○● 読書感想記 ●○
2003年 【8】
30 | 『学校を出よう! 3』 谷川流 著 出会いと別れ、出会いと別れ……を繰り返すことで共感を得ているのかな、と。 やっぱり「別れ」には寂しさが伴いますし。 どことなく哀しい雰囲気が流れている(と感じる)のは、そのせいかもしれません。 舞台を1巻と同じ第三EMP学園に戻したのはさておき、そうなると2巻の意味合いが、ちと分からないでいたりします。 このあとの展開に何か関わってくるのでしょうか……? 部分的に2巻を引用していた箇所はありましたけれど、わたしの中では1巻の続きは3巻なのですけど。 2巻の物語としての価値は分かる反面、『学校を出よう!』という流れの菜かでの位置付けが……ということで。 芽衣子がいざといときになって己の孤独に気付いたのと同様に、佳由季も同じ孤独を感じてる……というのは、何らかの引き、でしょうか。 えーと、能力者の悲哀というかー。 宮野くんも「他人がどう思っていようが構わない」という点から、個人として存在することを求めているワケですし。 まー、今回の話などは「誰かを必要としている」という展開で、孤独の寂しさを表したものとも言えますでしょうか。 宮野くんの性格はハルヒを思い浮かべるのですけれど、ああいう性格は助演だからこそ映えるのかなぁ……と思ったり(^_^;)。 でもハルヒより、己の行為について理解している旨が認められますよねー。 責任を取るというか。 とりあえず、佳由季の鬱状態が進行しないことを願います。 |
29 | 『サンプル・ジェミニ 天翔る戦女神』 対馬正治 著 しごく真っ当な物語展開だと思いました。 物語の入りと、それを受ける形での中盤、そして転換点のミッドポイントは葛藤を求め、ラストはやはり物語の入りに意味ある変化をさせた状態で引く。 すごく構造が整えられてるなぁ〜という感想です。 だからこそ、読んでいても素直に受け入れられるというかー。 1巻で収められるだけの設定を過不足無く取捨選択していると思いますし。 物語を展開させる上で、どこかに意味あるように配置しているといいますか。 その設定の昇華についても、怒濤のように説明するのではなく、主人公が体験していくスピードに合わせて語られているのも、また心地よいです。 読み手であるわたしも素直に受け入れられるカンジ。 このペースって大事だと思うんですヨ〜。 主人公・宙美の心情描写は……。アクションシーンが多くなってしまった後半で少々物足りなくカンジもしましたけれど、主義主張は伝わってきましたし、彼女の立場を示すためにあれ以上の描写は必要ないのでしょうね。 真実を知ったあとで、家族のこととか、わたしとしては思いやって欲しかったですけど(^_^;)。 それ以降は、ちょっと人類愛・地球愛というような大きな愛に動いちゃったような気がして……。 でも、そこまで描いたら、蛇足ですね、きっと。 それにしても、あのラストは、これしかないってくらいにわたしが望んでいた落とし方だったので嬉しいったら! あのラストだけで+10点ですよ(≧▽≦)。 |
28 | 『学校を出よう! 2』 谷川流 著 『ハルヒ』よりコチラを推す人が多いの、何となくわかりました。 2巻までの様子を比べると、キャラの『ハルヒ』に対して、物語の『学校』というカンジが。 でもって『ハルヒ』のほうはキャラ設定を消化して展開していくのに対して、『学校』のほうはベースに新しい素材を上乗せしていっているカンジなのです。 スタートが悪くても長丁場のレースになれば勝機は充分になるという選手……でしょうか。 ワクワク度からいっても、最初のページをめくったときのそれは、『ハルヒ』より大きかったですし。 ただ、どうしても設定に固執しているようなきらいがあるんですよね……。 そもそもガジェット自体には(今作に限って言えば)目新しさは無いわけで。 説明が必要なガジェットだとは分かるのですけれど、あえて言うならば、もう少し平易な説明の仕方はなかったものかと……。 