直子のとうすみ日記
diary:naoko higashi
2003年8月〜9月
2003
2003年
9月24日(水)曇のち雨
朝からずっと内田百けんのエッセイのために読んだり、書いたり。思ったりより人間くさい文なのだなあ、と思ったりする。
どうも風邪をひいたらしく、胃の具合が悪い。朝はぶどうだけ、昼はマフィンふたつ、夜はサーモンとトマトのリゾットを食べる。他の人の夕食はサーモンのムニエル、ほうれんそうとさつま揚げの炒め煮、まいたけとあぶらげの味噌汁、フルーツトマト。
用事で駅前に2度も行き来したりしつつ、百けんエッセイ6枚を仕上げ、文學界の丹羽さんにメールで送信。やれやれ。11月号が百けん特集ということで俄ファンとして楽しみなのでした。
それにしても寒い。冬服の用意をしとかなくちゃ。
9月23日(火)秋分の日・晴れのち曇
週末、髭さんの顔が腫れたので、病院へ行ったら最初ヘルペスと診断されたんだけど、こんどは指と腕が赤く腫れ、症状からヘルペスではない、ということになり、しかし何か原因は今のところ分らず、今もって血管に添うような感じで腫れている。どんな感じかというと「アシタカがたたり神にやられたような(byカボ)」感じで、痛そうなのでした。今年大発生してる、毛虫とか蛾の類が触れたのか?
会社にも行っているし、元気にしてはいるのですが、家をあけるのがしのびないので、いくつかの外出の予定をキャンセルしてしまいました(ごめんなさい)。
というわけで、ずっと家にいました。何をしたかというと、家事を回しつつ、読んだり書いたり眠ったりしていました。書評ひとつと解説ひとつ、書いて出しました。
それから今、内田百けん(門構えに月、のこの字、出ませんねえ)について書く仕事があり、読んでいるのです。今日は寒けがするので、布団に入ったまま読んでいたら、いつの間にか眠ってしまいました。百けんの文章はとくに導眠作用があるような。おもしろいのだけど。一日かけて「ノラ」に関するすべてのエッセイを読む。
ツマガリに注文しておいたケーキ、「ツマガリ社長」(ネーミングがおかしくてつい注文。生チョコが上にたっぷり載ったケーキ)、サンドクーヘン(リング型の白いケーキ)をおやつにそれぞれ少しずつ食べる。
夕食は牡蛎フライと烏賊フライと野菜サラダ。
奈良よりたくさんの葡萄が到着したので食後のデザートに。
そういえば土曜日に観た「すいか」の最終回、おもしろかったです。最終回だけ観たのにおもしろかったの、はじめて。さぞかし途中もおもしろかったに違いない。惜しいことをしたと思う。そのうち借りよう。
9月19日(金)晴
今日も陽射しが暑い。でも風は乾いていて気持いい。
NHK学園へ。
夕食はキャベツと牛肉の炒め物と大根とシーチキンの味噌汁(ちょっと微妙でした)。
9月18日(木)曇
暑い。終日家のかたづけと書評などの書き物。
夜、本上まなみさんの新サイトで紹介されていたピーマリネというパプリカをつかったマリネをつくる。甘くとろりとして、とてもおいしい。他にゴーヤとワカメの酢の物、トンカツ、キャベツのせんぎり、ひやしトマト。
9月17日(水)晴
12月に北溟社から刊行予定の『短歌で詠む愛のかたち』のための愛にまつわる自作短歌とその解説を書く。
文化祭の振り替えで学校が休みのリンとサーモンのクリームソースのほうれん草入りフィットチーネ。
夕御飯は、さんまの塩焼き青じそ大根添え+すだち、野菜サラダ、トマトのまるかじり。魚を食べると血が魚の匂いになる気がする。デザートは巨峰。デラウェアより大粒系のもののほうが好き。
9月16日(火)晴
午前中書き物。
午後、パソコンの修理のため重いPBG4を抱えて渋谷のクイックガレージへ。デリバリーも頼めるんだけど、ここへ持って行けば、その場で修理して持って帰ることができるので。以前は神泉にあって、チビで壊れやすいPB2400のために、よく通ったものでした。どうやらスタッフは神泉の時の人と同じ人のようである。
