第20回記念展を迎えて

事務局長
小 堀 清 純

 1982年2月大同ギャラリーにおいて、現代水彩画の多様な表現と創造的な作品を迫求することを目的として、32人の同人展からスタートした道彩展(北海道水彩画会)も2000年の今年で第20回を迎えることになりました。
 道彩展が創立された背景には、当時の道内公募展で発表されている水彩画の多くが、個性が希薄で、写生画に安住する傾向にあり、それが水彩画の限界と思われていたり、油彩より軽視されていることへの反省。そして、水彩画を愛するあらゆる分野の人々を広く集め、剌激仕合い、新しい表現と価値を認めあう広場を作ろうとしたことにありました。その同人展には、
その趣旨に賛同された国松登、八木保次(以上、仝道展会員)、納直次、今野ミサ(以上、道展会員)、沖本友吉(新道展会員)、川村正男(白日会委員)ら10人の先生の賛助作品も展示され、毎日新聞の日曜版に「道内の水彩画家によって、初めて組織化された展覧会」として、大きく紹介され話題となり、多数の入場者が訪れ好評を博しました。その年の総会において、第2回より公募展に改組することが決定され、亀松行雄ら8人の創立会員が承認され、その趣旨に賛同された前記国松登先生ら6人に顧問の就任をして頂きました。
 この20年を振り返ってみると審査の在り方、会場作り、資金難、顧問の意見調整等々苦労の連続であったような気もしますが、よくもここまで継続したものと感心します。これも会員や会友等のご協力はもとより、顧問の先生らの熱心なご指導とご支援の賜物と感謝しております。特に八木保次先生には、創立以来、終始一貫変わらぬ愛情で、時には厳しくも温かい批評とご指導を頂き、頭の下がる思いです。
 このところ、会員の中には道内外の公募展で会員又は会友に推挙され、今後の活躍が大いに期待されている若手作家も少なからず現れております。また、例年搬入点数が約300前後と道内公募展における水彩画の搬入点数としては最も多く、また多様な表現の作品も増加しており、水彩画を愛する仲間に広場を提供している意味での存在価値は十分見いだすことができるなど評価できる面もあります。
 今後の課題としては、質の向上をどう克服するかにあると思います。そのために多くの作品を描き、深く追求すること、また良い絵を沢山鑑賞することも大切と思います。 21世紀に向けてさらに発展していくためには、見る人に感動を与えるような魅力ある作品を沢山展示できるよう一層努力していきたいものです。
 最後に、これまでご支援やご協力頂いた各関係の方々に厚く御礼を申し上げます。



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