Disney's DELICIOUS DAYS
「ディズニー・デリシャス・デイズ」


2003年3月20日まで開催されていたシーのウィンターフェスティバル”ゆったり過ごす、たっぷり味わう、特別な70日間”「ディズニー・デリシャス・デイズ」の特別プログラムを試しました。来年も開催するとの事でしたので、記録として残しました。

「デリシャス・デイズ」に行く前は、特別なショーもなく、イベント参加レストランでスペシャルメニューを食べると記念の小さな皿がもらえるだけのイベント、特にバカ高い15,000円のコースディナーは”自分には関係無い”、”参加するなんてあり得ない”ものだと思っていました。
ところが、このHPからリンクを張っている「d-mate.com」(Disney,Donald Duck等のDのつく物のデジタル写真にこだわったHP)の管理人かなやすさんのエッセイ「絶対おすすめ!デリシャスデイズ」で、このコースディナーを「ただ並んで乗り物に乗るだけのテーマパークには飽き飽きした大人のみなさんには絶対のおすすめです」と強く薦めていたのです、私はこれを読んで”これは何か新しい発見があるかもしれない”とリピーター心を動かされ、周囲に呆れられるのを覚悟の上で、舌も目も肥えた友人夫妻(シーは2回目)を誘って試しに行ってみました。

行ってみると、結果は大満足。ゆったりと豊かな気持ちで時間を過ごす事ができました。「デリシャス・デイズ」は従来の見るイベントではなく、参加しないと良さがわからない参加型イベントです。私はオリエンタルランドの大人のゲストへの並々ならぬ期待を感じました。2回目以上のリピーター、大人のデートをしたい方、テーマパークでゆったりとした時間を過ごしたい方にお薦めします。



今回参加した「デリシャス・デイズ」の特別プログラムの内容

「マゼランズ・ストーリー 大航海時代とワイン」/"A Tale of Magellan,the Golden Age of Exploration and Wine"
メディテレーニアンハーバー内のレストラン「マゼランズ」で1日1回15:00−16:00まで開催。集合は14:45。限定16名。2,800円。

大航海時代の要塞の中にあるレストラン「マゼランズ」のワインセラー(本棚になっている隠し扉の向こうにある個室=画像右)の中で開催されるワインのテイスティングです。パーク内で配布されている「デリシャス・デイズ」のガイドブックには「大航海時代に思いを馳せながら、ワインを楽しむ」と紹介されています。

このイベントは、
キャストが話す冒険家マゼランの航海の波瀾万丈の冒険物語を聞きながら、胸に金色のブドウの房のバッジをつけたソムリエが解説してくれる5種類のワイン(シェリー酒、白3種類、赤1種類)とワインに合わせて作られたオードブルを味わいます。
語られるストーリーは、1519年9月20日にマゼランが率いる5隻の船団が乗員227名を乗せ、当時金や銀と同じ価値があった香辛料の産地モルッカ諸島を目指して、東ではなく西を目指してスペインのサン・ルーカルを出航し、途中マゼラン海峡を発見しながら初めて太平洋に達しました。マゼランはフィリピンのセブ島で原住民に殺されてしまいましたが、1522年についにわずか1隻18名になりながらも世界一周航海を成功させスペインに帰国するというストーリーです。これを地図を見ながら1時間かけてゆっくり語ってくれるのです(右の画像の中央が説明に使う地図、暗くて良く見えませんが地図の左側に説明役のキャストも写っています)。
ストーリーとメニューはシンクロしていて、例えば最初は出港地のスペインのシェリー酒と生ハム、マゼラン海峡を発見した場面では、マゼラン海峡があるチリ産のワインを試します(この時ワインに合わせる「砂肝のコンフィ」は鴨の脂で砂肝を煮込んだもので、個人的には一番おいしかったです)。
オードブル「タコのトマト煮」にはディズニーランドのシンデレラ城前のキャッスル・ガーデン内に20年前に植えられたオリーブの木から収穫されたオリーブが使われていました(このオリーブは、マゼランズのみしかもこのオードブルのみに使用しているそうです)。最後はポルトガル人のマゼランに敬意を表して、ポルトガルを代表するポートワインを試します。