故障は、画面に赤い細い線が入るようになったためで、液晶をとりかえてもらう。画面の内側を開いて交換するのかと思ったら蓋ごと取り換えになりました。54000円くらいだったかな。でも保険有効期間中だったので、だいじょうぶ。入院もせずにすんでよかったよかった。
トイレを借りようと渋谷の地下に降りると、そこは中高年の街。渋谷の地下の世界は、「ねずみ浄土」のような。一個50円の大福をみつけ、4種類買ってお土産にする。まめ、すあま、シナモン、しそ。おたべのぼってり版みたいなシナモンがおいしかったです。
夕食は、あさりのバター蒸(生ハーブたっぷり)、具だくさんのとん汁。デザートはいちじく。
9月15日(月)晴
リンの高校の文化祭へ髭さんと。
「STOMOP」という楽器以外のモノを使ったリズムダンス。ちょっとしたストーリー仕立てになっていて、たのしいものでした。リンは大道具を運んでただけだけど。
それにしても高校の体育館はあつーい。一演目観ただけでリタイア。
高校の近くにある髭さんの研究所に寄る。実験のために飼ってるゼブラフィッシュに餌をあげるためである。オスとメスの水槽がわけてあり、メスはみんなお腹が大きく、ばくばく餌を食べる。すごい迫力。左端にある魚の入っていないビー玉の水槽は繁殖用だそうだ。魚の視力っていかほどなんだろうか。まぶたがないので、眠るときもいろんなものを見ているのかな。
髭さんの机まわりは、よく片づいている。家の机もそう。長く長く一緒に暮らしているけれど、じたばたした姿を一度も見たことがない気がするのでした。
夕食は髭さんの作ったタコとトマトと生ハーブのパスタ。野菜のスティック。
9月14日(日)晴のち雨のち晴
朝起きたときは晴れていたのに、出かけようと下に降りたら、雨が降っていた。
ぷらむ短歌会。今日のお題は「袋」。歌人紹介は水原紫苑さん。
針と針すれちがふとき幽かなるためらひありて時計のたましひ 水原紫苑
宥されてわれは生みたし 硝子・貝・時計のやうに響きあふ子ら 〃
魚食めば魚の墓なるひとの身か手向くるごとくくちづけにけり 〃
亡きひとは純白の橋 踏みゆけばいまだ脈打つごとく揺れたり 〃
初期の歌のこの繊細な感覚がとても好きなのです。
花園神社、とひとこと言へば秋闌けてわれも赤毛になつたるやうな 〃
の、のちに現れる強引な運びも好きですが。
9月11日(木)晴
午後、リンが借りてきていた「パニック・ルーム」をひとりで観る。しずかなパニックもので、とてもおもしろかった。
夕食は、ぶりの照焼き、中華風たきこみ御飯、ふきと水菜と油揚の煮物。たきこみ御飯がたける間に紅茶のパウンドケーキをつくる。暑いので、泡立てているとどんどんバターがとけだして、焦る。が、うまく焼けました。
「Dr.コトー診療所」の最終回を紅茶ケーキを食べつつ観る。景色も心情もしみじみしみるよいドラマでした。
9月10日(水)晴
午前中、「短歌があるじゃないか。」の校正を仕上げて穂村さんに郵送する。午後、新宿にて金の星社の方と打ちあわせ。
夜、来年の子供ミュージカルについての打ちあわせを地元でする。
9月9日(火)晴
さとりえと西荻で待ちあわせて「ニヒル牛」へ。貸し箱制のお店で、さまざまなアーティストの手作り品が所狭しと並んでいる、ものすごくたのしいお店。たまの石川浩司さんの奥さん、Rさんがオーナーをされている。
こないだ「たま」のことを書いた新聞の切り抜きと本をRさんにおわたしして、少し、いろいろ話す。Rさんは、たのしい、親切な、かわいい人でした。女の子の判子と「まぬけなくま」というタイトルのついた銀のくまのネックレスを買う。
西荻駅前で近所に住む長嶋さんと合流して、ハートランドに立ちより、その後ジョナサンにて三人で雑談。長嶋さんには、光浦靖子さんの御自宅に『猛スピードで母は』の本がうつっていたテレビのビデオを偶然わたしが収録していたので、それをわたす。
9月8日(月)晴
真夏にもどったかのように、暑い。
NHK学園へ。この学園、駅から遠いので、ついたとたん、どっと汗がでる。
9月7日(日)晴のち雨
