災害時においてライフラインの中でも電気の復旧が一番早いようですが、一週間以上かかるものと覚悟した方が懸命の様です。水道やガスの復旧は更に遅れるものです。これが大災害ともなると更に復旧が遅れるとともに、近隣市町村も同じ状況の場合は、食料の配給も途絶えてしまいます。
ここでは、ポリ袋(高密度ポリエチレン製のもの)に食材と調味料を入れ、最小の水を張った鍋をカセットコンロで加熱し調理できる「省エネレシピ」を掲載します。
ポリ袋調理のポイントは、鍋が汚れないで片づけが簡単、温かいものが食べられる、袋ごとの調理なので味の違う複数の料理が同時にできる、鍋のお湯が汚れない、などがあります。
下の表で上段のメニューが省エネレシピで、下段のレシピは省エネレシピに食材をプラスして日常でも美味しく食べるためのレシピです。基本2人分の食材ですが、多くのアレンジができると思います。
衛生環境が悪化する災害時に気をつけたいのが食中毒です。そのためには、使い捨て手袋を使いなるべく食材に触らない。作った物は、直ぐに食べる。食べ残しは、思い切って廃棄することが重要です。
今回の題材では取り上げませんが、食べることによっての排便・排尿が災害時に大きな問題になっています。この問題について、考えみることと、ある程度の備蓄が必要ようなことを理解することが必要なようです。
|
|
大根の海藻佃煮和え
|
いか人参
|
ツナと人参のごま和え
|
大根~3cm(100~150g)
海藻佃煮~大さじ1 ごま油~少々
白いりごま~大さじ1
|
人参~1本(100g)
さきいか~30g ポン酢~大さじ1
黒ごま~大さじ1
|
人参~1本
ツナ缶~1缶 3倍濃縮めんつゆ~小さじ1
砂糖~小さじ1 黒すりごま~大さじ1
|
ポリ袋にピラーで切った大根を入れ水分を絞り、海藻佃煮を加えて混ぜ、残りの食材を加え混ぜる。
|
人参をピラーでカットし、ポリ袋に全ての材料を入れて混ぜ、2~3時間味をなじませる。
|
ピラーカット人参と他の食材全部をポリ袋に入れて混ぜ、2~3時間味をなじませる。
|
|
|
冷やし海藻佃煮大根そば
|
いか人参おやき
|
冷やし卵のせうどん
|
そば・つゆ・きざみ海苔・錦糸卵
|
薄力粉50g・小口切りわけぎ少々・水50ml・ごま油
|
うどん・つゆ・温泉卵
|
ゆでそばにつゆをかけ、大根の海藻佃煮和え、きざみ海苔、錦糸卵を乗せる。
|
いか人参に油以外の食材を入れ混ぜ、油をひいたフライパンで焼く。
|
ゆでうどんにつゆをかけ、ツナと人参のごま和えを乗せ、温泉卵を乗せる。
|
|
|
ご飯1膳
|
全がゆ
|
五分かゆ
|
米(無洗米)~80g(1/4カップ)
水~100ml(1/2カップ)
|
米(無洗米)~40g(1/4カップ)
水~200ml(1カップ)
|
米(無洗米)~20g(1/8カップ)
水~200ml(1カップ)
|
鍋に皿を敷き食材を入れたポリ袋(30分浸水後)を皿の上に乗せ、鍋の1/3まで水を入れ、蓋をして加熱する。
水が沸騰したら中火にし、沸騰後約20分加熱。火を止めて10分間蒸らす。
|
ご飯に同じ。
|
ご飯に同じ。
|
|
|
焼き鳥ひじきご飯
|
豆いかトマトご飯
|
鮭コーンライス
|
米(無洗米)~80g(1/2カップ)
水~200ml(1カップ) 焼き鳥缶~1缶
ひじきドライパック~1袋 3倍濃縮めんつゆ~小さじ1
おろししょうが~小さじ1
|
米(無洗米)~160g(1カップ)
トマトジュース~200ml(1カップ)
ミックスビーンズドライパック~1袋 いか味付き缶~1缶
※トマトジュースが少ない時は水を足す
|
米(無洗米)~160g(1カップ)
トマトジュース~200ml(1カップ)
スイートコーンドライパック~1袋 鮭缶~1缶
コーンポタージュスープ~1袋 黒コショウ~少々
|
ご飯に同じ。
|
ご飯に同じ。
|
ご飯に同じ。
|
|
|
お雑煮:1人分
|
カレー餅:1人分
|
オレンジパンケーキ
|
切りもち~2個 人参~15g
大根~30g 水~150ml(3/4カップ)
粉末のお吸い物の素など~1袋
|
切りもち~2個 レトルトカレー~1袋
グリーンピース缶~1缶
|
ホットケーキミックス~50g オレンジジュース~50ml(1/4カップ)
マーマレード~大さじ1 レモン汁~小さじ1
|
ピラーで切った野菜とその他の食材をポリ袋に入れて袋の口を閉じ、皿を敷いた鍋に入れ、沸騰したら中火にし5分間加熱後5分間余熱で火を通す。
|
全ての食材をポリ袋に入れて袋の口を閉じ、皿を敷いた鍋に入れ、沸騰したら中火にし5分間加熱後5分間余熱で火を通す。
|
