4月25日(金),1日目(曇り後晴れ 最低気温10度、最高22度位 風無し)


バルセロナ満喫!

さて、初日です。
朝は日が出るのが相当遅く6時半頃から明るくなり、7時位になってやっと日が出ます。夏時間を採用している事もあり、日本より2時間以上も日の出と日没がずれている感じです。
初日の朝は曇っていました。
この日はまずメトロの隣の駅Gloriesでやっている蚤の市へ。ここはがらくたばかりだったので、ちょっと見ただけで見学終了。次にバルセロナの胃袋/サンホセ市場に行く事にしてメトロでバルセロナの中心地カタルーニャ広場へ。この広場から海岸まで1km位延びるランブラス通り/La Ramblaは、幅が30m位ある中央分離帯にうっそうとしたプラタナスの並木が木陰を作り、カフェや花屋、小鳥屋さんが両側に並ぶバルセロナを代表する通りです。。
この通りは、ストリートパフォーマーも結構いましたが、特に4月23日がカタルーニャの守護聖人サン・ジョルディの日(男性がバラの花、女性が本をお互いに送る日)だった為、贈り物用の花を並べた花屋が一杯ありました。
市場は通りを半分位行くと通りに面して入り口があり、中には果物屋、野菜屋(写真左、意外と整然としていた)、肉屋、魚屋さんが一杯店を広げていました。チェリーを買ってぶらぶらしていると、肉屋で子羊の脳味噌(美味しんぼでふぐの白子のようにうまいと言っていた)や頭のむき身(頭と顔面の皮剥状態、目玉付き)を売っていたのにはびっくりしました。

市場の後はガウディが設計したグエル邸(入場料300Psa/270円)へ。
ここはガウディが良き理解者でスポンサーでもあったグエルさんの為に設計した家で、室内は竜をモチーフにしたデザインが多用され、屋上はカラフルなモザイクを張り付けた裾広がりの高さ3m位の煙突と空調塔が18本建っている独特の家です。塔は緑のガラス、白いモザイク、白・青・赤の混合モザイク、レンガタイル等々貼ってあるモザイクやタイルの色がそれぞれ違い、なんとも独特でした。何にも似ていない作品です。
バルセロナの様な古風な町からガウディ、ピカソ、ミロのような今でも前衛的な作品を作る画家や建築家が生まれたのは不思議です。

グエル邸の後はランブラス通りを横切って、旧市街のゴシック地区へ。
スペインの古い町並みは、フランスの装飾が外壁に施されたロマネスク様式やロンドンのレンガの町並みとは違い、石作りの渋い中世の町並みでした。イベリア半島がその昔アラブの勢力に占領されていた頃の影響で、屋根にアラブ風の小さな「のき」が付いている古い4〜5階建ての建物もありました。
コロンブスが帰国後王様に謁見した王の広場を見た後、いかにもスペイン風のレアル広場/Plaza Realへ、ここは4階建ての建物がぐるっと囲んだ縦100m横50m位のヨーロッパの伝統的な広場なんですが、建物の外壁が薄い黄色で広場の中央には噴水があり、パームツリーがところどころに植わっているいかにもスペインといった趣の広場(写真下)です。ここにはガウディがデザインした街灯もあります。
広場のカフェアンボスムンドス/AMBOS MUNDOSでサンドイッチ(フランスパンにレタス+生ハム)(650pts/585円)と私はオレンジジュース(375pts/338円)、工藤君はカフェ(150pts/135円)で休憩。工藤君はここのカフェの濃さを「やっぱりカフェはこの濃さじゃないとね〜」と言ってニコニコして飲んでいました。
私はオレンジジュースを飲み終わったので、そろそろ行こうかと思ってそわそわしていたら、工藤君から「田中さ〜ん、ここはカフェなんだから、慌てなーい慌てない。のんびりするのがここのお作法なんだから」と注意されてしまいました。

