また香港に行ってきました。
2年振りですがもうこれで9回目。しかも今回はダイエット中なのに香港(爆)。
この日記はiPhoneのメモアプリを使って行きの飛行機の中で書き始め、帰りの飛行機の中で書き終えました。今、目の前に食べ終えた機内食があります(^^

今回の旅の相棒は3人。このうち1人は4年前も一緒に来た相棒、もう2人は始めての香港。
中華料理は4人で食べるといろいろ試せて、しかも割り勘で安くあがるのでベストフォーメーション。
香港に行く場合何回ご飯が食べれるかが非常に重要ですが、今回は朝2回、昼2回、夜2回なのでガイドブックやネット、それにAmazonでミシュランの香港マカオ版も買って研究して行きました。

12月13日(金曜日=中国語では星期五/シンチーウー。月曜日が星期一)
曇り 最高気温22度

初日は午前中に成田と羽田から別々に出発して現地のホテルで待ち合わせ。
私は10時10分羽田発、香港14時30分着のJALで(時差は日本時間マイナス1時間)、ホテルにチェックインしたのが16時でした。ホテルは九龍半島の突端のチムサーチョイ(尖沙咀)にある古いけどロケーション抜群のカオルーンホテル(九龍酒店)。香港のホテルで格式ナンバーワンのペニンシュラホテル(半島酒店)の裏です。
ホテルにチェックインしてからは成田発のキャセイパシフィック航空で来てほぼ同時にホテルに着いたお2人と一緒に散歩に出発。現地の気温は最高気温は20度。最低気温が14度で東京の最高気温と同じでした。日中は上着が無くても大丈夫でした。

香港に来たらまずスターフェリーに乗らないといけません(スターフェリー/天星小輪は1888年から運行されている歴史のあるフェリーで、運賃は平日2香港ドル=26円、土日2.8香港ドル=36円)。
九龍半島と香港島のセントラル(中環)との間のビクトリアハーバーを渡るわずか7分位の航海ですが、デッキの床や椅子が木製でクラシックな船内から山を背景に高層ビルが建ち並んだ香港島の風景、明るい海の色、狭いハーバーを行き交う船を見ながら旅情を味わえます。


潮風に吹かれながら思ったのは
「また来たぜ!香港!」。
深呼吸していよいよ今回の旅のスタートです。


香港島のフェリー埠頭からは歩いてセントラル(中環)に向かい、観光客はあまり行かない庶民相手の肉屋、八百屋、魚屋が並ぶノースポイント(北角)に二階建ての路面電車トラムで行く事にしました(途中、コンセントの変換アダプターを探しにアップルストアに寄ったら、クリスマス用らしき赤いTシャツを来たスタッフの多さと金曜の午後5時前なのにお客さんの多さにびっくり。ストア内はざわざわした雰囲気で日本の比較的静かな雰囲気とはかなり違いました)。
トラムは二階席がおすすめ。
香港は高層ビルが多くて空が狭くて二階席でないと景色が良く見えないしトラムと二階建てバスが行き交う通りの風景、香港独特の道にせり出した看板、漢字で書かれた広告を見ていると香港に来たことを実感します。
特にノースポイントの終点付近ではトラムが両側に八百屋や肉屋が建ち並び人だらけの冗談みたいな路地を進むので、見てるだけで楽しく、かなり刺激的です(雑踏の中を進むトラムがYouTubeにありました。この雑踏を抜けると終点のノースポイントです)。

ノースポイントで今回の旅の4人目の相棒と合流。いよいよ最初の夕食です。
この日選んだのは城市花園という古い団地の9号棟の2階というロケーションながら、ミシュランで一つ星を獲得しているレイガーデン(利苑酒家北角店)
ここは会社の前社長秘書に薦められて前回行って当たりだった広東料理屋さんです。
店内は金曜の夜に少しお高めのお店で食事を楽しむ地元の人で賑わっていました。ここもざわざわした雰囲気。体を冷やす事を嫌う香港人特有の茶わんやはしをお茶で暖める様子も見れました(はしは先端部分をお茶の中に直角に突き立てて暖めていた)。周囲のテーブルでは大きな土鍋で炊いた釜飯らしき物をみんなで食べている人が多かった。
我々のオーダーは、チャーシュー、アスパラ炒め、蒸しロブスター、茹で海老、豚角煮、海鮮チャーハン、マンゴープリン。ロブスターは店内の生簀(いけす)で選ぶスタイルでした。
最初に出てきたのはチャーシュー。