メニュー

マルサニーリャ(スペイン)シェリー
生ハム

ヴィーニョ・ヴェルデ(ポルトガル)白ワイン
白魚のエスカベッシュ

ベロニア・バリック(スペイン)白ワイン
タコのトマト煮

カルメネール・グラン・レゼルバ(チリ)赤ワイン
砂肝のコンフィ

ルビーポート(ポルトガル)ポートワイン
チーズの盛り合わせ

 

上の画像の左はチーズの盛り合わせ(4種類)
右はタペストリーや絵画が飾られたマゼランズの店内です(ディズニーリゾート内とは思えない雰囲気です)

ストーリーやソムリエのワインの色や味の解説を聞きながら、ゆったりとした楽しい時をすごすことができて、2,800円は安いです。このプログラムはあまり知られていないため、マネージャーさんによると当日「デリシャス・デイズ」のガイドブックを見て予約する人が多いそうです。
お酒が飲める2回目以上のリピーターでお子様連れでない方に是非お薦めします。1時間で豊かな気分を味わえます。ギョウザドッグ待ちの列に何十分も並んでいる場合ではありません^^


この特別プログラムは先にお会計を済ませてから参加するため14:45から受付が始まります。14:30からハーバーで始まる「ポルトパラディーゾ・ウォーターカーニバル」を見る場合は、「マゼランズ」周辺の高台から見て、カーニバルが終わったら即移動して下さい。カーニバルが終わってミッキー達が乗った船がハーバーから出るところまで見ると間に合いません。


「ダイニング・イン・ニューヨーク」/"Dining in New York"
アメリカンウォーターフロントのレストラン「S.S.コロンビア・ダイニングルーム」で1日1回18:00から開催。限定24名。15,000円。
(この特別プログラムは21時〜21時半位まで続きますので、ハーバーで夜開催される「ディズニーシー・シンフォニー」と花火「ヴォナセーラ・セレナーデ」は見れません)



こちらはミュージカル「アンコール!」を鑑賞した後、豪華客船「S.S.コロンビア号」(画像右)にあるダイニングルームで、18:00〜21:30位までフルコースディナーをいただく特別な(値段も特別な)「ニューヨークの食とエンターテイメントを満喫する」特別プログラムです。
このプログラムは、まず15時までにエントランス(サウスゲート)横にある「デリシャス・デイズ」の特設カウンターで
アメリカンウォーターフロントのブロードウェイ・ミュージックシアターで開催されるミュージカル「アンコール!」の鑑賞券を受け取り、17:00-17:30まで「アンコール!」を特別に確保された席で鑑賞することから始まります(「アンコール!」がもしキャンセルになった場合は、シーの中の全てのアトラクションに優先的に入れる整理券がもらえます)。
ミュージカルの名場面のオムニバスで構成されるショーを鑑賞して、エンターテイメントを満喫すると、「S.S.コロンビア・ダイニングルーム」スタッフ(テーブル担当)が迎えに来て、S.S.コロンビア号まで案内してくれます。

そして大西洋側の特別席(ソムリエさんが言うには「(S.S.コロンビア号はニューヨークの港に停泊しているので)窓の外に見えるのは大西洋でございます」との事でした^^)につくと、最初はテーブル担当とソムリエが挨拶に来てくれて、ウェルカムドリンクとしてカリフォルニアのスパークリングワインがサービスされます。その後、シェフが挨拶に来てくれてメインの高級食材を見せてくれます。メインは
「特選和牛ロース肉のグリル」と「活オマール海老のグリル」の選択になりますが、「特選和牛ロース肉のグリル」は見事なサシが入った福島産の霜降り黒毛和牛250g、「活オマール海老のグリル」は半身ではなく丸ごと1匹使った可食部分が150gもある立派な海老ですから、2人以上で参加する場合は両方頼んでシェアして食べるといいと思います。
コースは、以下の順番で進みます(ワインはグラスワインになりますが、赤白それぞれ3種類、食後酒も3種類から選べます。希望すればおかわりもできます)。

メニュー

(食前酒)

(白ワイン、赤ワイン)

