風の松原を歩く これまでの足跡 05年1月後半

最終更新 05/2/1

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05/1/31(月)
 昨日は来客があったため散歩に行かなかったが、昨日と今日は2日続きの吹雪模様の荒れた天気。予報では明日は今日以上に荒れるとか。能代では還暦祝いや厄払いの行われる2月1日は荒天の場合が多い。去年は好天で夜中まで飲み歩いていたが、今年還暦や厄年を迎える人たちは大変だと思う。
 「2月1日は荒天の場合が多い」と書いたが、これは統計的に調べたものではない。毎年行われている行事の場合、悪天候の方が記憶に鮮明に残るから悪天候が多いように思われているのだろう。

 今日は久しぶりにいこいの広場からスタート。午前10時半だったが広場の時計は1時50分を指している。帰りに覗いたら15時を指していたから停まっているわけではなかった。散歩所要時間70分。

写真1 10時30分なのに表示は1時50分 写真2 19番地点 今日のような吹雪の日も歩いている人がいる

 今日は、「工事の邪魔にならないように歩く」そのためには休養広場から42番地点までは船泊側を歩くことにした。23番地点から船泊に向かう足跡もあったし、30番地点から海側に進む足跡もあった。

写真3 26番地点からは山は見えない(吹雪いてはいない) 写真4 33番地点では吹雪の中を進む人が見える
写真5 松林の中は吹雪具合がわかる 写真6 今日は 立入御遠慮 のゲートを越えた足跡が2つ

 休養広場のゲートを越えて侵入した?足跡は2つ。後はタイヤに消されたのか見えない。私の150mほど前を歩いていた人は右に曲がったのだろう。私はここを左折し「船泊」に向かう。

写真7 船泊の少し手前に看板が立っていた 写真8 右の防風ネットの先は船泊 左右どちらにも足跡はない

 船泊の少し手前に船泊側から入ってくる人のための立て看板があった。文面は他の箇所と同じ。ここまでは足跡があったのだが、途中で左右どちらかに曲がったのを見失ってしまった。写真8地点には足跡があったが、ここは風が強いので、数日前の足跡が残っていたのかもしれない。
 昨日の北羽新報に「大森橋に移動し、風の松原の散策路を歩いた」とあるから、ここから入ったはずなのだが、そいういう足跡は見えない。昨日今日の雪は吹雪くのが主で、積もる雪ではなかったから、ここを十数人が歩いたのであれば必ずわかるはずだが?
 雪の上を漕ぐように歩いて(といっても雪が堅く凍っていたので、新雪の上を歩くのとは違い、足が埋まることはなかった)大森橋のたもとへ。

写真9 道路の雪は皆飛ばされてしまうので路上にはない 写真10 42番への入口地点に向かうが歩道は人が歩いた跡
が見られない。車道から除雪された雪で歩道が高くなっている
写真11 ようやく42番地点へ向かう入口に到着 写真12 途中で何箇所も42番から来て右折する足跡発見

 写真8から写真11地点までの距離は、夏に来た時には700m程と考えていたが、もっと遠いのかもしれない。そこで写真撮影時刻も表示。このようにして写真を見ると風は海(西)から吹き付けているから松の木を見ると方角がわかる。
 写真11から写真13までのあいだに何箇所も右折する(南進)足跡を見たが今日はそういう足跡に誘惑されないで42番地点から陸上競技場方面へ直進し、トリムランニングコースを通り、帰宅した。

写真13 42番地点十字路に工事車が2台停車中 写真14 新設する道路の入口には進入禁止の立て札

05/1/30(日)
  今日の北羽新報に次の見出しで風の松原の様子が書かれていた。この合同講座が実施された29日は夕方から荒れてきたが、午前・午後とも好天で地吹雪などは見られなかった。今日だったら時折猛烈に吹雪いたから大森橋の上だったら最大風速が20メートルを越すこともあったのではないかと思う。

