あのプーランクで有名なパスカル・ロジェが来るというのでコンサートに出掛けた。最初の曲であるプロコフィエフの2つのヴァイオリンのためのソナタは、ギドン・クレーメル、
庄司紗矢香のCDで有名なプロコフィエフのヴァイオリンソナタを連想し、期待したのだが、プロコフィエフの片鱗は伺えたものの、ヴァイオリンソナタには及ばなかった。
これは、演奏者のせいではなく、曲のせいである。
2曲目はベートーヴェンのピアノ三重奏曲大公である。有名な曲なのでこれも期待していたのだが、結局ベートーヴェンのしつっこさに感心。更に演奏時間が長く、演奏もやや重かったが、
ベートーヴェン好きの人には好評だったようである。私自身は、もう少しディヴェルティメント風な軽やかさがあった方がよかったと思った次第。
休憩後はパスカル・ロジェがピアノを弾くフォーレのピアノ四重奏曲第1番。これは池辺晋一郎さんが言うフランス組曲の「洒脱さ」が十分発揮された絶品。
特に、ピアノ、第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのソロが綺麗で、しかも4重奏曲としてのバランスが絶妙であった。アンコール曲は掲示がされなかったので、プーランクかフォーレか
分からなかったが、これも洒脱さが発揮された逸品であった。
尚、今回のコンサートでは楽章間に入場者を入れた為、次楽章の演奏開始が遅れるという不手際があったこと。又、アンコール後鳴り止まぬ拍手の中、しかも演奏者がカーテンコールとして
舞台に出てきているにもに拘わらず、ぞろぞろと帰る人がいたのが気になった。
演奏者に対して非礼である。十分注意したい。
Last updated on Aug. 26, 2005.