朝8時すぎに目がさめ、あ、ブックレビューの放映日だった、と、あわてて観ていたら、電話がかかってきたので中断。電話からもどると、保坂和志さんのインタビューにかわっていた。
夜、革命うさぎさん教室の「こいびとに芽がはえた」を築地の兎小舎へ観に行く。ピアノと椅子だけの舞台に、たった二人の女の子とピアノ弾き(「ぷらむ短歌会」の久米貴さん)のみの簡素な舞台。タイトルにからめて三人の書き手が書いた話しをオムニバスで演じていた。妙な設定なのに、なんだかいつの間にかせつじつなものとしてねじが胸に入ってくるようなおもしろい舞台でした。手作りの馬が秀逸。場面としては「恋人ジャム」についての紙芝居がかわいくて、やがて怖くて好きでした。
そのあと、ひろたえみさんとお茶を飲みつつ、笑いつつ、話す。ひろたさんは、「小さなバイキングビッケ」みたいでした。
9月6日(土)晴
来年一月に上演予定の「姫神楽」というミュージカルの初顔合わせ。今回は一部の歌詞と原作としての参加です。
池袋に立ちよって、ぽえむぱろうるにぷらむ短歌集を置いてもらう。
リブロには川上弘美さん関連の本が花が咲いたように並んでいる。すてき。「ユリイカ」には書評を書いたので、「文藝」を買う。
9月5日(金)晴
今日も暑い。でも風がかわいていて気持いい。
NHK学園へ。
桜並木の葉が散りはじめていて、せつない。
学園に曲がる交差点に小さな靴屋さんがあるのだけど、そこの、おそらく店主のおじさんがいつも歩道に椅子を置いて、そこに腕組みをして座っている。靴を眺めるのが好きなわたしはつい店先のくつをじっと見ながら歩いてしまうのだが、そうすると、最後におじさんとばっちり目があってしまう。なにか恥ずかしい。
家に帰り着くと、玄関にもたれかかって、カボがうたたねをしていた。鍵を忘れたらしい。そのあとお腹がいたいというので、休ませたあと、お粥を作ってたべさせる。
他の人の夕食はピーマンの肉づめ、かぼちゃの煮付け、もやしと油揚のごま塩炒め。
9月4日(木)晴
NHK週刊ブックレビュー収録。去年の秋にも一度出たので、二度目です。
渋谷からスタジオパーク行きのバスに乗って、12時15分ごろNHK着。すぐにメーク室に通され、15分ほどかけてメイク。ふだんはやらないリキッドアイラインとマスカラをばっちり入れてお目々ぱっちりぎみに。控室でスタッフ、ゲストの荻野アンナさん、長嶋有さん、司会の藤沢周さんとアナウンサーの柴田さんと打ちあわせ。長嶋さんとはけっこうひさしぶりだったけど、お互いメイクした顔で対面するのって面はゆいものがありますね。荻野さんはとっても花と勇気のある人でした。
で、打ちあわせといっても基本的に雑談で、すぐにスタジオに行って収録。ちょっとリハーサルをしただけで、あっという間に本番。え、もう本番?ととなりの長嶋さんに訊いてしまう。ま、気付かない方がいいんじゃない、と冷静な長嶋氏。
わたしの推薦本は高原英理著『無垢の力』、穂村弘×寺田克也著『車掌』、ダン・ローズ著金原瑞人・石田文子訳『ティモレオン』でした。
他の二人のゲストがあまりにトークが上手なのと、司会の二人のあたたかいリードに、ほーっと感心しているうちに収録終了。大丈夫かなあ、わたし。
収録がおわって、あたたかいチャイをいただき、帰宅。さほど緊張はしなかったものの、なんだか疲れていて、うたた寝。目がさめたら夕闇のなか。
ふわふわと起き上がり、夕食のしたく。まぐろを流水で解凍して、アボカドを切って、アボカドまぐろ丼に。それと野菜サラダ。
9月3日(水)晴のち曇
朝起きるとのどがいたい。ここ二週間ほどずっとである。風邪をひいているんだろうか? そういわれればそんな気もする、というのは俵万智さんの短歌の一部。
けれど暑い。今年一番くらいに暑い。
エアコンがうまく効かない中、エッセイやトークの下準備など、のんびりと。
夕方、家族用に鮭のムニエル、なすのみそ煮、かぼちゃの煮付け、うみぶどうを作りおき、自分は鮭のクリームパスタを簡単につくって食べ、ミュージカルの保護者会へ。「桃太郎!」のビデオの受け取りや写真の注文など。お母さんたちの写した舞台写真がうつくしくて感心する。うちのオートフォーカスは、舞台は全く無理。