全ての食材をポリ袋に入れて袋の口を閉じ棒状にし、皿を敷いた鍋に入れ、沸騰したら中火にし10分間加熱後10分間余熱で火を通す。
|
|
コーンパンケーキ
|
さんまとキャベツの煮物
|
親子煮1人分
|
ホットケーキミックス~50g スイートコーンドライパック~1袋
水~50ml(1/4カップ)
|
さんま蒲焼缶~1缶 キャベツ~100g(2~3枚)
おろししょうが~適量
|
焼き鳥缶~1缶 卵~1個
|
全ての食材をポリ袋に入れて袋の口を閉じ棒状にし、皿を敷いた鍋に入れ、沸騰したら中火にし10分間加熱後10分間余熱で火を通す。
|
全ての食材(キャベツは手でちぎる)をポリ袋に入れて袋の口を閉じ、皿を敷いた鍋に入れ、沸騰したら中火にし5分間加熱後10分間余熱で火を通す。
|
全ての食材をポリ袋に入れて袋の口を閉じ、皿を敷いた鍋に入れ、沸騰したら中火にし5分間加熱後10分間余熱で火を通す。
|
|
マーボー高野豆腐
|
高野豆腐とさんまの煮物
|
ピラピラ野菜のみそ汁
|
高野豆腐~小18個(53g) 水~150g(2/3カップ)
麻婆豆腐の素レトルトパック~1袋
|
高野豆腐~大2個(18g×2) さんま味付き缶~1缶
水~100g(1/2カップ)
かつお節小袋~1袋(3g)
|
人参~15g 大根~30g
水~150ml(3/4カップ)
だしの素~小さじ1/2
味噌~小さじ1
|
全ての食材をポリ袋に入れて袋の口を閉じ、皿を敷いた鍋に入れ、沸騰したら中火にし5分間加熱後10分間余熱で火を通す。
|
全ての食材をポリ袋に入れて袋の口を閉じ、皿を敷いた鍋に入れ、沸騰したら中火にし5分間加熱後10分間余熱で火を通す。
|
ピラーで切った野菜とその他の食材をポリ袋に入れて袋の口を閉じ、皿を敷いた鍋に入れ、沸騰したら中火にし35分間加熱する。
|
|
卵雑炊
|
鶏のささみ中華がゆ
|
スープ餅
|
レトルトご飯~1/2パック
フリーズドライ卵スープ~1袋
沸騰したお湯~150ml(3/4カップ)
|
レトルトご飯~1/2パック
鳥のささみ缶~1缶 沸騰したお湯~150ml(3/4カップ)
塩・白いりごま・ごま油~適量
|
切りもち~1個 沸騰したお湯~150ml(3/4カップ)
わかめスープの素~1袋 白いりごま~適量
|
保温ジャーにポリ袋をセットし、全ての食材をポリ袋に入れ、ポリ袋の上部をねじり込み、蓋をして10分おく。
|
保温ジャーにポリ袋をセットし、調味料以外の全ての食材をポリ袋に入れ、ポリ袋の上部をねじり込み、蓋をして10分おく。調味料を加えて味を調える。
|
保温ジャーにポリ袋をセットし、ごま以外の全ての食材をポリ袋に入れ、ポリ袋の上部をねじり込み、蓋をして10分おく。白ごまをかける。
|
●史用食材:缶詰・レトルト食品・びん詰・乾物・野菜・卵・米・水・スープの素
●使用調味料:めんつゆ・マヨネーズ・チューブ入り調味料・ポン酢・レモン汁・ごま・だしの素・味噌
●史用器具:カセットコンロ・鍋・ポリ袋・ピラー・ハサミ・菜箸・保温ジャー
|
|
日常食として使いながら常温で保存がきくものを備蓄しよう!
●主食(活動エネルギーの源):米(災害時には無洗米が便利)・レトルトご飯・レトルトおかゆ・アルファ化米・缶詰パン・小麦粉・米粉・ホットケーキミックス・お好み焼き粉・乾麺・餅・クラッカー・シリアル類ほか
●主菜(良質たんぱく質や脂質の供給源):肉、魚、豆などの缶詰・カレー、シチュー、ミートソースなどのレトルト食品・高野豆腐、お麩などの乾物ほか
●副菜(ビタミン・ミネラルを確保):切干大根、ひじき、わかめ、きざみ海藻などの乾物・トマト、コーン、大豆などの缶詰・らっきょう、ビクルスなどのびん詰・じゃがいも、さつまいも、大根、人参、玉ねぎなどの日持ちする野菜・梅干しほか
●果物・菓子(おやつは心の栄養):果物缶・ドライフルーツ・チョコレート・飴・ビスケット・煎餅ほか
●飲料(水分不足は不調のもと):水・お茶・ジュース・コーヒー・紅茶ほか
●調味料(使い終わる前に必ず補充):味噌・醤油・酢・塩・砂糖・食用油・ケチャップ・マヨネーズ・めんつゆ・チューブ調味料ほか
|
|
ポリ袋調理の注意点
●高密度ポリエチレン製のポリ袋を使わないと熱で袋が溶けることがある。 ●食材は厚さが均等になるように平らにする。
●調味料は最小限にして食べるときに調整する。 ●加熱すると袋が膨張するので空気を十分に抜いて袋の口をしっかり結ぶ。
●アルコール類を入れると揮発して破裂することが有る。 ●ポリ袋を鍋に入れてから点火する。
●なべ底に皿を敷いて鍋底にポリ袋が着かないようにする。 ●ポリ袋がはみ出さないようにふたをする。
|
|
在宅の場合は、まず冷蔵庫の食材を整理しよう!