説明文による種明かしにしてもそうですけど、書くこととで(もっと限定的に言えば「自分が書くだけで」)読者は納得してくれるものだと思われているのかなぁ……。 たしかに著者は作品を上梓するうえで最大限の権利者だと思うんですけれど―― 「あらかじめ断りを入れておくが、この二人は掛け値なしに同一人物である」 ――の説明で納得してもらうのは、少々強引かなと思いました。 神様がそう言うなら、疑う余地無くそうなんだろう……と、読み手としてはなんとも寂しい気持ちに。 このあとで検証はされますけど、そもそも「同一人物」が「二人」という言葉は矛盾以外のなにものでもないわけで。 実際にもこの二人は数日の差をもって「同一の人物ではない」のですから。 あと、思考パターンが同じであると言いつつ、決めごとをするときに「ジャンケン」で決着がつくというのはいかがなものかと……。 同じ考えに至るなら、ジャンケンではあいこになってしまうような……。 細かいトコ、気にしすぎですか?(苦笑) あ、あと思ったのは、1巻を読んですぐに2巻を読まないほうがいいのではないかと。 1巻の登場人物を、世界を、設定を気に入って手を出すには、あまりにも違いすぎる気がするのです(大袈裟ですか?)。 谷川流という著者を好きだと思えるようになるまで、じっくり待つことをオススメします。 文章力は間違いないのですから、急いで読むことはないと思います。 間を置いて読んでも、面白いものは面白いのです。 えっと、いろいろ上では言ってますけど、そう、面白かったのデスヨ!(≧▽≦) |
27 | 『吸血鬼のおしごと
4』 鈴木鈴 著 上弦、登場――。 んでも、やっぱり主人公はツキではないかと思ってしまいました。 というか、ネコ小説なのかも(苦笑)。 |
26 | 『吸血鬼のおしごと
3』 鈴木鈴 著 幽霊の舞ちゃんのお話……なんですけども。 そもそも登場人物たち個人個人の行動規範のようなものがわたしには理解しずらくて……。 なんだかちょっと場当たり的すぎないかなぁ……と思う次第。 本音と本音のぶつかり合いということもできますけど、そうだとすると、ちょっと裏が無さすぎですし……。 亮史は「表がない」という点で逆説的ですが「裏がない」のと同じかなと。 |
25 | 『三ヶ月の魔法』 上島拓海 著 あ、良作。 同種のネタとして『黄泉がえり』を思い浮かべちゃいましたけれど。 でも、タイトルにある「三ヶ月」の間の人々の変遷ぶりを上手に書いていたかなぁ……と。 主人公の後半の行動は、ちとヒーロー寄りすぎかなぁ……と思わないでもないですけれど。 眠るつかさを放っておいてラスボスと対決するっていうのは、ちょっと気配りが足りてないかと思ったのデスヨ。 もうちょっと気にかけるとか、慌てるとか、そういう描写が欲しかったです。 ……ああ、でも「あとがき」でセンセが描かれているように、動いてくれなかったんでしょうね、大五が(笑)。 |
24 | 『吸血鬼のおしごと2』 鈴木鈴 著 うわぁ……。 クイナにぜんぜん同情の念が湧いてきません……。 吸血鬼に関わることで性格破綻をきたしたならともかく、もともと強烈なシスコン状態……というか、自分が考えている世界が全てという立場だと、どんな苦境にたたされたところで自業自得との印象しか受けませんです。 それを許してきたシギも、自己満足で終わっているように見えて――。 そんな次第で、この巻で登場してきたキャラの造形には疑問符を付けざるをえないわたくしです。 意味があるとすれば、亮史の過去について語りに来たということでしょうか。 ああ、だとすると、やっぱり次巻以降への橋渡しキャラなのかも。 そんな姉妹とは反対に、レレナの混乱っぷりは同情できる描き方だったかと。 物語上の要請もあるでしょうけど、人間、そんなに簡単には割り切れないですよねぇ。 終盤の亮史くんのキレかたは、ちょっと驚き。 そんな彼を引き止めた?、レレナの胆力には……まあ、お似合い同士ってことで(笑)。 このあとの2人の関係がたのしみー。 |
