「TK」、そして「つんく」の時代の終わり



「TK」の時代が終わり、そして「つんく」の時代も終わった。

 いかに天才であろうと、個人の才能なんて限界があるに決まっている。インプットとアウトプットがアンバランスだから、すぐに枯れてしまうか、パクリまがいに走るに決まっているのだ。あんなに大量のアーティストを抱えて、毎日のように無理やり曲を捻り出していれば、ろくでもない曲の割合が加速度的に増えていくに決まっている。自分のバンドだけでやってた時だって、そんな量の名曲を書いてなかったじゃん! もしかしたら、また充電の期間を過ごせば、再び素晴らしい創作が出来るのかもしれないけれど......。

 抱えられたアーティストたちは可哀想だ。スタッフのせいかもしれないけれど、毎回毎回、同じヤツが捻り出した変わり映えのしない曲を歌い続けなきゃならない。いろいろな作家の曲を歌っていれば、違う可能性を見いだせたかもしれないっていうのに......。山口百恵も中森明菜も小泉今日子も、いろいろな作家のいろいろな曲にこそ活かされたんじゃないかしらん。

 安室奈美恵は、小室哲哉に「商業的に」生かされ、そして「可能性を」殺されたと思う。まるで、スワンに見いだされてしまったフィニックスのように......。

投稿時間: 2003年8月25日(月) at 12:26 PM      


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