能代市 松原の防風機能確認
    こどもと大人合同環境講座 冬の動植物の生態も

本文の始めの部分を紹介すると、

 能代市のこども環境探偵団と環境大学の合同講座「冬の風の松原の機能を学ぼう」は29日開かれ、受講者は白銀の松原の散策を通じて冬の植物や動物の生態に触れたほか、風力測定を行って松原の防風機能を検証した。
 同講座には、環境探偵団の児童や保護者と、環境大学の大人計19人が受講した。風の松原に守られる人々の会の福司和夫さんとルーペの会の佐藤恒雄さんが講師を務めた。
 はじめにサンウッド能代で講師による松の成長や松林の遷移などについての講義を聞いた後、同市大森山の大森橋に移動し、風の松原の散策路を1時間余かけて歩いた。
 晴天に恵まれたこの日、受講者は白銀の松原を歩きながらウサギやキツネの足跡、雪に隠れた木の芽を見つける度、立ち止まって福司さんらの説明にじっくりと聞き入り、冬の松原の自然の息遣いに触れた。
 また、大森橋とサンウッド能代駐車場の2カ所で風力測定も実施。結果は、橋の上では最大風速が毎秒10メートル、駐車場では最大でも同5メートルほどだった。(以下略)


05/1/29(土)
 昨日、今日と好天が続き、午前中に風の松原へ。今日は40番地点から休養広場に向かう時に作業中の重機を止めないように道路下の海側を進んだ。休養地点手前にゲートが出来ている。文字は反対方向にだけ書かれているので、休養広場側から見ると、『この先 伐採中 立入御遠慮 お願いします。』と書かれていた。26番地点では白神山地方面を見たが、山の姿は輪郭が定かではなかった。

写真1 37番地点の海側を休養広場に向かう 写真2 休養広場になにやらゲートが出現
写真3 休養地点から振り返るとこのような表示 写真4 26番地点から白神山地方面を望む

05/1/27(木)
 今日は真っ先にホテルニューグリーン脇の通りを風の松原を目指す。この道はどこまでも直進すればジョギングコース15番地点に続く道だった。昨日気付いた松は写真1に6〜7本ある中の1本。近づいてみると、電話柱の後に写っている松(写真2)には枝が多いのだが、葉はほとんど付いていない。その左に太い松があり、そのすぐ左に細い幹が見えるが、その細い松はすっかり枯れていた。被害木は2本だった。

写真1 昨日疑問に思った松はこの中にある 写真2 真ん中の松(電話柱の後)の枝に葉がない

 この道を真っ直ぐ進んで松林に入った(写真3)。ここは秋に一度逆回りで歩いたことがある。真っ直ぐ進めば1月15日に来たゲートのある場所まで着くはずだと考えて歩いた。8分ほど歩いてゲートに着く。100mを70秒から75秒で歩いたはずだから、600m〜700mの距離か?

写真3 真っ直ぐ進めば15番地点に出る。
左にも足跡があったので左に進む。 10:11:13
写真4 左に曲がる(民家のある方に曲がる)ゲートがある。
ここは1月15日に来た場所なので、左に入ってみる。10:19:36

 このゲートを出れば、鳳凰岱か不老岱に出るはずなので、左に曲がってみた。写真5〜写真10にあるように、人が歩いているために、邪魔な倒木は切断されている。参考までに撮影時刻も表示してみたが、100mを75秒から80秒で歩いたのか。写真6の倒木の切り口は新しいが、写真9の切り口は相当古い。写真10で民家の見える場所まで行ったが、右端の家の犬が激しく吠えるし、足跡も左側の車が駐車している方でなく、犬が吠えている家の方に続いているので、犬の苦手な私はここから22番地点目指して引き返した。予想では、高杉塗物店付近から風の松原に進んだ場所と思われる。なお、22番地点十字路に着いたのは10:32:40だった。

写真5 10:20:19 写真6 10:21:20
写真7 10:21:49 写真8 10:22:14
写真9 10:22:34 写真10 10:22:53

 その後、ジョギングコース36番地点付近で、青いハチマキを付けたニセアカシアを除伐している様子を見た(写真11)。木の枝振りを見、どちらに倒れるかを確かめ、近くの雑木の枝を払ってからチェンソーをかけたが、切っている時間は10秒もなかった。37番地点付近では切り出した枝の整理をしていた。散歩者が反対側からも来たので、近づいたら、重機運転者が仕事を中断してくださった。この付近は迂回路がないので、次回はもう一つ船泊側の道を探してみよう。