アミューズ・ブーシュ

フォワグラのソテー

ハマグリのスープ

特選和牛ロース肉のグリル ソースをお選び下さい

or または

活オマール海老のグリス ソースをお選び下さい

グリーンサラダ

チーズ

デザート

コーヒーまたは紅茶

(食後酒)


  

これがメインディッシュ。250gもある「特選和牛ロース肉のグリル」と可食部分が150gの「活オマール海老のグリル」です。どちらも充分満足できるボリュームと味ですので、ぜひシェアして食べてみて下さい(シェフは「女性がオマール海老、男性がステーキを選ぶことが多いです」と言ってました)。「デリシャス・デイズ」のガイドブックやディズニーシーの公式HPに載っている「活オマール海老のグリル」の写真は黒ずんでいて全然おいしそうじゃありませんが、実際は見ての通りでおいしいです。

 

これはデザート。右に写っているのはリンゴのシャーベットです。ニューヨーク(別名ビッグアップル)を象徴するリンゴづくしのデザートになっています。


18時から始まったディナーは最後にシェフを交えた記念撮影の写真(ポラロイド)と記念品(直径約4cmのミニチュアカップ&ソーサー)をもらって終了となります。我々のテーブルは話が弾んでしまって終了時間は21時半。まれにみる長いディナーでした。
今回の特別プログラムの不満は、サラダの量と内容がいまいちだった事(肉の量に比べてあまりにも少なく、内容もファミレス並。出し方もサラダボールで混ぜる等の工夫があっても良い)、またバターをバターナイフでざくっと切って、しかも角砂糖の4倍位の量をパン皿に盛られて驚いた事の2つだけでした。

食事中は明るくお話好きなテーブル担当の女性、接客は慣れないけれど一生懸命説明してくれるシェフ、ベテランのキャストらしい明るい自称「飲むリエ」の女性ソムリエが入れ替わり立ち替わり(しつこくなく、気取ってない)サービスをしてくれて、楽しい時を過ごす事ができます。カップルで行った場合も2人だけの会話は少しお休みして、シェフやスタッフとの会話や雰囲気、料理、おいしいお酒をトータルで楽しんで下さい。一層楽しめると思います。

友人の感想は「人前に出た事のないシェフが、一生懸命、料理や素材の説明をし、食事中も3〜4度となく、客席を回る姿を見て、特に最後の、率直な、コースの値段/内容/満足度/その他感じた事をウェートレス経由でなく、自分で聞いて回っていた姿には、シェフの本気度を感じました。全く期待せずに参加したイベントで、予期せぬ”surprise”と興奮を感じました。今度はライバル店のマゼランズの特別プログラムを予約して試してみます」。

私もあまり期待しないで行きましたが、充分満足しました。高級食材を使った料理の内容、そしてサービスは従来のディズニーリゾートにおける”食”の概念を完全に超えたものでした。15,000円は高いですが、15,000円以上のゆったりとした時間と豊かな満足感が得られます(普通の高級レストラン以上のサービスをしてくれますが、消費税だけでサービル料はとりません)。日本の従来のテーマパークには無い特別プログラムに感心しました。私は銀座の老舗高級フレンチ・レストラン「銀座マキシム」より満足しました。皆様にもお薦めします。

ちなみに、私が行った時は定員24名のところ参加者は7名でした(行ったのは日曜日)、これではペイできず来年はやらないのではないかと思ってソムリエさんに聞いてみたら「続けて欲しいというお客様の声が多いので、来シーズンも続けていきます」と言ってました。今年の結果を元に来年はどう変化するのか、他のレストランも参加するのか楽しみです。今の時流に合った”スローな”プログラムを来年も期待しています。

(ご参考)特別メニューがあるもう1店「マゼランズ」の「マゼランズ・スペシャルディナー」のメニュー
(「マゼランズ」は「S.S.コロンビア・ダイニングルーム」のライバルらしいです^^)

メニュー

(食前酒)

(白ワイン、赤ワイン)

アミューズ・ブーシュ

アワビのサラダ仕立て キャビア添え

フォアグラのフラン

アンコウのロースト 赤ワインソース

アスティ・チンザノのグラニエ

特選和牛フィレ肉のポワレ トリュフソース
セロリアークのピュレ

デザート

コーヒーまたは紅茶

子菓子

(食後酒)






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