あー おいしかった! まさに美食在香港
香港日記'99



食べる前

このツアーの日程は99年5月20日(木)〜22日(土)。
たったの2泊3日の香港旅行。しかし、またまた食べまくりました。

今回の旅の相棒は会社の同僚で「香港は多分11回目」と言う堀さん。このツアーの目的がスーツを作りに行くというちょっと信じられない人です(持っているスーツは礼服以外すべて香港製だそうです。このホームページの「新婚旅行RTW=世界一周」の作者で、「オビワンの部屋」という個人のホームページも持っています)。
僕はと言うと、今回は永年勤続の休暇を利用したミニ海外旅行で、香港は3年振り4回目。仕事でも行っているアメリカを除けば、今回で香港が海外最多訪問地になりました。
前回行った96年3月は返還の1年半前でしたが、今回はマカオ返還(99年12月20日にポルトガルから返還)の約半年前だったので、いつもカジノくらいしか行かないマカオをまじめに見ようと思って行きました(と言ってもポルトガル料理を食べるのが主な目的)。

実は僕は今回ハワイを狙っていて、相棒を探したんですが、GW明け直後ということで全然見つからず、それなら慣れた香港に1人で行こうと計画していたら、偶然堀さんが僕が計画していた全く同じ日にチケットを手配していることを知り、渡りに船とばかりに相乗りしました。相棒が香港フリークの堀さんなら大歓迎です。

出発は10:00成田発のANAで(堀さんはUAのマイレージ2万マイルを使ったフリーチケット、僕は堀さん紹介の香港人張さんが勤めているTLCツアーズで51,000円で購入)、ANAの機内の雰囲気はいつも通り国内線感覚。
ほんの少しでいいから、違いが欲しい位のそっけなさ。でもいつ乗っても日本の航空会社は安心です。
返還後の香港は不人気で、OLのブランドショッピングも最近はすっかりソウルにお株を奪われてしまったので、飛行機は空いている思い込んでいたけれど、意外なことに行きも帰りも満席に近い搭乗率でした。
機内上映映画は、魔女が普通の人間として生きようとするサンドラ・ブロック、ニコール・キッドマン出演の「プラクティカル・マジック」(帰りはミスタービーンのテレビ版を数本上映)。

機内食は「鮭そぼろご飯と野菜の焚き合せ」(画像左)と「中華風若鶏と白きくらげの旨煮、ライス添え」のチョイスで、鮭そぼろご飯は北海道の駅弁風でおいしかった(JALのしょうもない和風機内食より全然おいしかった。若鶏をチョイスした堀さんも「白きくらげとは知らなかったけど、妙に本場の中華っぽくておいしかった」と言っていた)。
香港は、ヨーロッパやアメリカのように10〜12時間位のロングフライトに耐える必要がなく3〜4時間で着いてしまうので、僕は2時間経った頃、もう着いてしまうと思うと急にわくわくしてしまった。やはり香港は手軽で良い。
しかし、その香港も夏は最悪。なにしろ亜熱帯なので湿度が90%以上はあたりまえで、気温も35度位にもなるので少し動いただけで汗だく。今回行った5月下旬は盛夏直前で(夏は6〜9月。ベストシーズンは11月。11〜4月なら暑くない)、天候不順の時期らしく
Yahoo!の天気予報では毎日雷雨でした。
でも、いくらなんでも朝から晩まで雷が鳴っていることはないだろうと思っていました。

香港のランタオ島にある新空港に到着したのは午後2時30分頃。
天気は予想に反して晴れてました。雷雨って何だ?と思いましたが、まあいいです、晴なら。
気温も意外と高くなく、やったね!と思う程の普通の感じで、しめしめでした。結局傘は2日目の夜に2分位使っただけでした。
ところで、香港の新空港/チェクラプコク空港は、でかくて綺麗。吹き抜けが高くて柱も少なくて見通しが良く、東京の有楽町にある東京フォーラムと似た感じ。かつての街中にあった古い啓徳空港とはまるで違います。
ここはボーディングブリッジがあるターミナルと入国審査をする到着ターミナルが別の建物(成田の第2ターミナルと同じ)で、ターミナル間の移動の手段は地下鉄になっていて、これはなかなか新鮮でした(イミグレの入国スタンプはてっきり中国のものに変わっていると思ったら、返還前と同じものだった)。
ちなみに、2005年に開業する事が決定した「香港ディズニーランド」が建設されるのも新空港があるランタオ島で、新空港がある同じ北東部の湾を埋め立ててできるという話なので、新空港の近くのようです。

さて、空港からの移動は、かつてのようにもわっとした空気の中に出て、携帯片手におやじが大声で車を手配しているタクシー乗り場で待つこともなく(あの喧騒も香港に来たことを実感させてくれて、今となっては懐かしいですが)、スマートなエアポートエキスプレスの駅が到着ゲートと同じ階にあって、すすすーっと乗れてしかも九龍駅までは2駅、たったの19分(60HK$,1HK$は16円)。駅の行き先表示が「目的地香港」となっているのを見て、やっぱり来るなら漢字圏!となぜか嬉しくなってしまった。

