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『異素材で仕切るホスピタルルーム』

 

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ガラスとファブリック。

硬くて冷たいが透明で抜けのある素材。
柔らかい」がしっかり視線を遮ってくれる素材。

ふたつの異なる素材で空間を仕切ると、
こんなにも大らかな包容力があり、
柔軟な住まいになる。

施主は、1ヶ月の入院生活でカーテン間仕切りに
よる病室の心地よさを覚えた。

座位の低いチェアは身体に負担がかかるからと、
ソファやダイニングセットは置かない。
その代わりスタンディングデスクとハイチェアの
組み合わせ。

キャスターによる手軽な家具の水平移動が、
シーンごとに空間を様変わりさせる。

病床で閃いた施主のアイディアを具現化させた。

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「美しい食事」と「心地よい眠り」と「清潔な水回り」

使い勝手の良いオープンキッチンとホテルのような癒しのベッドルーム。
そして、清々しいバスルーム。

食べる、眠る、清潔にする。これらが気持ちよく行えると生活の質も向上する。

HealthではなくWellness

「ただ健康なだけの身体に戻りたいのではないんです
暮らしの質を健全に向上させることで、生き生きと輝くライフスタイルを
実現したい」

美しさとともに、精神面でも前向きになれる機能的な設計を心掛け、
病床で学んだという施主の意識を具現化させた。

その人らしい居住空間は、そこで生きる人を支えるものだから。

 

----------------------------------------------------------------------------- Space is same but we make the difference --------------------

相反する言葉は、
空間に置き換えると融合として一つの意味になる。

素材のコントラストとともに空間を特付ける線や照明計画も
メリハリを持たせ、互いを際立たせるための絶妙なバランスを試みた。

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ニュートラルグレーをベースに、ブルーのアクセント。
キッチンの素朴な質感が居心地の良さを醸成させる。

上質なファブリックが軽やかな空間の中でエレガントな
アクセントとなっている。

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オープンクローゼット前には、天井までの
高さがあるミラーを設置し、広さを増幅させる
効果を狙った。

エントランスホールのカーテンを延長し
玄関ドアを隠すことで、遮音性と保温性を
高め、土井時にシームレスに繋がる空間の
連続性を演出。

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玄関ドアを開けると室内に設けたガラス窓
から視線が抜ける仕掛け。

 

----------------------------------------------------------------------------- Space is same but we make the difference --------------------

 

目指したのは、ホテルライクな美しさと病院のような機能性
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水周りもドアの代わりにカーテン
で仕切ることでフレキシビリティを
持たせた。
洗濯機やストックはベネシアンブラインド
の向こう側。

オープンスタイルの手洗いカウンター
人間工学に基づき、施主が腰を曲げないよう
高さを1mとかなり高めに設置した。

鏡はホテルのようにアームミラーとしたため
顔まわりの確認に使い勝手が良い。

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     DATA

中古マンション全面改装工事
芦屋市 K様邸

工事面積:60㎡
工事期間:30日

・解体工事
・間取変更工事
・水回り設備変更工事
・内装仕上げ工事
*カーテン、ブラインド、家具
小物は施主手配

天井にあえて照明を設けず、床置きスタンドやブラケット照明
でメリハリのある光と影を演出。

ホテルのような上質感とリラックス感を生み出すには、照明
により明暗の使い分けは不可欠。

 

----------------------------------------------------------------------------- Space is same but we make the difference --------------------

 

マイナス要素をプラスに変換する設計力
1-57-14 キッチン横には動かせない大きなパイプスペースがあった。
本来であれば、見せたくないマイナスポイントであったが、
敢えてタイルを貼り、造り付の飾り棚を設け、住まいの
フォーカルポイントにした。
おかげで、キッチンから流れるように生活スペースへと繋がる
唯一無二のL型バック&フロントカウンターが誕生した。
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I型の壁付けキッチンの背後にL型のカウンター。

ガスコンロの背後から、直角に折れ曲がり、
そして住まいの中央へと繋がっていく。

キッチンのおくから暮らしの正面へと繋がって
いくダイナミックな設計。

カウンターの角の部分に食材を並べたり、
計量したり、食事の時間が終われば、
タブレット端末のスペースになったりと、
生活シーンに応じてフレキシブルに変化する。

 

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Before

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After

動画をご覧ください。

 

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