9月2日(火)曇ときどき晴
郵便物などを出しに駅前に。駅に行く道の桜の葉が散りかけている。もうちょっとがんばっててほしいなあ。今、自転車が行方不明なので、似た自転車を見ると、つい目で追ってしまう。
夕食は、まぐろねぎとろやまかけ丼に生食用ほうれん草ともやしのサラダ。そしてフィリピンバナナ。
9月1日(月)曇
やっと夏休みがあけた。リンは早速野球部。秋の公式戦ではライトを守ることに。
わたしはNHK学園へ。週明けの学園はいつも少し忙しい。
帰りにまたお茶やさんに入って、添削のつづき。頼んだアイスレモンティーがずいぶんとたってから出された。遅くなりました、レモン、買いに行ってたんで、と、バンダナの若者。ぶあついレモンが三切れもついている。も、もうしわけなかったです。
岡井隆著『旅のあとさき、詩歌のあれこれ』を読む。
むろん乗らない。ゼウスぢやないもん。君は白い腿をくろがねの軌道(レール)にのばす 岡井隆
「ぢやないもん。」って、かわいいな。旧字に効果アリ。
8月31日(日)晴ときどき雨
首都の会(目白)へ。岡田幸生さんの出した美女軍団の歌が賛否をよぶ。
題は「洗う」と自由題。わたしが出したのは下の2首。
【自由題】
最後まで律義だった温度計はずすとき、そして、という音
【題詠・洗】
頭髪の奥に小さな口があるヒトのぬけがら洗い張りする
自由題の方、岡崎祐美子さんから完璧な読みをいただいてまんぞく。
帰りがけにお茶やさんに入って、「短歌があるじゃないか。」の校正をする。
電車で江國香織『とるにたらないものもの』を読む。「ほんとうに、両棲類を飼っているみたいだった」by江國香織母
夜ご飯は、髭さんの作ったビーフカレー。
8月30日(土)晴
床にまで本があふれて、布団を敷く場所があやうくなってきたので、本の整理をする。ついでにあかずの段ボールをあけて、不要品を処分。ちょっと涼しくなったとはいえ、まだ少し動くと汗がにじむ。まだ使おうと思えば使えるものって、使わないとわかっていても捨てるのに勇気がいる。10年使わなかったホットウォーマーを、この先も使うとは、思えないけれども。
午後、おふろの椅子を買いに「ドン・キホーテ」に生まれてはじめて入る。なんだろう、この地震の恐怖・・・。物に酔って、結局除光液を買って出る。
エッセイ掲載の朝日新聞を買う。タイトルは「言葉そのものを味わう」(タイトルをつえけたのはむこう。
夕方、髭さんがベランダに七輪を出して、秋刀魚を焼く。秋ですね。炭焼きの秋刀魚はことのほか美味い!とビックリマークがつきますね。人参入り切り干し大根と茄子のみそ煮も食べました。
夜、NHK学園の添削。
8月29日(金)晴
パルテノン多摩に「ロンの花園」というミュージカルを観に行く。ひとりぼっちのおおかみと盲目のうさぎのかすかな愛の物語。
留守番電話に作家の諸田礼子さんのすずやかな声が録音されていて、うれしくて何度も巻き戻してしまう。
夕方、ぷらむ短歌会の資料発送。
首都の会の締めきりだったことに気付き、あわてて歌をつくって、メールで送信する。
夜、ディズニーのターザンを観る。ターザンの物語をはじめてちゃんと知ったので、新鮮だった。
新品の目覚めふたりで手に入れる ミー ターザン ユー ジェーン 穂村弘
ターザンのヒロインがジェーンだっんだ。
8月28日(木)晴
ぷらむ短歌会の添削。来週出演予定のBSブックレビューのコメント書き。朝日新聞のエッセイの校正など。お昼にレトルトのグリーンカレーとイエローカレーをかほりとはんぶんずつ食べる。
夕食はぶた肉の香味たつた揚げ、オクラを包丁でたたいて、たっぷりのかつおぶしと胡麻であえたもの、ひやしトマト、茄子のしぎ焼き。
8月25日(月)晴れときどき雨
NHK学園へ。
夕食は鮭のボイル、トマトと茄子の野菜ソースがけ。じゃがいものスライス揚げ。かぼちゃのバター焼き。
8月24日(日)晴
阿佐谷の「よるのひるね」という小さなお店で、みみのひるね朗読会に参加。大下さなえさんプロデュースの第4回目で、キキさん、野村喜和夫さんとともに。