来てびっくり、まるでうなぎの蒲焼みたいに薄くて照りがあるのです。我々のチャーシューのイメージとは全く違います。
食べてみると確かにチャーシューですが、蜂蜜らしき甘みがありなんともうまい。どうしたらこうなるのか不思議な食感でした。
次に出て来たロブスターも、どうしたらこうなるのかと思うような”ふわふわ”な食感。
今までロブスターを食べてこんな感想を思った事は一度もありません。味付けはガーリックで食感が”ふわふわ”。うーむ、奥が深いと言うかさすが本場。調理方法が謎だらけです。





茹で海老はシンプルに茹でたものを手づかみでむしゃむしゃ食べるスタイルですが、新鮮なので味噌がうまかった。豚角煮は巨大でパイナップルの輪切りが一枚乗っていました。ハサミで十字に切り分けてくれましたが、幅は10cm、厚みが5cm位ありました。これまたどうやったらこんな厚い豚のブロック肉を調理できるのかさっぱりわからない程柔くて、味付けはフルーツの甘みを感じるタレがかかっていて、なんともうまいのです。
一緒に出てきたアスパラ炒めもしゃきしゃきしていて、香港に来たら野菜炒めは必須だと再認識しました。海鮮チャーハンはインディカ米(長粒種の米)を使っているのでパラパラの食感。これも食べ終わってお椀の中を見ると油がまったく残らない不思議な調理方法でした。
この店で残念だったのはデザートのマンゴープリンが単なるゼリーで果肉が無くフルーツ感がゼロだった事。中華のデザートは期待しない方がいいですね。他は大満足。
「買単(まいたん)」(広東語でお会計)はお一人7,150円(白ワイン一本、青島ビール4本込み)。満足度に見合った額だと思いました。

食事の後は海底トンネル経由でタクシーでホテルに帰り、ハーバー越しの香港島の綺麗な夜景を見たりジャッキーチェン等のスターの手形が並ぶアベニューオブスターズ沿いを散歩。最後にブルースリーの銅像詣でをしてから部屋に帰りました。ハーバー沿いでは有名ミュージシャンらしき路上ライブもあり、金曜の夜を楽しむ人で一杯でした。

ところで、食事とは関係無いですが、今回香港の若い女性の化粧がナチュラルメイクで薄く、ミュージシャンのアンジェラ・アキ並みの大きめの黒ぶちメガネをかけている人も多く、髪を染めている人も少数派で無造作なストレートヘアが多いのが気になりました。服装も地味。
香港の様な都会でこれでは、日本の化粧品会社やファッション業界の伸びる余地は中国大陸にまだ十分あると感じました(^^
あと、街にハイソな感じの奥様やエグゼクティブ風のおじさんがいない点も不思議。香港は所得格差が大きく明確にクラス分けされていて、生活エリアもはっきり分かれている感じがしました。




12月14日(土曜日=星期六/シンチーリュウ)
曇り後雨 最高気温19度

この日の予定はてんこ盛り。
まず香港では珍しい山奥の川龍村にある飲茶屋さんを目指します。
川龍村の端記茶楼褸は、数年前の鉄腕DASHの香港編で長瀬が行って「うめー!」と言ったのを見てネットで調べたら、遠いけど評判が良いので行く事を決めた店(地下鉄MTRツェンワン線でチムサーチョイから25分で着く北の終点ツェンワンから、ミニバスの80番乗り場から終点まで乗っても行けますが、この日はハイキング客で長蛇の列だっのでタクシーで行って50ドル。香港のタクシーは初乗りが20ドル=260円なので安い)。私は今回が4年ぶり2回目。
ここはお作法があって、まず席を決める(丸テーブルで相席が当たり前)。席が決まったら熱湯が出る蛇口のあるコーナーで急須・レンゲ・はし・取り皿を熱湯で洗う。最後に4種類あるお茶っ葉を選んでお茶をいれる。これがお作法で後はセルフで好きな点心、揚げ物、炒め物、お粥を選ぶだけ。
川龍村は水がおいしいので自分のお気に入りのお茶っ葉を持ち込む人もいます。
クレソン炒めはお店の目の前に見える畑のクレソンを炒めるので評判が良く、確かにうまかった。日本ではクレソンを炒める習慣が無いので非常に新鮮です。
その他の点心もうまく、クレソン炒めの大皿、蒸し物4つ、お粥4つ、春巻き2つ、お茶を楽しみ大人4人がお腹一杯食べてお会計は合計1,900円。一人475円!驚きのコストパフォーマンス。
また来るよね普通(^^

