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姉と弟
ストーリーで楽しむ日本の古典 とりかえばや物語 男装の美少女と、姫君になった美少年

身分の高い貴族の子息は将来を期待されていたが、誰にもいえない悩みがあった。娘なのに男子のように振る舞い、息子なのに女子のようにふるまうきょうだい。果たして?
活発な女子が男子に、おとなしい男子が女子に。平安時代にすでに存在した男女入れ替わり物語。(岩崎書店HPより)

いまの時代にはめずらしくなくなった「男女入れ替え設定」今のように大量多種多様な物語がない平安時代に、この設定をドラマチックに描いた物語があったのです!
(当時はキワモノ扱いされていた物語だと、少女小説作家の氷室冴子さんが書かれていたのを読んだおぼえがあります(*))
ただ 設定は同じでもそこは平安時代。現代のようなラブコメディーではありません。主役となる男装の美少女は、衝撃的な事件に遭い 苦難と苦悩の日々をいくことになるのです。
でもそれは男装を実行していてもしていなくても、心の中で起こり対応していかなければならない嵐なのかもしれません。
何を選びどの道を行くのか、したいから選んだはずのことが実は自分を苦しめてはいないか、など…。YA世代でこの物語を読んだひとは、
長じてからまた読むと、ちがった見方ができるかもしれません。そして原典訳本も読んでもらえたらいいなと思います。

カラーインクで細やかに描いたような画面をめざしました。「あやし(妖し)」の語を念頭に、少しでも雰囲気が出ていればうれしいです。

( * 氷室さんは「ざ・ちぇんじ!」というとりかえばや物語を下敷きにしたお話を書かれています。痛快で楽しくこちらもおすすめです)
2016.2
 
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