ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2014公演番号322としてモディリアーニ弦楽四重奏団による、ドヴォルザークと
ドホナーニの弦楽四重奏曲。昨年は大人しかった、若々しいモディリアーニ弦楽四重奏団の成長振りと、金沢プレミエのドホナーニ:弦楽四重奏曲に期待して石川県立音楽堂出掛けた。
コンサート1曲目は、ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」。第1楽章Allegro ma non troppoは、ビオラによる主題の提示で始まる。中間部はモディリアーニ弦楽四重
奏団に加わった、華麗さと、力強さが聴衆を魅了する。チェロも力感あふれる演奏。第2楽章はLento。チェロのピッチカートと弦3部の綺麗な出だし。第1ヴァイオリンも上手い。ヴィ
オラのピッチカートもあり、フィナーレは第1ヴァイオリンのピッチカートで終了。将に「アメリカ」である。第3楽章Molto vivaceは、第2ヴァイオリンによるイントロ。彼も中々上
手い。中間部ではヴィオラとチェロのDuoもあり、綺麗。第4楽章Finale(Vivace ma non troppo)は、早くて軽快。中間部は緩もあり、多彩。早い演奏では、アルバン・ベルグ弦楽四重奏団に引け
を取らない。フィナーレも堂々と念を押して、終了。モディリアーニ弦楽四重奏団はドヴォルザークを華麗に弾き熟した。
2曲目は、ドホナーニ:弦楽四重奏曲第3番。ドホナーニはプログラムによれば、「20世紀を代表するハンガリーの作曲家」とのこと。第1楽章Allegro agitatoは、バルトーク風で、
劇的で、しかも現代的。ヴィオラ・ソロを挟み、力感溢れる内容。若々しいモディリアーニ弦楽四重奏団の得意とするところだろう。ドホナーニの演奏ではアルバン・ベルグ弦楽四重奏団以上であ
る。第2楽章はAndante religioso con variazioni。プログラムにある通り、確かに変奏曲風。曲想が変化する内容。中間部には珍しい第2ヴァイオリンによるオスティナート。第3楽章
Vivace giocosoは早くて、プログラムにある通り鋭い。走りっぱなしかと思うと、引くところも上手。圧巻の演奏でフィナーレ。ドホナーニの演奏では、Bestの内容であったのではと思われる。
アンコールは無し。しかし、プレミエのドホナーニは絶賛であった。ブラボー。
Last updated on May 06, 2014.