駅からはタクシーでキンバリーホテル(尖沙咀/チムサーチョイ金巴利道28。8,500円/2泊/1人、TLCツアーズで手配)へ。チェックインをして、堀さんとはスターフェリー乗り場で待ちあわせることにして別行動。
堀さんは早速スーツを作りにクーさんの店へ(信利洋服。Hyatt Regency裏の楽道/Lock Road沿いのセブンイレブンが入っているビルの1階=香港はイギリス式で、日本でいう1階はG、同じく2階は1階)。

僕はホテルから10分位歩いてスターフェリー乗り場まで九龍のメインストリート/ネイザンロードロード沿いに散歩。
この日の天気は曇り、時々晴れ間が見える程度で、気温も27度位でしたが、蒸し暑く、扇子を持ってきて正解と思わせる気候でした。
街角の食べ物屋の前を通ると中華料理の調味料の八角のような臭いが漂って来て、香港に来たー!っと実感。返還後の変化は、見た目ではホテルに香港特別行政区の旗と並んで中国国旗が掲揚されている程度で、その他はいつも通りの風景。
ロンドンバスの現代版みたいな2階建てのバス、
ドアに的士と書かれた赤いクラウンのTAXI、
道にはみ出したド派手な横看板、
どんなに高いビルでも竹で足場を組んである建築現場、
周りから聞こえてくる「マーー」と語尾に母音を付けて伸ばすことが多い広東語の独特の言い回し、
道を歩いている気が強そうな香港人OLやインド人、白人、黒人、はたまた荷車を引く香港おやじ等々
みんな愛すべき香港の風景の一部。自分はまた香港に来たんだ!と実感しながらぶらぶら歩きました(香港の中心部の地図は
こちら。香港観光協会のホームページはこちら)。

今回乗り場を待ち合わせ場所にした九龍半島から香港島へ渡るスターフェリーは、なかなか香港らしくて旅情を誘うのでお薦め。
香港島へ渡るのは地下鉄/MTRが早くて便利だけど、スターフェリーは10分弱の短い船旅とは言え、潮風を受けながら山をバックにそびえ立つ高層ビル群をのんびりと眺められるので、手軽に旅情が味わえます(1.7HK$、左の画像がこの日撮ったビクトリアハーバーを航行中のスターフェリーから見た香港島で、手前の船がスターフェリー)。

ところで、今回は、携帯電話をレンタルして持って行ったので別行動には便利でした。この携帯を借りるのは、
セゾンカードのサービスデスクに電話してレンタルサービス(Global Cell=Callではない)を申し込むと、予め携帯の電話番号が書かれた受け取り用のFAXを送ってきて、このFAXを出発当日に出発ターミナルの窓口に持参するだけで受け取れます。
この携帯(ちなみに香港では携帯は「手提電話」と言います)はヨーロッパやアジアの標準方式=GSM方式で、シンガポールテレコムの携帯を国際ローミングで香港で使うというもの。
レンタル料はいらないのですが、1日3分まで1,170円のミニマムチャージがあって、超過分は発着信関係なく1分390円とバカ高。充電器やバッテリーが袋に入ったレンタルセット=画像右はあまりかさばらないのでお薦めです(
auのcdmaOneのワールドパスポート対応携帯電話なら海外/香港、韓国、アメリカ、ハワイ、カナダでそのまま使えます)。
ちなみに、請求書は帰国後約2週間の6月4日にJBSコニュニケーションズという会社から郵送されて来て、僕の場合現地実質2日半で3分通話して、ミニマムチャージ込みで3,510円でした。安いもんです。

今回初めて行くチュンチャウ島/長州島のフェリーの乗り場はスターフェリーの香港島の埠頭から歩いてちょっとの所にあって、高速フェリーの便数も多く30〜40分で着きます(地図はこちら)。
このフェリー(画像左)はエンジンが左右にある双胴船で、やたらとばすので笑っちゃう位。
まるで南極の砕氷船みたいに波頭を越える時にどーんと船首が海上に落ち、左右には水しぶきがざばーっと飛び散り、なかなかスリルがありました。なにもここまでとばさなくてもいいじゃないかと思う程でした。
このフェリーはたったの20HK$/約320円/(1HK$=16円換算)で、おもしろいのでお薦めです(帰りは空気を船底から噴出して浮いて走るホバークラフトでしたが、船のくせに70〜80kmはでてるんじゃないかと思う位早くて、これもおもしろかった)。

長州島はYの字を上下対照につなげたような形をしていて、島の一番細いくびれた場所にフェリーが着くので、対岸まではものの3〜4分で行けます。

対岸に何があるかと言うと、そこは素朴な田舎の海岸で(画像左)、僕は海岸のお約束「素足でじゃぶじゃぶ」を一応してから(海水は暖かくはなかったですが、もうライフガードがいて、泳いでいる若者もいた)。
長州島は、高いビルはまったく無くて、車が禁止されているので、のんびりしていて、いいところでした。
地元のおっさんや、がきんちょを見ていると、「こんな所で自分とはまったく違う生活をしている人がいるんだなー」っとあたりまえのことを感慨深く感じてしまいました。

