5月23日第500回OEK定期公演PH

5月23日オ−ケストラ・アンサンブル金沢第500回定期公演PH
指揮:広上淳一、薩摩琵琶:久保田昌子、篳篥:中村仁美、ソプラノ:経塚果林、メゾ・ソ プラノ:石田きらら
テノール:工藤和真、バリトン:池内響、オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団
石川県立音楽堂コンサートホール

酢谷琢磨

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オーケストラ・アンサン
ブル金沢第1回定期公演
 右図はオ−ケストラ・アンサンブル金沢(OEK)第1回定期公演プログラム表紙であり、指揮は天沼裕子、バイオリン:田 中千香士。演目は、ミヨー/バレエ音楽《世界の創造》、ベートーヴェン/バイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61、シューベルト/協奏曲 第五番 Op.D485であった。  さて、「広上淳一の指揮のもと『歓喜の歌』が高らかに鳴り響く」と題する第500回OEK定期公演PH。OEKの進化の実感と共に、池辺晋一郎:交響詩《豊穣の道》にも期待して、石川県立音楽堂コンサートホールへ向かった。

   プレトーク、ロビー・コンサートは無かったようだ。

 コンサート1曲目は、池辺晋一朗:交響詩《豊穣の道ー薩摩琵琶、篳篥とオーケストラのための》。OEK弦楽5部は10-8-6-5-3の対象配置。三島由紀 夫には『豊穣の海』があり、池辺晋一郎さんは交響詩《豊穣の道》である。薩摩琵琶の通奏低音と共に篳篥が一声を放ち、Timpが開始を告げる。薩摩琵琶・篳篥の演奏と室内オーケストラとしては大 型のOEKとの交互の協奏で、穀物が豊に実る道を表現。池辺さんの力作をマエストロ・広上淳一が体を大きく使った指揮で音響的にも壮大な交響詩に仕上げた。Flソロがあり、Coda前にはXyl(木琴) も加わり、イントロが戻り終了。尚、欲を言えば篳篥協奏曲ではなく、交響詩なのだから薩摩琵琶の平家物語的ソロが欲しかった。一般的には曲後作曲者は舞台に上がるのだが、今回池辺さんは登場 しなかった。彼の話が聞きたかったのだが。

 休憩を挟んで2曲目は500回記念ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱付き》。先ずオーケストラ・アンサンブル金沢合唱団が登壇。OEKはCb4、Hr4、コントラFg1、Tb3に増員。第1楽章Allegro ma non troppo e un poco maestosoはHrの通奏低音で始まり、 第1主題ファミレラソミラ。CDで聞くとこの持続音は余り聞こえないのだが、音楽堂の音響の良さはこれを長く響かせたのはHr4の効果なのであろうか。第2主題は第4楽章で現れる「歓喜」を暗示し、 第1主題のユニゾンで終了。第2楽章Molto vivace - Prestoは、ラッララララと弦楽のユニゾンと切れ味鋭いTimpで開始。中間部はスケルツオ。OEKは今年のガルガンチュア音楽祭で聞いたミュンヘン・ゲルト ナープラッツ州立劇場管弦楽団が演じた割れんばかりの強音fffを披露。Obソロあり、三部形式スケルツオの最終部分で終了。ここでソプラノ:経塚果林、メゾ・ソプラノ:石田きらら、テノール:工藤和真、 バリトン:池内響さんが登場着席。経塚果林さんは石川県出身だそうだ。第3楽章Adagio molto e cantabile - は天上の音楽を思わせる綺麗な緩徐楽章。hrの四重奏、hrのソロ、Tpのファンファーレ でカンタービレ。三連符の伴奏に乗ってターンタタレと静かに終了。Attaccaで第4楽章に続くと思いきや一旦休止。広上流である。第4楽章Prest - Allegro assaiは、ララレーレファファララレで 開始。p指定Cbのユニゾンは、何処で鳴っているのか探す必要は無い。4台でも十分聞こえる音楽堂の音響の素晴らしさだ。さて、バリトン:池内響さんによる"O Freunde" が始まった。声量豊かなるバリ トンである。呼応する合唱も120名程度のアマチュア合唱団にしては声量豊かで素晴らしい。私は、以前地元の演奏会ベートーヴェ:《ミサ・ソレムニス》に参加し、イントロのD(レ)音が種々あることに びっくりしたことがあった。今回のオーケストラ・アンサンブル金沢合唱団はオーディションによって選出されたそうだが、レベルが上がっていることを実感させる力強い演奏であった。ソプラノ:経塚果 林さんのコロラトゥーラぶりをうかがわせる箇所もあり、歓喜の合唱は音量豊かに進行。"Freunde schoner Gotter-funken! Gitter funken!"と感動的に終了。500回記念を祝福した。ベートーヴェン:交響 曲第9番《合唱付き》の演奏会では一般的にアンコールは無いのだが、今回はこれも広上流、坂本龍一:《Aqua(水)》が弦楽とFlで演奏された。マエストロ・広上が言うように 非常に綺麗な曲であった。

 私は、ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱付き》を歌いもし、しかも何度も聞いたが、聞く度に音楽堂コンサートホールの音響の良さを実感する。桂冠指揮者井上道義さんは「ホールの音響バランスを考慮しなければな らない」と言っていた。OEKはフィルハーモニークラスの特別演奏会を開催することが増えてきているので、「ホールのバランス」を考慮した演奏会を目指して欲しいものである。 
Last updated on May 23, 2026.
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