23 | 『しにがみのバラッド。2』 ハセガワケイスケ 著 あ、なんだか前作より綺麗にまとまっている気がします。 「死」にまつわる物語のパターンにも、意識して変化をつけているみたいですし。 モモの立ち位置、物語への介入の仕方を整理して、キャラ立ちしているのかなぁ……って思います。 わたし的には「スノウリバース」が好きですけど、これってこの作品の意図するところと、主旨がちと違う気もしますね。 本文中にあった――「15歳の中坊で、しかも絵にすべてを捧げてしんだようなすごい有名な画家の息子」――って、前作の大輝くんのこと?? うーん。 なんだか好きになれそうデスヨ、このシリーズ。 |
22 | 『撲殺天使ドクロちゃん 2』 おかゆまさき 著 微妙……かも。 びっみょーなところで、勢いが落ちている気がします。 ドクロちゃんに焦点が当たっている展開ではないからでしょうか……? 折り返しのところには―― 「ドクロちゃんの魅力がいっぱい詰まった」 ――ってあるんですけど〜? ちと、登場人物があれこれと入り組みすぎかも。 これは次巻以降の展開への布石ですか? キャラの配置を整理して、新展開ですか? う〜ん……。 ネタもちょっと意外性に乏しかった気が。 残念デス。 それでもコメディ文章のセンスは感じました。すごいです。 コミックを文章にすると……というライトノベルを体現していると思いました。 |
21 | 『撲殺天使ドクロちゃん』 おかゆまさき 著 言葉ではなく、文体で動きを描くことができる人……という印象でした。 あとはコメディで押し通しているので、考えなくても読んでいける、まさにライトノベルかなぁ……と。 それでも登場人物を印象付けることは成功していると思いますし、少ない登場キャラで展開させていくことは感嘆いたします。 いや、面白いという評価を持たれるの、わかります(^_^;) あと、短編という出自をもちながらも、わたしはそれを感じなかったんですけど。 むしろ初めからこの長さで作られているみたいでした。 この辺りの感想。最近読んだ電撃hpの短編出身の作品とは、ちと違うなぁ……という印象です。 それにしても、全編を通してコミカルな中に、どこかせつない雰囲気を漂わせているのは気のせいでしょうか?? 切ないというか、小津監督の日本映画みたいな。 答えを見つけるより、そこにある姿を映している……だけ、といったカンジ? えーうー。 自分でも何を言ってるのか分からなくなりました(苦笑)。 |
20 | 『正しい怪異の祓い方 結びの七つ穴の紐』 スズキヒサシ
著 気になるんですけど、物語の本ネタを怒濤のように台詞で語っていくのは、最近の風潮ですか? それともわたしの読解に対する姿勢に間違いがアリですか? 例え知識を必要とするものだとしても、そこまでの過程にちりばめておくべきなのではないかな……と。 いや、むしろ筆者にしかわかり得ない知識であればなおのこと……かな? (もちろん、物語を作り上げた筆者と同好の士なら分かりうる可能性は考えますけど、その理由ですと特定の相手に理解してもらえば良いという姿勢になってしまふ……) 本ネタ、大ネタの種明かしをされても、「ああ!」と感嘆できないのですが――。 どちらかというと、「ふ〜ん」というカンジ。 また、終盤に種明かしをして終わる……という形ですと、途中でターニングポイントというか、当初考えられていた目的/理由がくつがえされたときに「さぁ、どうする?」というような葛藤が無いので盛り上がりが損している気もします。 当初から考えられていた解決策に向かって走っていき、見事それが叶えられて大団円……って、ちょっと、その……。 最初から見えていることと、最後にならないと見えないこと。 両者の扱いがそれでいいのかなぁ……とか思います。 そこに目を向けなければ、好きな作品かもしれません。 テーマというか、コンセプトというか。 好きな女の人のために頑張る少年、しかも報われない恋の話は、応援しがいがありますもん。 ただ、少年の周りの人の存在がきらびやかすぎて、少年自身の行動はさほど意味を為していないのが……。 主人公であるはずの少年は御輿であり物語を転がし始めるためにきっかけでしかないのが残念かなぁ……。 えっと、しかしまたキャラが消化不良なのですよ〜。 意味ありげな素振りで描写するのなら、ハッキリさせてから終わって〜(T△T)。 |