今回は夏の夕方なので、浴衣を着て、風鈴を手に持って朗読。短歌の連作を4つと神谷きよみさんに提供した歌詞をふたつ、読む。
キキさんは、すずやかな声を生かした、ピュアでみずみずしい詩の朗読。ほんのりあまくて、でもひんやりとした夏のまんなかの早朝のような、なつかしさ。
大下さんは、ここちよい音楽とともに、全身の身体感覚が解放されて、べつの世界につれてゆかれるような。キュートだけど、スタミナのある言葉たち。
野村さんはヨーロッパ滞在中につくられた長い長い詩の最後の部分を朗読されたのだが、言葉が文章から完全に自由になって、響きがひびきをよんでふしぎな叫びに転換してゆくようで、しずにねむっていたものがさわだつような朗読だった。
二代目タツノオトシゴが、ときどきふうっと水にうかぶお店にて。
8月22日(金)晴
岡山に住む友達が上京してくるので、羽田空港までおでむかえ。その後一緒にライブに行き、大騒ぎな夜を過す。みんなで、あれだよね、あれだよね、と言いながら、火星をながめる。
8月21日(木)曇
少し暑さがもどってくる。
朝日新聞のエッセイを書く。夏休み中の原稿は集中力が散漫になりがちで困る。普段の日は気がついたらお昼ご飯を食べるの忘れてた、ということがままあるけれど、かぼに催促される。リクエストによりカレーうどんを作る。
夜御飯は、ゴーヤーチャンプルとゆでとうもろこし。
8月20日(水)晴のち曇
明日〆切の朝日新聞のエッセイのために、図書館へ行く。同じ欄の過去のエッセイを読み、自分は何を書くべきか、迷う。それにしても夏休みの図書館は混んでいる。座る椅子がない〜。子供も多いけど、60代くらいの男性多し。みんな新聞を読んでいる。ドトールにも高年男性よく見かけるし。
沖縄の歌人兼脚本家の増田静さんからいただいた沖縄珈琲を飲みながら、いろんな人への手紙を書く。
鯖の味噌煮、大葉をまぶした冷やし角切りトマト、茄子とツナのあまから煮、千切りキャベツ。デザートは桃。
「トリビアの泉」で、松本零士がちばてつやに、パンツに生えたヒトヨタケをラーメンに入れて食べさせた話がおかしい。「男おいどん」の世界は実話だったんだなあ。リアルだとは思っていたが。あの漫画に出てくる、メーテル顔の動じない女の子たち、とても好きでした。
夜中、かばん10月号の歌稿をまとめて送付。
8月19日(火)
プロデューサーの柴矢敏彦さん(「お魚天国」を作曲した人)に紹介していただいた、赤川次郎原作の「ふたり」という、アミューズ主宰のミュージカルをかぼと観に行く。全国からオーディションして選ばれた中学生〜高校生くらいの女の子たちが中心の、元気で、そして切ない、初々しい舞台。死んでしまったはずの姉が妹の前に甦る・・・。ちょっと切なくてほろりとする話しをはじけたダンスとともに。テーマ曲:BEGIN、衣装:山本寛斎、新宿スペースゼロにて。24日(日)まで。
8月18日(月)晴れのち曇、こぬか雨
かぼとベトナム麺を食べたあと、買い物、夕食の仕込み(カレーライス)などをしてから、浴衣を来てお出かけ。知人に誘われ「浴衣でビール」の会に参加したのである。浴衣は歌人の佐藤南壬子さんにいただいた紫の地に揚羽蝶の飛んでいるもの。これに蜻蛉の飛ぶ黄色い帯を締めて。あまりにひさしぶりなので、着るのに四苦八苦しました。そのあと電車にゆられ山の上ホテルへ。
ライターで着物マニアの春日さんや村井さん、金原さん、位頭さん、あとから萩原さんと一緒にお食事など。着物もたまにはたのしかも。まだ一度も袖を通していない着物もあるので、また練習してみようかな(かつて3ヶ月ほど習ったことはあるのですが)。
8月17日(日)雨
「ぷらむ短歌集」の発送名簿をやっと整理して、夕方メール便にて発送。
お昼ごはんは、髭さん作角切りベーコンとトマトとハーブのスパゲッティー。
夕御飯は、かぼの家庭科の宿題の手作り献立。ハンバーグとこふき芋とベーコンとキャベツの炒め物。伝授したつもりだけど、こんどはひとりでつくれるかな?
