50%程度と似たようなもん。やはり8Mbps与えてもファイルは小さい。CBR指定なのに。

2010.11.07

 まとめ。
 映像版デジ造PCA-DAV2をUbuntu 10.04で使うには、
/etc/modprob.d/
に例えばem28xxというファイルを作り、
options em28xx card=40
と記述する。
 ビデオ関連のツールはMedibuntuに頼る。

現在私の使ってるビデオキャプチャ向けスクリプトは
~/bin/vcap.sh
で、中身は
LOGFILE=/home/capture/log/vcap_log.txt
ERRFILE=/home/capture/log/vcap_err.txt
echo '###' >> $LOGFILE
echo '###' >> $ERRFILE
date >> $LOGFILE
date >> $ERRFILE
OUTPUT=/home/capture/$1_`date +%m%d%H%M`.avi
mencoder -endpos $2:00 -quiet -ovc xvid -xvidencopts turbo:nochroma_me:notrellis:max_bframes=0:vhq=0:bitrate=15000 -oac pcm -of avi -tv driver=v4l2:device=/dev/video0:input=2:norm=NTSC-M-JP:width=720:height=480:brightness=-20:contrast=-10:adevice=/dev/dsp1:immediatemode=0:audiorate=44100:amode=1 tv:// -o $OUTPUT >> $LOGFILE 2>> $ERRFILE
 cronの設定は例えば、
59  1 * * 2    ~/bin/vcap.sh IkaMusume 30
のようになる。

 録画した状態ではフィールドがトップファーストの.aviファイルで実用的でないのでインターレス解除やトリミングや再圧縮はWindowsで行う。こうなると携帯動画変換君がネットワークドライブを弾くというお節介が残念。もちろんffmpegにそんな制限はない。良く出来たffmpegフロントエンドなんだが(PSP向け動画の生成に活用している)。
 続く。

2010.11.08

 安物サウンドブラスターSBEZRECを初期不良として店舗で交換してもらったが取り寄せになった。それが届き再度DCオフセットを確認した。結果はNG。-36dBとより一層ひどい結果となった。クリエイティブに「不良なのか仕様なのか」再度問い合わせる。答えは「安物なので仕様」。それは最初からそう答えろよ。いや、パッケージに書いとけ。
 そんなわけでTASCAM US-122を録画用に使いつづけることになった。いや、まぁいいんだが。48KHzでなく44.1KHzだってところがひっかかるだけなので。
 信頼できるメーカーの信頼できる製品ということでRoland UA-1Gについて調べてみる。ALSAでの動作の実績はあるようだ。しかしこれもDAW用途の製品なのでTASCAM US-122と同じく基本は44.1KHz。フル機能はテスト中とALSAのページにあるが、ともかく今は44.1KHz。
 クリエイティブにも信頼できる製品はある。そもそもエンコード機にはE-MU 0404 PCIが刺さってる。値段に比べ非常に良く出来てる。もしかしたら家にある一番良いオーディオI/Fかも。E-MU 0202 USBが手に入れば良いという気もするがこれもDAW製品だからなぁ。調べるとALSAではまだ非サポートだ。クリエイティブと言いながらも全部E-MU。サウンドブラスターは基本ゴミなんだろう。昔のPCにはしかたなく付けてたけど。

2010.11.16

 mencoderの設定を修正。
brightness=-10
contrast=10

2010.11.18

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OSTRA / Takeshi Yoneki