1873年11月ブラームス自身が初演の指揮をしたといわれる最初の曲であるハイドンの主題による変奏曲は、
イントロの遅いテンポに感心。アバドであればさらりとやるのだろうなと思っていると、いつの間にか
本来のテンポに戻り、しかもメリハリもあり好演。若いオーケストラ団員が懸命にクリストフ・エッシェンバッハ
の指揮に従って演奏しているのが良く分かった。2曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、独奏者の若手エリック・
シューマンが使用したストラディヴァリ「ドラゴネッティ」の音について最初違和感(金属的な音、1Hz程高かったのか)がしたが
すぐ回復。第2楽章、第3楽章を無難に演奏。彼はメンデルスゾーンのような叙情的な曲が得意なのかと思ったら、アンコールで弾いた
クライスラーによるレシタティーヴとスケルツォで面目躍如。このエリック・シューマンは将来飛ばし弓で名高い
ギドン・クレーメル級のヴァイオリン独奏者になるのではの感を深くした。
休憩後のブラームスの交響曲第4番は、これもイントロのテンポが素晴らしい。クリストフ・エッシェン
バッハは強弱は余り強調しないが、テンポのとり方に特徴があることが分かった。従って、アンコールの
ブラームスによるハンガリー舞曲第5番でも微妙なテンポに感心。アンコール2曲目スメタナによる
「売られた花嫁から」は、ハンガリー舞曲に比較すれば平凡。出来ればクリストフ・エッシェンバッハ指揮の
ウインナーワルツを聞いてみたい感がした。
以上のようなコンサートであった訳だが、このような大きなオーケストラを聴くと何故外国で簡単に
出来ることが金沢では出来ないのか、すなわち
オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)もそろそろ管弦楽団に脱皮できないのかとも思うが、室内管弦楽団も
捨てたものではないとも思うし、複雑。
Last updated on Jul. 30, 2005.