道彩展の魅力

会員
江別地区連絡所
栗 山  巽

 道内の美術界には、種々の団体があって、それぞれ公募展で競い合い北海道の文化発展に寄与している。そんな中にあって、水彩画のみに限定した特異な公募団体、それが道彩展であり異彩を放っている。加えて観る人に「これはすごい表現で迫力がある!」「ほおー、なかなか面白いし雰囲気のある絵もあるネ!」と、まことにユニークで観る人の心を惹きつける。
 これらの作品群の一般的な傾向として、どんな対象物でも表現の仕方が新鮮で個性的である。又器用で説明的な絵は殆ど見あたらない。多少稚拙だったり、狂いや矛盾があっても出来上がった作品には、味わい深いものがある。器用でない人が懸命に描いたものに、よい意味の偶然性も含めて、多くの魅力的水彩画が生まれている。
 出品作者の多くは、子育てを終えた家庭の主婦や定年退職者達が情熱を燃やし描き上げている。これもこの会の特異の一面でもある。

 私自身、退職後水彩画に出合い描き始めた頃、道彩展の水彩画を観る機会を得た。“絵に説明などはいらない、感じてもらえれば、それでよいのか”と。胸が熱くなり、「よーし。」とやる気が一気に吹き出した思い出がある。その後数年経過し、多くの絵仲間と道彩展の魅力を語り合い“みんなで挑戦しよう”と呼びかけ合い今日に至っている。

 私の先輩や知人に道内の公募展(道展、全道展、彩道展)や中央画壇で活躍している者がいる。その多くの人の出身母体は、意外といっては何ですが、道彩会であり、ここから巣立っている。いわば道彩会は登竜門である。まこと不思議な魔力を秘めている美術団体!それが道彩会!



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