●停電しても冷蔵庫の庫内はしばらく冷えているので、食材はそのまま入れておく。 ●冷凍庫の食材は、凍っているので食品自体が保冷剤になる。
●開けるごとに冷気が逃げるので、必要最小限にする。 ●引き出し式の冷蔵庫は、保冷庫の上に断熱効果のある新聞紙等を置く。
●冷蔵庫は、数時間後には温度が上昇して食品は食べられなくなる。 ●調味料は災害時のキーポイントなので、保冷バッグに移し替える。
●子供の好きなもの、食べられるものを選んで保冷パックに移し替える。
●製氷機の氷は、ポリ袋に入れて保冷バックへ入れ、溶けた後は飲み水として活用。
|
|
炊飯器以外でご飯を炊けますか?
米は、95℃、25分でご飯になります。「赤子泣いても蓋取るな」は火加減が難しい昔の話です。薄い鍋などは、途中で混ぜてもOKだが、蒸らしに入ったら温度を下げないために蓋を取らないこと。何度か試してみよう。
●釜で炊く:まず、米を洗うのはいつもの通り行い、米を30分水につけ、水を吸収した米と同量(体積)の水(蒸気が逃げそうな鍋やフライパンなどは1割増)で加熱し、沸騰したら中火で15分炊き、鍋の中が静かになったら鍋をおろして、10分蒸らす。
●薄い鍋で炊く:薄い鍋で炊くときは、鍋に入れるまでは同じで、中火にして沸騰したら5分間フツフツをキープし、水が減り泡が吹いて来たら、箸で底から混ぜ、蓋をして弱火で10分後、火を止めて10分蒸らす。蒸しあがったらご飯をほぐす。
●フライパンで炊く:フライパンで米を炊く場合は、鍋に入れるまでは同じで、強火で5分、中火で5分(水気のなくなる音)後、10分蒸らす。
●空き缶と牛乳パックで炊く:アルミ缶(350ml・鉄可)2缶の上蓋を缶切り、コンロ缶(下の缶)は空気穴や炊き口を開け、釜(上の缶)に水浸米と同量の水を入れ、アルミ箔を二重にして蓋にし、牛乳パックを縦四等分にし短辺を1cm程度に切ると専用の蒔きができ、15分炊き、10分蒸らす。そのまま釜が食器になるので、切り口や熱さに注意が必要です。うまくいくと、牛乳パック2枚くらいで炊きあがります。
●避難所で多くの米を炊く:ほとんどの方が経験したことがないと思いますが、経験則が試される炊飯です。釜でご飯を炊きおにぎりを作ることは大変ですが、その方法を簡易的に掲載します。炊く前の方法は変わりませんが、炊き方に2通りの方法が有り、1つは通常の水から炊く方法ですが、もう一方はお湯炊き方(5合以上)です。前者は重量比1(米):1.5(水)(容量比1:1.2)、後者は重量比1:1.3です。後者のお湯炊き方は、必要な水を鍋に入れ沸騰させたところに、浸水した米を一気に入れ、5分加熱すたらむらができないように木のしゃもじでかき混ぜ、そのまま加熱し、吹きこぼれそうになったら火力を弱め、水がなくなったら火を止め、15~20分蒸らす。
|
米:水の比率
|
米
|
水
|
湯炊き方
|
重量比1:1.3
|
7.5kg(5升)
|
約9.8リットル
|
水から炊く場合
(普通の方法)
|
重量比1:1.5
|
2kg
|
重量比3リットル
|
容量比1:1.2
|
容量比2.4リットル
|
●電子レンジでもご飯が:どんぶりに材料をに入れるまでは同じで(米を洗ってすぐの時は、水を1割増し)、どんぶりにラップをかけて中央に穴をあけ、レンジ強で沸騰するまで加熱(約3分、レンジ前を離れないこと)しいったん止め、レンジ弱で10分加熱後10分蒸らす。
●オーブントースターでもご飯が:アルミ缶やアルミの弁当箱に水浸米と同量の水を入れ、アルミホイルで蓋をして、余熱なしで20分加熱、10分蒸らす。吹きこぼれも焦げ付きも有りません。
|