5月4日ガルガンチュア音楽祭2025C41

5月4日ガルガンチュア音楽祭2025C41
ヘンリク・シェーファー指揮デンマーク国立フィルハーモニー管弦楽団
石川県立音楽堂 コンサート・ホール

酢谷琢磨

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 ガルガンチュア音楽祭2025。デンマーク国立フィルハー モニー管弦楽団が来日し、シベ2、即ちシベリウスの交響曲第2番を演奏する。マエストロ・ヘンリク・シェーファーが如何にシベリウスのロマンチシズムを指 揮するかに期待して石川県立音楽堂へ出掛けた。

 コンサート1曲目はシベリウス:交響詩《フィンランディア》。弦楽5部は10-8-6-6-4の通常配置で、Vcが手前、Vaが中央。Hr4、Tp3、Tb3、Tub1。堂々たる イントロに続き、一転して安らかな心境で決起するのだが、風雲急を告げ、独立戦争。勝利を確信し、中間部は「第2の国歌」、即ち「フィンランド讃歌」。Kick (バスドラム)も加わり喜びの民族族独立讃歌で終了。堂々たる交響詩であった。
 
 コンサート2曲目は、シベリウス:交響曲第2番。第1楽章Allegrettoはタタタ タタタ タタタラタタの第1主題で始まる。ローマの建築と美術がパレストリーナ の音楽と共に結実したという、ピッチカートあり、Flソロあり、Obソロありと華やか。曲は金管楽器と共に高揚。第1主題が戻り静かに終了。ロマン派及びロシア音 楽への傾斜が見られるという第2楽章はTempo andante ma rubato。ma rubatoは「しかし、テンポを自由に揺らす」の意。Cb後Vcのピッチカートで開始。Fgが続き、 金管の迫力有る揺れの後静寂が訪れる。それも束の間Tp、Tb、Tubが咆哮し、一旦停止の後VcとVnの揺れで終了。第3楽章Vivacissimo - attacca;は文字通り「非常に 活発に」。序奏の後Obソロが絶品。続いて弦楽のVivacissimo。高揚しattaccaで第4楽章に続く所はロマンチシズムの真髄ブラームスを凌駕する曲想。第4楽章Finale. Allegro moderatはタタタ タタタ タータタの第1主題。この変奏を挟み、再び第1主題。Obソロも効果的。変奏であるタタータタタータをTpが演奏し、コーダに移 る。古代ローマの勝利と結びついたフィンランドの民族独立の予感を感じさせ、感動的に終了した。マエストロ・ヘンリク・シェーファ指揮デンマ−ク国立フィルハー モニー管弦楽団の熱演であった。

 アンコールは時間の制限からか無し。さて、この布陣で圧倒的音量を奏でるデンマーク国立フィルハーモニー管弦楽団を聞いていると、OEKへの期待も膨らむ。特に10 月のマーラー:交響曲第4番に期待したい。


Last updated on May 04, 2025.
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