その後は買い物をしたり(香港は消費税が無くてコスメをお土産に頼まれることがあります)、ホテルに帰って休憩した後は、今度は海鮮を食べに香港の離島長州島(チュンチャウ島)へ出発。

ここは香港島からフェリーで30〜55分で着く香港では珍しい白い砂のビーチがある島で、海沿いに海鮮屋台が並んでいます。
海岸を散歩してからいつも行くホンキーレストラン(康記菜館)の海が良く見える席に座り、早速白髪のおじいさんにあらかじめ書いて来た紙を見せて季節の青菜炒め、白身魚の蒸魚と蟹のXO醤炒め、青島ビールをオーダー。
珍しい青島の大瓶のビールを飲みながらの風景写真を撮ったりして待ちました。




ところが30分以上経っても何も料理が出て来ないのでおじいさんに「ハリーアップ!」と言ったら「ノーオーダー」と言われてびっくり。
改めてオーダーしたけど、来たのはきのことブロッコリー炒めだけ(味はうまかった^^)。
頭に来て試しに「買単(まいたん)!」と言ったらあっさりお会計になり、全部で1,400円払っておしまい。
なんと再オーダーも通っていなかったのです。後で冷静になって考えると、おじさんの後に若いお姉さんがオーダーをとりに来たので、おじさんはオーダー内容を事前に確認しただけだったようでした。
まあ、旅にはハプニングがつきものです(^^;;
海鮮を食べるために離島まで行ってきのこしか食べないとは完全に想定外でした(^^;;

次は最後の夕食。
スターフェリー埠頭近くの香港最大のフルーツ系スイーツチェーン店のホイラウサーン(許留山)に入ってマンゴープリンを食べながらミシュランやガイドブックで選んだレストランに6〜7店電話して予約をしようとしたら、土曜日の夜なのでどこも満席。
職場の香港通が薦めていた屋台にしようかと思ったら、JTBのガイドブック(「ララチッタ香港・マカオ」)に「上海蟹を1年中味わえる杭州料理の名店といして名高く、美食メニューが揃う」と紹介されていたジョーダン(佐敦)にある天香褸が予約できました。12月は上海蟹の旬なので食べるなら今です。
しかも、ジョーダンならこの日の夜行く女人街まで歩いて行けるのでロケーションも好都合でした。
駅から10分位歩き、予約でもしない限り絶対入らない雰囲気の店に入り、空芯菜炒め、上海蟹の味噌とフカヒレのスープ、上海蟹の味噌あんかけ白ご飯かけ、回鍋肉をオーダー。
蟹味噌フカヒレのスープは1人前で4〜5匹分の味噌と蟹肉をほぐして作ったスープの風味が濃厚でフカヒレの量もかなり多くて大満足。上海蟹の味噌あんかけもなんとも濃厚でうまく、空芯菜もしゃきしゃきしていて満足。
回鍋肉の肉は豚のロースの薄切りを長方形に切り揃え、野菜もキャベツではなく白菜を使っていて日本との違いを知り良い話のネタになりました。食後お茶を飲みながらここは当たりだったねーと話していました。


ここまでは良かったのですが、問題はお会計。なんと46,020円だったのです。
一人11,505円!
味噌入りフカヒレスープが19,000円だったのです。。。1人前で4〜5匹分の味噌と蟹肉をほぐして作ったスープだからかあ。。。
高そうな物は確認したのにこれだけ確認しなかったのがうかつでした。
やってしまった感をかみしめながら店から出ると、外は雨。

雨の中女性物を扱う露店が続く女人街を目指してくてく歩きましたが、雨脚が強くて水たまりができるほど。
どんどん熱意が失せて来て、傘を持っているので買い物もしずらく、コピー商品を冷やかしたり占い横丁で占いでもしてもらおうかと考えていましたが、雨がモチベーションを完全に奪ってしまい、女人街を通過しただけで終了。
この日の午後は残念ながら後味が悪かった。