19 | 『明天快晴 金陵城内記』 真樹操 著 中華モノってどうかな〜……と思って引き気味だったのですけれど、面白かったです。 ちゃんとした文章で、読みやすかったですし。 話数を追うごとに、キャラが立ってきて賑やかになっていく様も楽しかったです。 読んでいくうちに物語が動き出していく、転がりだしていく感じがして。 それでも、蔡さんの変わりップリには驚きますよね〜(笑)。 |
18 | 『吸血鬼のおしごと』 鈴木鈴 著 うー……。 またこの本も、1冊では完結してないというか、説明しきれてないというか。 いやさ、たしかに全てを1冊で語り明かす必要は無いと思いますしわかりますけども、世界を描く言葉に対してこの時点で出せる範囲の説明すらしていないように思えるのです。 ……それが多少なりとも気になれば続刊を買うでしょうし、気に入らなければそれまでよ、ということですか? 主要キャラの相関についても見た目以上のことは感じられなかったデス……けど! その見た目がキャッチーなら、作品としてはOKなのかもね〜と思いました。 読み手のハートをつかむのは、別に詳細に描かれた物語でなくてもいいのですよ〜。 ……というか、主人公はツキかと思いました(そうなのかも)。 |
17 | 『頭蓋骨のホーリーグレイル』 杉原智則
著 シリーズものだからでしょうか。 誰が主要人物であるかがボヤけている気がしました。 というか、この1作だけでは、誰が主人公なのか分からないので(わたしの読解力が足りないだけかもしれませんが)、物語として評価できないような……。 あと、性描写に関しては賛否分かれるところかな、と。 わたしはあまり好きくないので。 不必要であるほどではなかったと思いますけど、物語の暗黒面を描くために必要だったのかと問われると、微妙かも……。 |
16 | 『嘆きの館』 城崎火也
著 終盤の怒濤の展開説明台詞。 もうちょっと……、その……。 いろいろと、読む前の予想と違っていた作品でした。 |
15 | 『風の向くまま』 ジル・チャーチル
著 「主婦探偵ジェーン」シリーズのジル・チャーチル先生の新シリーズです! 「ジェーン」シリーズが好きなだけに、新シリーズっていわれてもなぁ……という気持ちが半分くらいあったのですけれども、やっぱおもしろーい! 大伯父の遺産を相続するために、古い館で10年過ごすことになった兄妹! お兄ちゃんは子供っぽくて軽いノリの人ですけれど、人を見る目はあるし、普段はそう見えなくても明快な頭脳の持ち主。 一方の妹は、活動的であり現実的。兄のいたらさなを各方面でカバー……しつつも、じつのところ兄の存在に心が頼っているところアリ。 ……ああ、好きな設定ですねぇ。というか、大好き!(笑) あ、でもお兄ちゃん26歳、妹24歳なので、普通のライトノベルのようなカンジはありませんよ? 創元推理文庫なんですから、当たり前ですけれども。 それでもジル・チャーチル先生は、生活感を感じさせる人物や背景描写をされるので、文章が生き生きしてるんですよね〜。 料理とか掃除とか、リアル感が〜っ。 作中で妹のリリーが犬を飼うことになるのですけど、この犬の名前が……。 ジル・チャーチル先生を好きな人なら、ピンッときてしてしまう名前です。 ほら、先生が大好きなミステリ作家で、御自身のペンネーム(ジル・チャーチル)を考えるきっかけになった、あの大作家ですよ〜。 いや、もう、これにはニヤリとさせられました(^_^)。 「ジェーン」シリーズもまだまだ邦訳されてない作品がありますけれど、こちらの「グレイス&フェイヴァー」シリーズも楽しみになりました。 |
