第30回記念展に寄せて

運営委員長
小 堀 清 純

 1982年2月大同ギャラリーにおいて、現代水彩画の多様な表現と創造的な作品を追求することを目的として、同人展(第2回展から公募展に改組)からスタートした道彩展も今年で第30回を迎えることになりました。同人展の開催に向けて、中心的な役割を果たしたのは、長尾清彦、鈴木茂の両氏で、水彩画を愛するあらゆる分野の人々を広く集め、刺激し合い、新しい表現と価値を認め合う広場を作ろうという趣旨で呼びかけました。第2回展当時の記録によると、会員9名、顧問6名で運営され、入選者57名、平均年齢が37歳という若さでした。これまでの様々な浮沈が走馬灯のように目の前に浮かびます。現在は、会員53名、会友15名、入選者が約100名余りと規模が拡大
し、出品者も全道的に広がり、写生会や研究会も開催しております。函館と江別に連絡事務所を設け、その地域でのグループ活動も見られるようになりました。恒例の写生会には、一般の方を含め約30名余りの参加があり、その合評会には、八木保次先生のユーモアある批評が好評で、多数のギャラリーが集まります。
 今日まで様々な問題を乗り越え、継続できたのは、創立時から、一貫した同先生の強い支援、熱い思い入れがあったからと改めて痛感すると共に心より感謝します。同先生なくして道彩展の歴史は語れません。最近の道彩展は、ジェッソやコラージュを用いるなど多様な表現とバラエティに富んだ作品が多く、他の水彩画展に見られないものと一定の評価を得ております。また、道内外の公募展で会員として活躍する者も増えております。水彩画愛好者のすそ野を広げるという当初の目標は、一応定着しているように思います。何といっても、道彩展の魅力は技巧を云々するより、気持ちを優先して、素直に大胆な表現が感動を呼んでいることでしょう。
 今後の課題として、会期の延長問題(せめて、10日以上は開催したい。)、出品者がやや固定化しているので、新人の発掘や、若い層の育成があります。皆で力を合わせて、克服していかなければなりません。
 会員、会友は、現状に満足することなく、今までに増して精進を重ねて行きたいものです。
 最後に、これまでご支援やご協力いただいた関係の方々に心から感謝する共に、厚くお礼を申し上げます。



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