店主の釣りバカ日誌2000 7月



7月26日 「ヤマノカミのたたり」の巻
 久しぶりにバンブーロッドビルダーのI氏と大山を流れるK川へ釣行した。数年前同行し、I氏が大イワナを掛けながら、やり取りの末、バラしてしまった記憶がよみがえる。今回も2匹目のドジョウを狙って、イブニングライズに照準を合わせ、午後からの予定だった。しかし、こちらの勝手な都合で、日中の釣行へと変更し、厳しい釣りとなってしまった。ただでさえ、K川の藪は険しく、地元の人でも敬遠する場所も有る程だ。途中の堰堤で道を誤り、藪の中で立ち往生し、引き返す始末。暑さで疲労も重なり、転倒し、ウエーダーには水が入り、茨で破れると、御難続き。日頃の言動に対する、ヤマノカミのたたりなのだろうか。(山ノ神と家内のカミさんをかけている。)なんとか、デジカメの水没は免れたのが救いであったが、釣果はやはり厳しいものであった。それでも、小型ではあるが、なんとか、大山のイワナとヤマメに合う事ができた。帰りの時間が迫り、ようやく車の置いてある○○釣りセンターが見えてきた。そこには、米子市のフライフィッシャーの草分け、Y氏がイブニングライズを、てぐすねを引いて待っていた。しばらくY氏と談笑し、後ろ髪を引かれる思いで家路についた。わがまま息子の待つ保育園まで、車を急がせる父の我が姿であった。




7月19日 「笑うガマガエル」の巻 
 「もう、山陰とは言わない!」陰とはNegativeと言う意味で嫌いだし、だいいち今年の山陰は、雨が少なく、暑過ぎる。鱒釣り師にとって、最悪のコンディションだ。今日は、釣果は割り切って、沢登の気分で出かける。ぶな林の渓なら、少しは涼しいと思い、久しぶりに若桜方面、I支流へ入渓する。あまりに暑いので、ウエーダーを履かず、スパッッツで体を冷やしながらの遡行。砂防堰堤上から入ると、いきなり蜘蛛の巣にフライを数個取られる。入渓者無しと喜ぶべきか、悲しむべきか。ピーカンの空の下では、魚のご機嫌もすこぶる悪い。プレッシャーも高いのだろうか、イワナの出方がヤマメのように早く、警戒している。何回かのフライへのライズがあったが、ランディングに至ったのは、この20センチ程のイワナであった。ぶな林と言えども、日が差せばさすがに暑く、汗が吹き出てくる。河原の石の上で、ガマガエルが「このくそ暑いのに、帰って昼寝でもしろ」とでも言いたげにじっとこちらを見ている。その先のポイントで、黒い大きな影がフライに襲いかかったが、ロッドはむなしく空を切る。さっきのガマガエルの顔が笑っているように思えた。





7月12日 「ちょっと涼みに」の巻
 昨晩から水銀柱は29度から下がらず、今日は9時から30度を越えている。最高気温は35度を超えそうだ。こんな日は海水浴でも、と言いたいところだが、渓流へ向かう鱒釣り師の悲しさである。あまり遠くへ出かける気力も無く、小物でも遊んでくれたらと、近場の支流N川へ涼を求めて出かけた。川と言うよりも小川と言ったほうが良いほどの流れである。入渓すると、朝仕事のお百姓さんが、木陰でもう一休みしてこちらを見ている。スコットのロッドに、ティムコのブッシュマスターリーダーをセットしラインを1メートル程出しての釣りである。蜘蛛の巣と木の枝と格闘しながらではあるが、予想通り各ポイントからちびアマゴが飛び出してくる。フライ擦れしてないようで、フライは何でも良い。ちょっとしたプールにさしかかり、意外にも24センチのアマゴと25センチのヤマメが釣れてしまい、おまけに、居ないと思っていたイワナが遊んでくれた。こんな藪沢にもちゃんと生態系が根付いているのかと、嬉しくなってしまった。涼みにどころか、何度もUターンするイワナに熱くなってしまった一日であった。 




7月5日 「フライフィッシャー、キジを撃つ」の巻
 今日は、自称IwanaさんことO氏との釣行。H川○○の森に午前6時の約束である。10分前に到着すると、O氏はすでに到着し、ウエーダーをはいている。O氏は数年前この川で、マムシにウエーダーを破られたそうだ。幸い怪我は無かったそうだが、入渓の足取りが慎重になる。S集落手前に入渓するが、魚の反応は芳しくない。小規模なポイントが続き、緊張感が緩んでいたその時、O氏のロッドが曲がっているのが目に入った。しかも、その曲がり具合から、小物ではないことはすぐに想像できた。石に入り逃げられたと思ったが、反対側に出たところを、走り寄って私がランディング。精悍な顔をした29センチの雄イワナであった。さすが、自称Iwanaと称することだけある。そしてめでたく、文明の魚篭(デジカメ)にキープすることができた。その後、堰堤下の大プールで、大型魚の魚影が。しかし、1回フライを見に来ただけに終わった。
 ポイントを移動した所で、O氏に不測の事態が襲う。実は今日2度目のキジ打ちである。キジ打ちの儀式を終え、運が付いたところで、更なる大物を求め堰堤上に入渓。しかし、クモの巣にフライを取られ、交換に時間と、集中力を消耗する。そんな時、またOさんのフライに大物が。・・・しまった、合わせが速すぎたと思っても後の祭。、何度キャスティングを繰り返しても二度とフライに出る事は無かった。その後は、20〜23センチ程のアマゴとイワナが数匹ヒットしただけで、次の堰堤が見えてきた。そろそろOさんの運も使い果たしたところで、ちょうどランチタイムとなった。うんのつく話第2話でした。
 P.S Iwanaさんからデジカメを物々交換で入手し、写真付き釣行記となりました。




6月28日 「親子対決」の巻
 雨の為増水、釣行せず。6月18日父の日のレポート。この日は長男の誕生日でもあり、早朝から関金の遊YOU村に親子で釣りに。日曜日というのに、釣堀は私達親子で貸切状態。釣果の期待が高まる。息子には、金玉付マラブーを結んでやる。父親は技術的ハンディーキャップを考慮し、まずドライフライからチャレンジしてみる。
息子 「連れたー!」1匹目をゲット ダイエットに成功した虹鱒であった。
父親 「・・・・・・・・?」フライをニンフに交換する。
息子 「連れたー!」2匹目をゲット またもダイエットした虹鱒。
父親 「・・・・・・・・?」フライを金玉付マラブーに交換する。
息子 「連れたー!」3匹目をゲット またもシイラのようにダイエットした虹鱒。
父親 1匹目をキャッチしたが、食いが渋くなる。
息子 「飽きたー、帰ろうー」
父親 帰りたがる息子をなだめ、その後2匹追加し、何とかドローゲームに持ちこむ。
その後、インジケーターに当たりが出たときには、もう吐き出している、というシビアな状況に。勝敗は、次回への持ち越しとなった。それから、店に急行、午後からの開店でした。m(_ _)m