我々はしばらく地元の商店街をぶらぶらしてから、「海鮮料理屋」を探しました。
海鮮料理屋と言っても、屋台みたいなもので、水槽に魚を入れた魚屋と並んで建っていて、お客の注文に応じて魚を水槽から出して調理するスタイルです。もちろん自分で魚屋で買って持ち込んでもいいのです。
我々は海上生活者の船が一杯停泊している港沿いの海鮮レストランを物色して、適当な店(港に面した道沿いの店、画像左)に入りました。




食べ始めは海鮮料理

注文はメモを見せて終わり。ここで食べたのは、茹でえび(白 火句、虫下)、しゃこのこしょう揚げ(尿 虫下 椒 塩)、魚の蒸しもの、蟹の黒豆炒め(豆支 椒 肉 蟹)、菜の花炒め(炒 菜 心)。
茹でえびは茹でただけのえびですが、とにかく、ぷりぷりっ。これはものも言わず食べた。
日本のしゃこの3倍位あるしゃこのこしょう揚げ(画像左)は、熱いのを我慢しながら殻をむいてむしゃむや。殻が手にひっかかってひりひりしてしまった。
フィンガーボールにポーレイ/プーアール茶を入れて手を洗うとさーっと油がとれて、これなら飲んでも油がとれるはずと納得。
魚の蒸し物/清蒸海石斑は、はた/石斑をネギやしょうがと一緒に蒸したもので、隣の魚屋の太ったおばちゃんが網に入れてこれでいいか?と見せてくれたものを注文。
香港では新鮮な魚は蒸して食べるのが常識で、最近は日本の回転寿司も進出してますが、生魚はお粥に入れる時に使うくらい。新鮮な魚を蒸して食べるのは我々には珍しく、これも淡泊な魚の白身とネギと醤油があっていておいしかった。
蟹の黒豆炒めは、黒豆という調味料を使っているので濃いめの味付けで独特の風味。これもがしがし食べた。意外とおいしかったのは菜の花炒め(炒菜心、画像左下)。
日本の菜の花の茎の5倍はあるかと思うほどの菜の花を炒めただけののシンプルな料理ですが、これは茎がグリーンアスパラ並みの歯ごたえがあって実にうまかった。

我々は物も言わずがしがし食って、ビールも飲んで、ココナッツミルク入りタピオカも食べてお勘定は1人199HK$/約3,184円。安くて大満足。堀さんに香港島より3〜4割安いと聞いてなお大満足。

食ったら、即香港島にトンボ帰り。
長州島を7時45分に出港して香港島には8時15分に帰ってきてしまうのだから、お手軽なミニトリップじゃないですか?まあ、普通は行きませんけど、海鮮を安くのんびりと食べるならお薦めです。フェリー代を払っても安いし。

香港島に帰ってきてからは、今度は飲み屋さんのはしごツアー。
まずは、香港の六本木(と言っても不良外人はあまりいなさそうで、香港駐在のビジネスマンやワーキングガールが会社帰りに飲んでいる)蘭桂坊・ランカイフォンへ。
ここは小さな路地の坂道の両側に店が20〜30店位あるのですが、小さな路地にしては、白人集中率が異常に高い。
オープンエアの店が多いので、部分的ですが、まるでラテンの国の12時過ぎの広場みたいに白人のおしゃべりが路地に反響してました。

我々はとりあえず、返還前に有名だった「クラブ1997」へ侵入。今はポスト97という看板も出てました。店内は意外と静かで、食事もできる店でした。店内は白人ばかりで、カウンターで1杯だけ飲んで終わり。
その後は堀さんの提案で、せっかく元イギリス領に来たんだからパブに行こう、ということで、かなり迷いながらもコーズウェイベイ/銅 金羅 湾のBrewery Tap Pub & Restaurantというパブへ。

ここは店内のテレビでサッカーのVTRを流していて、お客も白人だらけで渋さはないけど雰囲気はなかなか。ここでは泡がクリーミーなアイリッシュビールを飲んでしばしのんびり。
朝起きた時は東京にいて、夕方は香港の離島にいたのに、なんでまた今は香港の白人の溜まり場にいるんかいな?と自問しながらも、満足して、地下鉄/MTRに乗って帰りました。
ちなみにMTRの座席はステンレス製のつるつるの座席で、これを見ると香港に来たことを実感する名物みたいなものです(画像右)。なにしろ隣に座っている人がいないと、ブレーキの度におしりが滑ってしまう程つるつるしていて、これならさぞかし掃除が簡単だろうと思ってしまいます。
MTRは中も広くて車内アナウンスは英語でも言ってくれるし、駅のエスカレーターも早くてなんだかうれしくなります。数年前までは駅の切符の自動販売機がお釣りが出なくて困りましたが、最近はお釣りが出るタイプがほとんどで(堀さんが20HK$紙幣しか受け付けないとブツブツ言ってましたが)、便利になりました。

この日は良く寝れました。