14 | 『SUMMON
NIGHT 私だけの王子さま』 都月狩 著 サモナイFUNは、いろいろと楽しいですね〜。 ラムザですか! しかも、「俺には、腕のいい医者がついているからな」、ですって! な〜んだ。セシルとよろしくやってるんじゃないですか!(笑) クラフトソードの話も使われてましたし、カニンガム商会ってどこかで聞き覚えが……(気のせいかもしれませんけど) モーリン、登場してほしかったですけどね〜。 フォルテは相変わらずお茶目ですね〜。 1stプレイでは最後までパーティレギュラーだったので、活躍ップリには、ちょっと感動。 ルヴァイドとかにレギュラーの座、奪われやすいですもんね(苦笑)。 フォルテに関しては『2』のネタバレにもなって……いるのかな? 話には聞いてましたけれど、フォルテEDは見ていないのでー。 しっかし、シャムロック! あんたって人は〜!!(≧▽≦) フォルテよりしっかりしてると思いました(ちゃっかりかも?)。 あー、ところで気になったんですけどー……。 ケルマってカザミネに、置いてかれちゃったんでしょうか?(^_^;) |
13 | 『ロンドンストーリー
第3部 ヴィッキーと彗星』 秋口ぎぐる 著 うーん……。 気持ちがたかぶるような盛り上がりはしなかった……かなぁ。 状況を提示されて、うん、わかりましたってカンジ。 誰かが誰かのために犠牲になるという葛藤も、それ以前の複雑に入り組んだ人間関係のせいで真に葛藤が起こっているのか疑問ですし。 あ、いえ、体験しているキャラクターたちにはあると思います。 でも、外側から眺めているわたし(読者)には舞台裏まで見えているせいで、正直、喜劇にしか思えなかったかなぁ〜と。 第1部から第3部までを一度に書き上げているせいか、お話の構造自体はよくまとまっているなぁ……と思います。 その点が分かりやすさにつながっているのかもしれません。 |
12 | 『斬魔大聖デモンベイン
無垢なる刃』 鋼屋ジン:原作 涼風涼:著 デモンベインはゲームは未プレイですけど気になってる作品なので、とりあえずノベライズに手を出してみました〜。 ……うん。 それなりに、ゲーム本編をやってみたいな〜……と、思うようになりました。 これって、すでにキャラのビジュアルが自分の中に刷り込まれているからでしょうか? ゲーム本編はかなりの大作と聞いていたので、1冊に収まるのかと気になっていたのですが――やっぱり「続く」でした(笑)。 そりゃそうですよね。 これくらい、どっぷりとクトゥルーしてくれていると、納得できるというか。 フレーバーではなく、根幹に据えているならば……ですね。 アンチクロスの面々の描写が少なく感じるのですけど、仕方ないのでしょうか? 「敵」ということさえ認識できれば、個々の活躍の場は我慢してもらう……とか? 本編ではどの程度の扱いなのかが分からないので――。 やっぱり勉強のためにも、本編をプレイしよっと(笑)。 |
11 | 『涼宮ハルヒの溜息』 谷川流
著 キャラ造形の観点から、『ハルヒ』>『学校』な、わたしです。 物語としても、何かを言いたいように感じる『学校』より、ココロ赴くままに書いてます、テへッ♪というカンジがする『ハルヒ』の方が好きです。 まぁ、キャラを見て楽しめるから、それでいいのかなぁ……って思います。 細やかなディテール不足は、このさいキャラのエッセンスだと思って! 10年後にこの作品を振り返ることは無いと思いますけど、そんな先のことより今が楽しいことの方が大切だと思いますし〜。 ライトノベルを、何かを読み取らなければいけないという姿勢で関わるのは、ちょっと変かなぁ……と思う次第。 享楽的に読めばいい……とまでは言いませんけれど。 あー、でも、文化祭の顛末を端折ったのは、納得いかないかも。 準備が面白いトコロなのは認めますけど、本番を描いてこその準備期間では? ……とくに、あれだけ意識を向けさせておきながら、朝比奈先輩の文化祭シーンが無いのは、ズルイというか。 |