太陽も顔を見せ始め、カフェでしばらくボーッとした後は、海岸にそびえ建つ高さ50mのコロンブス記念塔(250pts/225円)へ、小さなエレベータでとりあえず登って、町を眺めて写真を撮って、歩いて目の前にあるオリンピックの時に整備されたバルセロナのウォーターフロントPor Vell/ポート・ベルへ。ここは地元の若者にうけそうな服やスニーカーのショップや映画館がありましたが、我々には意味がないので、工藤君が7年前に行って感動した海岸沿いのシーフード屋台街まで歩いて行きました。が、跡形もなく無くなっていました..........。屋台は一軒もなく、店は道をはさんだ場所に常設店として移転していました。オリンピックの影響です。
工藤君が昔行ったシーフード山盛りの店(えびの王様/ レイ・デル・ガンバ/Rey del Gamba )も常設店として残っていて、えびの王様1に加え2もありましたが、昼時なのにお客が一人もいない!ずらっと並んだ他の店にもお客がいないのです。メニューを見るとそんなに高くないのにこれでは不気味で入れません。
ラテンの国ではお客が入っている店といない店がはっきりしていて、中途半端が無く、お客が入っている店はきまって安くてうまい店なのです。
念願のシーフード山盛りにありつけずガックリして海岸へ、地中海を初めて肌で感じましたが、潮の香りがしなくて、まるで湖のようです、日本の海では海草や貝殻がうちあげられていますが、それも無し。工藤君が海水の濃度が薄いのでは?と言うので、もしやと思って海水をなめてみると塩辛く無いのです、もちろん塩の味はしますが全然塩辛くないのです、工藤君曰く外洋に面していないし、海底火山もないから塩の濃度が薄いのではないかとの事でした。この後地中海の3つの違う海岸でもなめてみましたが、結果は一緒でした。

海岸の後はまたランブラス通りを経て散策。お腹が減ったので適当にレストランで食事をしました。このレストランはヘスシーレストランだったようで、メニューにはTofuステーキとかが載っていました、
私はバジリコ・スパゲッティ(1,124pts/1,012円)、工藤君はラザニア(1,172pts/1,055円)を注文しましたが、私のスパゲッティは日本の焼きそばのまねではないかと思うような、変わったスパゲッティでした(残してしまった)。食後は僕はオレンジジュース(290pts/260円)、ラテンの国ではオレンジジュース/フーゴ・デ・ナランハはフランス同様その都度絞る本格的なジュースなので高いけどおいしいです。工藤君はカフェ(100pts/90円)。

この後、またカタルーニャ広場まで歩いて行って、バルセロナ・ツーリステックバス(2日券1,800Psa/1,620円)に乗りました(写真左)。
このバスは市内の名所を巡回していて、17箇所のバス停を25分間隔で発着しています。このバスは2台に1台位は屋根無しダブルデッガーで、バスガイドの学生さん風(バイト?)のお姉さんやお兄さんが車内放送でスペイン語の他に英語で名所を説明してくれるし、観光名所の入場料の割引クーポンまでくれ、バスガイドのお姉さんは結構かわいいし(バルセロナは結構水準が高い)バルセロナ観光にはお薦めです(1/7〜3/21は運休、チケットは車内で買えます)。



サグラダファミリア見学


カタルーニャからこのバスの2階席に乗り込み、いよいよガウディの代表作サグラダファミリア(Sagrada Familia/聖家族教会)へ。2階席でバルセロナの輝く太陽と心地よい風を受けながら到着。
サグラダファミリアは着いてびっくり大迫力。
事前の知識では、暗い色で装飾がごちゃごちゃした未完の教会という印象しか無いのですが、やはり百聞は一見にしかず。合計8本の塔は空に向かってそびえ立ち、意外な程変化に富んだ色彩豊かな巨大教会でした。高さは106mもあり、1882年から建造中で完成まではあと100〜200年と言われているそうです(入場料500Psa/450円=割引クーポンを使わないと800Psa/720円)。
塔はエレベータ(200Psa/180円)で登れるようになっていて、上に登るとまた大迫力。ガラス窓も何も無いむき出しの塔の上から見てみると、塔の細部が良く見れ、こんな高い所にまでと呆れる程ガウディの多色モザイクが鮮やかに施されていました(写真左下。上に登る狭い階段にスリがいるので要注意です)。

細部にまで凝った作りと、外壁の石の色(サンドベージュ)とガウディのモザイクのコントラストは全体を遠くから写す写真には表現が無理だと思いました。

聖家族教会は民間団体なので政府の援助もなく、入場料と寄付だけが建築費の収入源なんだそうで二度びっくりでした。本当に増築を続けているのか疑問でしたが、工藤証言によると7年前にはなかった部分があったそうなので今後も増築は続くと思います。事実建築現場がありました。完成するとさらに高さが1.5倍以上になるそうです。

しばし正面を見上げられるベンチに座って半ば呆れながら見上げていました。

サグラダファミリアの後は、またバスに乗ってガウディの設計した分譲住宅地グエル公園へ。ここは郊外型分譲住宅を60戸建てる予定だったそうですが、交通が不便で3戸しか売れなかった未完の分譲住宅地です。実際売れたのは3戸のみ。1戸はガウディ、1戸はグエルさん、もう一戸が唯一の第三者のお医者さんだったそうです。
今では公園ですから綺麗に整備され、有名な曲線が美しい多色タイル張りのベンチには人がいっぱい座り、日光浴をしている人もいました。