写真11 36番地点付近 写真12 37番地点付近

05/1/26(水)
 今日も昨日と同様のコースを歩いた。最後に昨日と同じ13番近くの松くい虫被害木をもう一度撮影し、昨日の写真と入れ替えた。被害木は先端まで皮が剥がれて、男鹿や秋田で見た光景と同じだった。男鹿や秋田の死の光景はこちらのページでどうぞ。(男鹿「松くい虫被害地を行く」、秋田「松くい虫被害地を行く2」)
 なお、松原に行く前、青葉園の通り(ホテルニューグリーン脇から風の松原方面に抜ける道)を歩いていた。左側(南側)の大きな松の木が何本もある家を何気なく見ていたら、そのうちの1本が、松笠は何個か残っているものの葉が一つも残っていなかった。皮が剥がれている訳ではないので、「落葉する種類の松に似た木があるのか?」と感じたが、あれも松くい虫被害木ではないのだろうか。民家なので写真を撮らなかったが、もう一度行ってみなければならないと思っている。


05/1/25(火)
 21日の写真1と写真2、24日の写真1に載せた工事現場の工事は既に終了、今日はその隣の場所に移っていた。そのため大森稲荷神社脇から上った場合の工事音は聞こえなくなった。しかし、写真1のとおり、ニセアカシアはまだたくさん残っている。このまま残すのだろうか?
 1400m地点と40番地点を結ぶ道路の方が音が高い。40番地点から入る小径には長いアームの重機が2台入って、枯れ枝の整理をしていた。写真3の場所は、昨年春のボランティア活動の際に、ニセアカシアの枝が大量に集められ、そのままになっていた場所だ。

写真1 21日と24日の工事現場の上空
見えるのはニセアカシアの枝ばかり。
写真2 37番地点付近の道路には除伐され
た枝が次から次と積み重ねられている。
写真3 写真真ん中左側に重機が1台作業中 写真4 作業員の付近左手が、クロマツ1号の場所。クロマ
ツ1号にもたれかかるニセアカシアはまだ除伐されていない。

 あちこち回って工事の様子を見た後、30番地点から13番地点に向かったが、13番地点50m手前左側(北側)で皮が痛々しく剥がれたクロマツが1本立っていた(写真5と6)。写真がうまくなかったので、また明日も見てみよう。
 生活環境保全林の整備工事は行われているのだが、それ以外の地域での松くい虫被害木の除伐作業が行われているという話は聞かない。作業はあくまでも1月15日に示した地図の鉛筆でなぞった部分で行われているに過ぎない。環境保全林を整備しても、周りの地域が松くい虫のために壊滅状態になったら、どうするつもりなのだろうか?

写真5 真ん中の幹が白く見える木が松くい虫被害木 写真6 翌日写真を取り直した。先端まで皮が剥げている。

05/1/24(月)
 今日は午前中は留守番、午後は歯医者と用事があったので、1月になって初めて朝食前に歩いた。前監督夫妻は既に帰途につくところだった。今朝は気温が低く、家から工事現場まで歩いて来ても暖かくならない。7時半だった。休養広場を通り、20番地点付近でようやく汗が出てきたが、スピードを緩めるとすぐに汗が凍り付くような気がして、前を歩いている人たちを追い越して進んだ。

写真1 21日の工事現場 7:30 雪上車が左端に5台 写真2 20番地点からいこいの広場方向を見る 7:52

05/1/21(金)

 今日は外側を回った後、大森稲荷神社脇から休養広場を目指したが、昨日予想したとおり、神社脇を少し上った場所が今日の工事現場だった。

写真1 写真2
写真3 写真4

 既に小枝が払われたためか、遠くまで見え、ここからニセアカシアが伐採されれば、広々とした台地が出現すると思われる。写真1は倒木をその場所で、運びやすい長さに切っている。写真2はそれを雪上車に乗せようと苦労している。写真3は、このような番号がついた木は、そのまま残すのか。i765は黒松ではないが。写真4は年輪を数えることが出来るようだ。


05/1/20(木)

 9時50分陸上競技場前到着。大きなトラックが雪上車を載せて停まっている。運転手がケータイで何か連絡をとっている。この入口から雪上車が入った足跡(キャタビラー跡だな)はなかったので、不思議に思いながら松林に入る。

写真1 写真2

 54番地点付近の三叉路まで進んだが、やはりキャタビラー跡はない(写真3)。久しく50番付近に行ったことがなかったので、42番から50番経由で一周することにした。42番地点に出ると自動車の往来のため、道路はぬかるみ、歩くのが大変だ。今日も大雪のはずだが、積雪はゼロに近い。