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『神様家族2 発育少女』 桑島由一
著 地の文の中に著者の言葉とおぼしき言い回しをする書き方を好きな人と苦手な人がいるかもしれませんが、どちらかというと、わたしは好きかな〜。 そういう意味で、オススメするには難しいですけど激しく好きな作品です、『神様家族』。 神様の息子であることを自覚して、運命を見つめ直すようになった?前作。 さぁ自覚したあとでは物語はどうやって膨らんでいくのかと、ちと不安に思っていたのですけれど、いやもう、杞憂も杞憂。 ちゃーんと前作を踏みしめて、次のステージに入ってます。 さっすが桑島センセ。 なぁ〜んかさぁ、佐間太郎、かっこよくなってないですか? やっぱり何かを「越えた」オトコノコって違うんでしょうか(笑)。 そんなしっかりした佐間太郎とは対照的に、テンコは意識しすぎ! もう、地に足ついてない(笑)。 めちゃ可愛い!(≧▽≦) そんな2人の仲を、進展させようとしているのか邪魔してるのか、神様(お父さん)もニクイことしますねーっ! というか、前作もそうでしたけど、終盤の展開には考えさせられるものがあります。 何かの答えを出しているわけではないと思うのですけど、道を示しているような。 そういう結び方からも、この作品が好きなのです。 それと、ヤスダスズヒトせんせがちゃんと仕事をしておられるのが良かったです。 カラー口絵、すごく良い!(≧▽≦) 挿絵もスタイリッシュで良かった〜。 |
9 | 『夷皇島学園華道部 教えて!
みさ緒先生』 すずきあきら 著 ほんと楽しそうですね……夷皇島学園華道部。 馨一も、なんだか少しずつ頼りがいがあるようになっていますし。 というか今回は「ふりまわされ度」が低かっただけ?(笑) それにしても、みさ緒センセイまで馨一を意識しちゃうなんて、完っ璧にギャルゲー主人公体質ですね、馨一は。 ヘンシェル好きなわたしとしては良かったですけど(すねたりするところ、カワイー)、やっぱり、きっこが馨一と仲良くしてないとイヤかも……。 ちょっとさみしいっていうか。 あんまり印象に残る触れ合いが無かったですよ、今回。 え? これで終わりなの?? ……という終わり方でしたけれど、インターミッション的位置付けなら納得。 いろいろと今後に向けての伏線っぽい描写がありましたし。 ちうか、ゆひちゃんは、いつから荒センセイLOVE? 荒センセイって、もっと歳が上いってるかと思ってました〜。 ビジュアルイメージが、D・N・ANGELの大助のおじいちゃんだったもので(^_^;)。 |
8 | 『業多姫
参之帖――恋染月』 時海結以 著 颯音と鳴の間に波風立てて、すごく面白くしていると思いましたー。 そっち方面で、これからもどうか一つ……(苦笑)。 ミステリの方も、暗号解読とかあって面白かったような。 というか、ちゃんとミステリしてるーってカンジがして良い良いです。 誰が何の役割を果たしているのか、それを読み解くのも良かったですし。 ……分かりやすいような気もしましたけど、まぁ、それはそれ。 でもアレですか。 今回は2人の仲が進展したようなそうでないような? そこが大事(笑)。 なんですか、あのエピローグは。 ラブラブじゃないですか。 まいちゃったなー、アハハハハハ!(≧▽≦) |
7 | 『僕はイーグル 哀しみの亡命機』 夏目正隆
