公募情報誌の功罪

 雑誌の新人賞に応募する場合、必ずその雑誌に掲載されている応募要綱を読んでください。近年、雑誌そのものを全く読んでいない人間が、公募情報誌に掲載されている情報だけを見て応募してくる、というケースが増えてきています。これはもう論外です。

 公募情報誌はスペースの都合で要約した応募要綱を載せていることが多いため、結果的に、それだけでは応募規定を満たしていない、という事態が発生するケースもあります。
 ある新人賞の場合、雑誌には、応募原稿の書き方のサンプルフォーマットを載せていました。しかし、公募情報誌には要約した文字情報しか掲載されませんでした。
 当然、雑誌の読者は全員がサンプルフォーマットの通りに書いてきているのに、雑誌を読まずに応募している人間は、公募情報誌に掲載されているフォーマットや独自のフォーマットで書いてきていました。
 こういうケースは一発で「こいつはウチの読者じゃない!」と判断できるわけです。

 優劣つけがたい2作品があって、どちらかを選ばなければならない、という状況で、片方はウチの雑誌の読者で、片方は明らかに読者ではない人間だ、となった時に、どちらが選ばれるかは、もう説明するまでもないことだと思います。
 また、実際にその雑誌を読んでいないと、その雑誌のカラーや読者層など、新人に要求されているものが理解できずに、ピントのズレた作品を応募してしまう、という可能性が高くなります。
 何でウチの雑誌にこんな作品が来るの? 送り先を間違えたんじゃない? というような原稿は、たいてい公募情報誌だけを見て応募してきているものです。

 公募情報誌を活用するのは構いませんから、応募したい賞が見つかったら、最低でも実際にその雑誌を3ヵ月くらいは読んでみて、その雑誌のカラーをきちんと把握してから、応募するようにしてください。


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