日本に帰って来てからネットで天香樓を調べたらブログで紹介している人がいました。
このブログの書き出しは
「香港で一番有名のレストランの一つ。。特に上海蟹の有名店」
最後は、
「今夜のマイタンは4名で6,000香港ドルだった。高いが、美味しいので星5つ。。。」※6,000香港ドル=約76,000円
となっていたので、もしかして我々は超高級店に入ってしまったのかと思ってさらに調べると、天香樓のFacebookがあってここに最近”全港No.1人気”が売り物のタブロイド新聞の「頭條日報(HEADLINE DAILY)」に紹介された時の記事が紹介されていました。
内容は、
天香樓係香港最老牌「富豪飯堂」之一,吸引無數名人前輩光顧・・・」
翻訳ソフトによると
「天香樓は香港の最も著名な「富豪の食堂」、無数の有名人の大先輩にご愛顧賜るように引きつけて・・・」
どうも我々は”有名で””富豪や有名人が行く”老舗高級店で、1人前に上海蟹の味噌や蟹肉を4匹も5匹分も使う豪華な上海蟹料理をアラカルトで2品もオーダーしておきながら、高いと文句を言っているようなのです。
こんな有名な高級店ならもっと味わって食べれば良かった^^; 「富豪飯堂」とは恐れ入りました。少なくとも、ぼられたとか高過ぎると文句 は言うべきじゃないと思いました。勉強になりました。


12日15日(日曜日=星期天/シンチーティエン)
曇り時々雨 最高気温19度

あっけなく最終日。
帰りのフライトは15時20分発なので午前中はのんびり散歩。
スターフェリーで早朝のビクトリアハーバーをまた往復して潮風に吹かれながら好きな風景を目に焼き付けました。
香港島に着くとセントラルの一角に週に一度の休日をおしゃべりして過ごすフィリピン人のメイドさんが何千人もいました。彼女たちが本国の家族に送金する額は半端ではなくフィリピン経済を支えているそうです。

九龍半島にもどり下船する時
「あーあ、終わってしまった」
とため息混じりの独り言を言ってしまいました(^^;;
朝食は前夜高く付いたので安パイの日本にもあるけど味がまるで違う唐朝に決定。
ここのメニューは大きなカラー写真付きなので安心です。朝なのでピータン粥、大根餅(日本の大根餅と見た目は同じなのにもちもち感が無く海鮮の風味があってまるで違う味)、エビ餃子、シュウマイ、マンゴープリンを注文。どれもうまく特にエビ餃子はぷりっぷりで大満足。香港に来てこれを食べないなんてあり得ません。香港の人のエビのぷりぷり度に対するこだわりを感じました(香港の人はエビのぷりぷり度と野菜のシャキシャキ度にこだわり、日本人はもちもち感と歯ごたえにこだわっていると思う)。


唐朝は東京の青山に初進出して今では日本橋にもありますが、日本の唐朝のエビ餃子はエビが一つ一つバラバラでぷりぷり度が低くて残念でした。

ちなみに、中華圏のラーメンはうまく無い事を百も承知でワンタン麺も注文しましたが、唐朝も駄目。麺は細すぎてもちもち感ゼロ。しかも食べていると麺がぶつぶつ切れるのです。スープも干しエビのもどし汁みたいでうまくなく、中華圏のラーメンはいつ食べてもどこで食べても駄目。もう確認するだけ無駄。ラーメンは立派な日本食です。




熊本の味千ラーメンは既に中国大陸で成功していますが、香港に新宿の行列が絶えないつけ麺の「麺屋武蔵」が進出した様で「麺屋武蔵 日本殿堂級拉麺名店」と書かれた大きなバスのラッピング広告を見ました。どんどん進出してラーメンのおいしさを教えてあげて欲しいです。さらに中国発のおいしいラーメンを食べてみたいものです(広東麺は広東料理にはありません。スパゲティナポリタンがイタリアのナポリに無いのと一緒で日本オリジナル料理です^^;;)。ここはたっぷりのお粥3杯、エビシューマイ4つ、エビ餃子4つ、大根餅2つ、ワンタン麺1杯、マンゴープリン2つでお一人1,400円でした。
その後は散歩や買い物をした後、ホテルをチェックアウトして空港へ向かいました。



香港国際空港で搭乗待ちの時、今回初めてだったお2人に感想を聞いたら
「今回食べた全ての物が今まで食べた中華を超えていた」
「日本の中華料理は日本人向けにチューニングされているのが良くわかった」
「中華の評価のレンジが一挙に広がった」
との事。
お2人共に中華料理の評価のハードルが上がったのは間違いないです。

私は9回目なのにハプニングが連続した事に驚きながらも、良い教訓=確認の重要性を再確認しました。特に現地に慣れて来て警戒心が緩むスケジュールの後半が要注意です。
しかし、蟹味噌はうまかったのは間違いなく、騙された訳では無いので良しとします(^^
今回もおいしかった。

また行くぞ香港!
この日記を読み返していたら、もう行きたくなって来ました(爆)

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