著 最近の東アジア情勢を眺めて、この作品はどうなっちゃうのかなぁ……と思っていたのですけれども。 時勢を巧みに取り込みつつ、作品として成立させている気がしますねー。 なーんだ。わたしの取り越し苦労だったのかー(笑)。 読んでいると、やっぱり日本の政治形態のバカバカしさに怒りが……。 そりゃ物語なんですから、誇張されてはいると分かってはいるんですけども。 結局、本当に大切なことを考える力を失っているんだなぁ……とか思います。 いろいろ言われる風谷ですけど、頑張ってると思います(^_^;)。 なんていうか、これだけ悩む主人公でもいいじゃないですか。 わたしはこの焦れったさがたまりません(笑)。 しかし今作では矢島の運命は見えてましたね……。 それと、ちょっとアレレ〜?と思ったのは、女性陣の布陣。 今まで、漆沢>沢渡>>月夜野ってカンジだったのですけど、今回、月夜野>>>沢渡>>>>>>>漆沢くらいになっちゃってますヨ? しかも神林とか、新キャラ?も登場してくるし〜。 あんまりこの作品に、そっち方面の期待はしてないものの、やっぱり風谷が誰と倖せを見つけるのかは気になっちゃいます(^_^)。 あー、それとー。 今回のオビに押井守カントクからコメントを頂戴しているのですけど―― 「久々に登場した拳骨に力の入る小説。」 ――って、どうなのかなぁ。 シリーズとして世に出たのは、もうずいぶんと前の話ですよねぇ……。 コメント欲しいんで読んで下さい!って、今更みたいに頼まれたから読んだ……って気がしちゃって、その……。 |
6 | 『業多姫
弐之帖――愛逢月』 時海結以 著 やっぱり犯人像の絞り込みが、わりと早い段階から出来てしまうような……。 でもそれって、犯人探しはほどほどにして、あとは物語を楽しみましょう……って姿勢の現れなのかしらん? 実際、物語のほうでは充分楽しんでいるわけですしー。 あーもー。 鳴にも颯音にも、互いには相手しかいないって状況が、こうなんというか……切ないですねーっ! 銀さんでもライバルになりゃしない(笑)。 本当なら安定しちゃっていいはずの2人に、よくもまぁ波風を立てるものです、時海センセは。 でも、あれかなぁ。 颯音が鳴を拒む理由ってのは、ちょーっと納得いかないかなぁ。 女の子に恥じかかせて、どうしてくれようか、颯音(苦笑)。 |
5 | 『9S』 葉山透
著 勇次郎と聞いて、オーガをイメージしてしまったわたしはアレですか? そのせいで、娘の由宇のイメージも途中まで……その……(´д`)。 ちょっと1冊だけでは消化不良なカンジでした。 面白そうな設定を全部活かさずに終わってしまっているので。 これはやはりシリーズ化ですか? シリーズ化するなら、由宇以外のところで、設定だけではない存在感を見せて欲しいところ。 敵勢力とか、そのカウンターテロ組織とか、ちょっと存在感希薄……。 この作品の基準が由宇にあるところが問題なのだと思いますけども。 本来、由宇と天秤のバランスを取るハズと思われる闘真も、薄い気が……。 これは言っても良いのかわかりませんから背景色で迷彩しますけど、わたしには既存の作品をイメージさせる箇所が少なからずあったのですけど。 やっぱり、現代文学って、過去の模倣が基本なんでしょうか? そういう意味では、正直、新鮮味は感じられない作品でした。 シリーズ化されたときには、「9S」らしいと言えるオリジナリティが欲しいですね。 ちょっと今は「9S」の魅力はこれ!っていう部分が見当たらない気がします。 |
4 | 『業多姫
壱之帖――風待月』 時海結以 著 現在とは大きく時代背景が異なる舞台でミステリーをする……という点で、クリスティを思い浮かべました。 時代に左右されないトリックってあるもんですねぇ……ということで。 でも、あれかなー。 犯人、すぐに目星付いちゃったんですけどー? このあたり、まだ物語(というか、ミステリ?)を描くのに不慣れな気がします。 でも目星付くくらいが丁度良いのかもしれません。 世の中には……ごにょごにょ(´д`)。 物語設定は好きかもです。 鳴と颯音、イイ!(≧▽≦) 2人だけに気持ちが通じ合うトコなんて、ミステリらしからぬ展開でグーッ! 「そういうつもり」ではなかったが(中略)「そういうつもり」に受け取ってくれた。 ――ですってよ! うきゃーっ!(≧▽≦) 「おまえをさらう、いいか」 「さらって、私を。あなたと行きたい」 ――うはぁっ。どうして、この人たちはこんなにもラブ?(笑) |