グエル公園の後は私のリクエストでスペイン村へ。
スペイン村は92年のオリンピックのメイン会場があるモンジュイックの丘にあります。マラソンの有森選手がかけ上がった心臓破りの丘です。
スペイン村は緑に包まれたスペインの各地の有名な広場を再現した場所ですが、なにしろオリジナルを見た事がない私には、どう素晴らしく再現できているのかさっぱりわからず、全然感動しませんでした。
肝心の一番大きな広場ではリマの日本大使公邸の庭にはられたテントのような大きな屋根が張られ、丘の下でやっている見本市のスペイン主催のパーティの準備中でした。ここではちょっと見学してカフェで休憩しただけで帰りました。

スペイン村の後はバスで市内に戻りコロンブス記念塔前で下車し、またランブラス通りへ。
時間は8時過ぎ、日は傾いていますがまだ充分明るく、ラテンの国では夕食にはちょっと早い時間です。
まず、ランブラス通りのカフェでサングリア(ピッチャーで1,000Psa/900円=ワイングラスに8〜10杯位)を注文。サングリアはガラスのピッチャーに赤ワインを入れ、厚めのオレンジのスライス(1/4)、氷、砂糖を一緒に入れ、木のヘラでかき回してから飲むのがお作法のようです。
                
しばし行き交う人々を眺め、サングリアを楽しんだ後いよいよ夕食。日が暮れ9時を過ぎたのでレストランを探したら、良さそうな店は一杯、ガラガラの店はあくまでガラガラ。
いろいろ探したのですが良さそうな店はどこも一杯だったので、良い店には次の日に行く事にして、昼前にサンドイッチを食べたレアル広場のカフェAMBOS MUNDOS/アンボスムンドスに入りました。
サルスエーラ/Zarzuera(カタルーニャ地方の郷土料理で新鮮な魚介類の煮込み料理。香り付けにつぶしたアーモンド、ブランデー、にんにくを使っています。スープがサフラン風味で濃厚でおいしい)(1,200pts/1,080円)とパエリア・ア・ラ・マリネーラ(700pts/630円)を注文。デザートは私はレモン・ソルベテ(95pts/89円)、工藤君はクレマカタラーナ/Crema Catalana(カタルーニャの名物デザートで、冷たく冷やした焼きカスタードクリーム=クレームブリュレですが、絶品です)
これにサラダ、ビール、ミネラルウォーター、カフェも注文して2人で7,100ペセタ(6,390円)ですから安いものです。
料理の注文はさすがラテン好きの工藤様、メニューも読めるし基本的な注文用の会話は何の問題も無くできるのには感心しました。
パエリアは日本のサフランライスを炊飯器で炊いたパエリアとは全く違う味で、うれしくなりました。
時間はかかりますがあくまでもパエリア鍋でオリーブオイルと一緒に炊くのが基本。私たちが食べたのはパエリァ・ア・ラ・マリネーラ(イカ、ムール貝、手長えび等のシーフード入りパエリア。イカがプリプリでした)ですが、パエリァ・パレリャーダ(ブラウンソースベースのシーフード+チョリソ、豚肉、鳥肉入りパエリア)、パエリァ・アロス・ネグロ(イカ墨パエリア)もあります。パエリアはかなり一般的な食べ物らしく我々が吉野屋パエリアと呼んだパエリアのチェーン店の看板を町中で一杯見ました(帰国してPAELLADORというこのチェーン店のパンフレットをよくよく見ると、シーフードパエリアが1,150Pta/1,035円と書いてあったので、観光客向けの店のようでした)。

サラダ(レタス+緑&黒オリーブ入り)も食べました が、スペインではサラダには必ずオリーブオイルとワインビネガーが入った高さ10cm位のボトルが一緒に出てきて、お好みの量を自分でかけて食べます。これが結構いけました。
食後のカフェをまたまた工藤君はおいしいと言って飲んでいましたが、私にはおえっとする濃さ。体の節々が痛くなるんじゃないかと思う程でした。

10時位から12時までのんびりご飯を食べて店の前に出ると、広場のカフェは人で一杯。広場におしゃべりの声が響いていました。ランブラス通りのカフェも人で一杯。通りも一杯。み〜んなおしゃべり中です。夜中の12時過ぎの風景とはとても思えない風景です。よ酔っぱらいが一杯の歌舞伎町の12時過ぎの雰囲気とは全然違い、表参道のカフェに人が一杯いる雰囲気です。さすがラテンの本場です。
ラテンの国は昼間はシエスタ(昼寝をして)で鋭気を養い、夜は10時過ぎから盛り上がると聞きましたが、やはり本場は違います、内心呆れながらカヤルーニャ広場から黄色と白のツートンカラーの深夜バス(Nit Bus=ニート・ブス/170pts/153円、昼間のバスは赤白ツートンで130pts/117円)に乗って帰りました。

ホテルに帰るとロビーでもスペインの若者20人位がおしゃべり中でした。


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