8月16日(土)雨
なんだかぼーっとしていると、クール宅急便届く。きのうの朝ネットで発注したツマガリのパンフが見本のお菓子とともに届いたのである。すごい、はやい。食べると、たちまちバターの香りの立つ、てづくり感のあるおいしさ。新製品「カカ王」のネーミングセンスは、どうなのか?
奈良土産のそうめん蕎麦をはじめて食べる。蕎麦よりもそうめんよりも中華麺に近い食感。
夜は塩鮭、舞茸とエリンギのホイル焼き、茄子と大根のおみそしる、ミディトマトと千切りキャベツ、チョリソー。
8月15日(金)大雨
NHK学園へ行く途中、横断歩道を渡ろうとして水たまりにサンダルごとつっこんでしまう。よく空にこれほどの水があったものよ、と思うほど、雨は一日中降り続く。
大慌てでホタテの牛肉まき、もちもちぎょうざ、ミネストローネ、サラダをつくって食べる。ミネストローネは、家にあったありあわせだけれど、わりとおいしかったので、また作れるように材料をメモ。トマト、なす、タマネギ、ツナ缶、じゃがいも、ごはんひと握り(マカロニがなかったので)。
そのあと思いついて、かぼと駅前のレイトショーで「パイレーツ・オブ・カリビアン」を観る。ジョニー・デップが出る、という一点で観に行ったのですが、予想以上におもしろい映画でした。レイトショー、うっかり眠ってしまうことも多いわたしですが(恥)、寝ませんでした。わりと長いですが飽きないです。それに、ジョニー・デップがすぱらしくってすばらくって。顎の下の三つ編みがかっこよく似合う男。
月の光をあびると「本当の姿」があらわれる海賊が哀れでうつくしかったです。
パンフレットが買えなかったので、去年(あれ、もっと前だったか?)観た「耳に残るは君の歌声」のパンフを引っ張り出して眺めたりなどする。
8月14日(木)雨
品川で佐藤りえさんと待ちあわせて、高輪プリンスホテルでひらかれている絵本カーニバルを見にゆく。広〜い会場に、テーマ別に並べられた絵本をぱらぱらと物色してから、絵本作家の酒井駒子さん、どいかやさんと土井章史さん、小野明さんの、絵本についての座談会を聞く。出版にこぎつけるまでのあれやこれやを興味深く拝聴。素材へのこだわりなど。ふたりとも絵の雰囲気の通りの人ですっかり心酔し、それぞれの著書を何冊も買う。駒子さんの『赤い蝋燭と人魚』は、シックで素晴らしい。
近くで仕事をしていた穂村さんと合流し、3人でつばめグリルで会食。つばめハンバーグ、ロールキャベツ、温野菜、シーザーサラダ、ココナツ入りブラマンジェなど食べ、すっかりお腹も満足して帰宅。
8月13日(水)晴れのち雨
NHK学園の仕事など、ほぼ家の中で書き仕事。
お昼はカボときのことほうれん草のスパゲッティー。
夕方、雨がふりそうだ、ふりそうだ、と思いながら、裸足で買い物に行く。
マーボー豆腐とゴーヤの卵とじ、トマトサラダ。それから久美ちゃんがお土産にくれたツマガリのチューリッヒという名前の焼き菓子をデザートに。
8月12日(火)晴れのち曇
すこし暑さもゆるやかに。
9月に出版予定の『東直子集』の校正。頁割りの関係で、あとがきを倍にするために書き直す。
「中央公論」9月号に長嶋有さんが書いてくれた『回転ドアは、順番に』評を読む。ん、こ、これは、なんとおもしろい書評だろう。
校正を仕上げて宅配に出す。夕方、かぼと髭さん帰宅。
サーロインステーキとじゃがいもの蒸し焼きとレタスのサラダ。
夜、ソファーで仮眠。
深夜、テレビ版「マシーン日記」(松尾スズキ原作)最終話を観る。
