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安永徹、市野あゆみさんのおしどり夫婦によるモーツァルト、バッハ、シューベルトの演奏会。特に、シューベルト
の交響曲第3番は珍しいので石川県立音
楽堂に出掛けた。
プレ・コンサートはピアノ三重奏曲が演奏されていたらしく、私が着いた時には「ロンドンデリーの歌」が演奏されていた。
ピアノ三重奏で聞くと立派なクラシカルであることが分かった。
コンサート1曲目はモーツァルトのピアノ協奏曲第22番変ホ長調。
21日の第21番は、以前実施済みだけに、本日は第22番。第1楽章Allegroについては、プログラムにある冒頭の「壮麗な総奏」は物足りなかったが、
市野あゆみさんのピアノは快調。第2楽章Andanteは哀愁を帯びた出だし、ハ短調である。第3楽章は、第1楽章と同じ変ホ長調に戻り、
軽快なロンドと中間部におけるのプログラム記載の「絶美の歌」が素晴らしく、最初のテーマに戻り終曲。OEK(オ−ケストラ・アンサンブル金沢)は弦5部が8-6-4-4-2で、市野さん柔らかさの増したピアノと調和し、
綺麗に仕上がった。私は以前から定期公演プログラムで調名表記と速度表記が消えているのを指摘している。その欠点は、各楽章ごとの調名表記と
速度表記を記載しないと、プログラム記載表記と齟齬を生じる恐れがある。今回は、第2楽章のハ短調については記載あったことは良しとするが、
今後は全楽章記載に改良して欲しい点である。尚、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番では第22番と逆で、ハ短調-変ホ長調-ハ短調と変化する。比較して
聞いてみたいものである。
休憩を挟んで2曲目は、バッハのヴァイオリン協奏曲第1番イ短調。この前、西澤和江さんによる第2番を聞いたばかりなので、重複
しなくて幸甚。この曲は、イ短調-ハ長調-イ短調と変化する。第1楽章(Allegro moderato、括弧は楽譜の指定ではないことを示す)は出足快調。
第2楽章Andante、ハ長調は、重厚、厳粛で中々良い。第3楽章Allegro assai、イ短調は、生き生きとした舞曲で、短い15分
足らずの協奏曲は終了。私は、この曲をコンサート1曲目に持ってきて、2曲目をモーツァルト。休憩を挟んでシューベルトのほうが良かったと
感じたが、如何であろうか。
3曲目は、珍しいシューベルトの交響曲第3番ニ長調。第1楽章Adagio maestoso; Allegro con brioは、唯一の長い楽章である。
指揮者がいないのに中々の出来映え。これは、安永徹リーダーの弾き振りがしっかりしていたことが原因であろう。短い第2楽章Allegretto
は、プログラムにある「シューベルトらしい人懐っこさ」が充分感じ取れる軽快な楽章。第3楽章Menuetto:Vivaceは、3拍目(1拍目のよ
うにも聞こえた)の強烈なアクセントが印象的。第4楽章Presto vivaceは切れ味鋭く演奏され、06−07シリーズのフィナーレを見事に飾った。
アンコール曲はグリークのホルベルク組曲前奏曲とのこと。弦のみで、いかにも北欧的と感じられる綺麗な曲であった。終了したのは、
8時15分頃で、サッカーAFCアジアカップ2007準々決勝「日本×オーストラリア」の結果を気にしながら家路を急いだ。帰宅して、
中澤のPK戦決勝ゴールを見れたのも、更なる至福であった。
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