3 | 『ANGEL
天国?へのトビラ』 南房秀久 著 「弟の、く・せ・に!!」 ……という、オビのコピーに惹かれて手を出したのですけども。 そういうシチュエーション、無いのはどうしてですか? いえ、あるんですけど、わたしが望む展開と違う〜(苦笑) あぁ。また富士見ミステリーに懐疑的になっていく……。 シリーズと銘打たれているので仕方がないのかもしれませんけれど、この1冊では主人公の女の子が置かれた(置かれていた)状況がほとんど分かりません。 むしろ美形な男子に囲まれて生活するために、あえて天涯孤独という設定にしてみた……というような、設定と物語が逆転しているような印象を受けました。 まぁ、その、なんですか。 その『美形』と呼ばれる男の人たちですけども――。 そもそも文章で美しさを表現するときに、「美しい」と表現するのは、ちょっとどうなのかなぁと思う次第。 もちろん、作中でこんな簡単に表現しているわけではないのですけども、「イイ男の演出」で外見から入られてもなぁ……と思ってしまいました。 うーん……。そういう設定なんだから、納得するしかないんですけどもー。 ちょっと、その……。 えーっと、イラストレータさんも大変ですね(苦笑)。 |
2 | 『高天原なリアル』 霜越かほる
著 うん。面白かったです。 4年前の作品とは思えないくらい……というのは、ちょっと持ち上げすぎ?(^_^;) んでも、当時より現在のほうが、作中で描かれるようなシチュエーションに親近感を持ちやすいのかも……と思います。 もっとも、現在この作品の内容で刊行されても、そういう理由で評価は得られないのかもしれませんけども。 当時だから描けた世界というかシチュエーションというか。 主人公が能動的に為した結果で物語が進むのではないせいか、第三者的視点、傍観者として物語を見ていく感じがするのも、わたし的には好感です。 少なくとも、そこには作者の感情の押しつけは無いので(もちろん作者が描きたいとする、作品の主旨とは別の話ですよ?)。 周囲の流れに否応無しで押し出されていく主人公・毒島かれんは、言ってみれば読者と同じ視点にあるわけで。 終盤のカタストロフまで、ずーっと共感できました。 種明かしも分かりやすい(分かりやすすぎ?)といえばそうなんですけど、すでに作中で提示してある材料の中で1つのまとめかたを見出す手法は、とても誠実な人なのではないかと思います。 やっぱね、最後にきて読者も知らなかったウルトラスーパーなギミックを出して解決するという手法は好きくないのデスヨ!(^_^) 霜越かほるセンセですか〜。 ちょっとチェックしてきます(今更ですけども)。 |
1 | 『いぬかみっ! 3』 有沢まみず
著 「犬寺狂詩曲」 どこかで読んだことあるな〜と思って、間違えて2巻を買ってきちゃった!?とか焦ったのですけれども、答えは簡単、電撃hpで読んでいたんですね。 んでも、この話はわりと好きかな〜。 スキンシップを求めるようこが可愛いので(^_^)。 啓太も、もちっとようこのこと可愛がってあげればいいのに……と思うのですけれど、それでも最初の頃に比べれば変わってきてますか? ようこも自然な形で啓太に甘えてきてますし〜。 「許されざる者たちの輪舞曲」 は〜、ちょっと空回りしてるかなぁ。 啓太がどうしてもって言うなら、ようこは2人の関係を前向きに進める覚悟があるんだよ……?という話にしては、ようこ自身の機微があまり描かれていないので。 というかそれ以前に、2人にそういう話はまだ早い!と、わたしが思っているせいなのかもしれません。 「Short Break チョコレート追想曲」 のような、こう、子供っぽいやりとりで愛を育んでいるような様を見せつけられるほうが、肉体関係を例示されるより照れてしまうのデスヨ! マイッタネ!(≧▽≦) |