こわい。悪夢を映像で封じ込めたような。去年はまりこんで観ていた「室温」と同じ大根仁の演出。世界の片隅にいるかもしれない、鎖に繋がれた天才機械修理士の物語。舞台では阿部サダヲが演じていたというその修理士の役を森田剛が演じ、修理士の「マシーン3号」に松田美由紀、それから塚本監督と山口沙也加がそれぞれ好(怪)演。ときどき覗く深夜の世界は、じつにエキセントリックなのであった。
実は「大人計画」はいつもチケットを取りそこねて一度も観ていないのでした。観てみたいなあ。
8月11日(月)炎天、風強し
久しぶりに朝から家にひとり。かたづけやメールや手紙の整理などとろり、とろりと過す。結局、炎天にひるみ、ゴミだしと郵便物を取りに出た他は家にひきこもっていました。
アマゾンより本届く。江國香織の『とるにたらないものもの』『活発な暗闇』、ジェイクスの絵本『ティリーのねがい』。
夕方、すりおろし蓮根とチーズ入りのハンバーグと人参サラダを作る。人参のスライスは皮むき器を使って。二人分だと楽だ。
夜、二人で小さなソフトクリーム状のアイスを食べつつ、「14ヶ月」を見る。「妻が子供に帰っていく」という設定のドラマ。8歳くらいに戻ってしまったという設定の子役がものすごく落ち着いていて絶妙。
8月10日(日)炎天
ぷらむ短歌会。ばたばたと資料をそろえて自宅を出、しばらく歩いたところで、資料を持って出るのを忘れたことに気付く。あわててひきもどす。
坂道を駆け下り、10分ほど遅刻して歌会場に付くと、会員のみなさんがきちんと座っておられて恐縮。汗、なかなかひかず。夏は遅刻禁物ですね。
少し遅れてきた人の汗ひくまでのちんちろりんな時間が好きよ
『春原さんのリコーダー』に入っているこの歌、へるめす歌会で遅刻してきた人がいたときにおもいついたもの。遅刻した人が入ってきたとき、ぽかっ、と時間がとまること、ありますよね。
今日のぷらむの資料は上野久雄さん。愛と苦味の孤独とユーモアのいりまじった味わい深い作風です。
浄化槽清掃業者来ておりて無口な妻を喋らせている 上野久雄
裏返しにシャツ着ていたる小半日気づかぬ愛がむしろ愉しい 〃
夕方、りんと待ちあわせをしてヤキトリ屋さんで一緒に食事。好きなもの、何でも頼んでいいよ〜と、メニューをわたす。トマトを薄い豚肉でくるんだくし焼き、中のトマトがあっついんだけど、おいしいです。
8月9日(土)台風10号
台風、台風なので日記を再会することにしました。
朝7時に起きたら、リンがすでに起きていて、テレビを観ていた。ごうごうと風がうなって、はらはらと雨がちぎれている。野球部の練習は、こんな中でもやるらしい。お弁当を作ってもたせる。
朝9時になっても髭さんもカボも起きてこない。今日はふたりは大阪に行く予定なのに。台風だから遅れて出発するらしいけれど。
お昼にたこ焼きを食べて、髭さんとカボ、ついに暴風雨の中を出発。一階まで降りて見送り。
やれやれ。ひさしぶりに誰もいなくなった家で執筆仕事。歌壇連載中の「今月のビタミン」と明日のぷらむ短歌会の準備。メールの整理。
夕方、雨がやんだころ、髭さんから携帯電話。
「とうめい、おろされちゃったよ」
高速道路に波がかぶるから、らしい。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」でおもいきり波をかぶりつつ車が突っ走ってた場面を思い出す。音楽とともにとても好きな場面。あの粋なおじいちゃん、亡くなっちゃったなあ。