写真3 写真4 48番地点付近 積雪はほとんどない

 下浜入口には「工事車両最徐行」の立看板が立ち、工事詰所や仮設トイレも出来ている。詰所の位置は、年中ぬかるんでいるところで、初夏から大きな蝶々が乱舞している場所である。

写真5 写真6

 50番地点から51番方向に進んでも工事現場に行けるのだが、使っている様子はない。使った方が一方通行が出来て便利なのだが、散策する人の不便を考えているのだろうか。時間的には、写真3が9:57:39で、一周して同じ地点に戻ったのが10:19:23だったから、22分かかっていた。

1月7日の歩行経路を説明するための略図を再掲

 あらためて、1月7日に示した略図のF地点からG地点に向かう。この小径は今回の工事によって立派な散策路に生まれ変わるはずだ。この小径は、最近では12月31日にF→Gを歩き、1月7日にはG→Fと歩き、その画像も載せている。

写真7 写真8

 写真7はG地点からH方面に入ってすぐの場所だが、カーブなので何箇所も測量地点がある。以前歩いた時には道を塞ぐような倒木があったが、雪上車が通れるように切り払われている。しかし木のこすれたあとが痛々しい。

写真9 G地点 写真10 能代1号

 G地点を横切ってH地点方面に進むとまもなく右手に「黒松精英樹 能代1号」があるが、このクロマツの周囲もニセアカシアが多い。これらも伐採してくれればありがたいのだが。今日の伐採作業地点は更にH地点寄りからチェンソーの音が聞こえる。

写真11 写真12

 今日の伐採場所(写真11)は写真12の左側。右手にはこのようにニセアカシアだけの場所が広がっている。ニセアカシアを伐採すれば、かなり広い空間が生まれる。松の苗木を植えることも可能になるのではないか。

写真13 写真14

 向こうからやってきたのは、丸太だけを積んだ雪上車。写真13、14とも同一の車だが、運ばれているのはクロマツ?。写真13の小高い丘の手前にH地点があり、この雪上車はI地点方面から来たように見える。私はこのあと、仕事の邪魔にならないようにB地点→C地点→D地点をとおり、休養広場、30番地点、13番地点、9番地点→トリムランニングコース→スタート地点を歩いた。
 B地点からD地点を歩いている時には、伐採の音はほとんど聞こえず、30番地点あたりまで来ると、工事が行われている雰囲気はない。工事の音を一番強く感じるのはトリムランニングコース1100m地点から1300m地点を歩いている時だ。太い木を伐採しているのはI地点の周囲かもしれない。

 ところで、今日の北羽新報では、トップ記事としてこの事業を報道している。見出しは、

「癒しの散策路」に着手 風の松原
米代西部署 やさしさ、環境に配慮
 生活環境保全林整備 4カ年事業で70ヘクタール対象 

リード文を紹介すると

 米代西部森林管理署は、能代市の風の松原で「生活環境保全林整備事業」に着手した。3月末までに癒やし効果を持った散策路となる森林セラピートレイル(森林療法道)を整備するほか、黒松の生育を阻害している広葉樹などを伐採、除去する。森林セラピートレイルには木材チップを敷くなど、バリアフリーや環境に配慮する。

 本文では、「今年度は同署が管理する国有林343ヘクタールのうち、約45ヘクタールで黒松の生育を阻害している広葉樹や衰弱している黒松を伐採して、除去する。昨年の台風で倒れた樹木の除去、樹木の上部を覆っているつる性植物などの除去も実施する。」 「森林セラピートレイル沿いでは、桜やガマズミ、コマユミなど花の咲く木や実のなる木は極力残す。」 「整備延長2キロのうち、1.2キロは歩道の表面に木材チップを敷くなど、歩き心地が柔らかく、景観にマッチしたものとする計画。」とも報じている。
 写真も1枚掲載されているが、この写真も「風の松原」には違いないが、今回整備される地区とは異なる場所の風景のように見えるがどうだろうか?

 同じく今日の秋田魁新報では風の松原を中心とする能代山本地区の沿岸松林地帯が、松くい虫対策を総合的に推進するため十七年度に農林水産大臣の指定地域となることが内定したと報じている。このことは北羽新報の記事として既に紹介したが、次の2箇所が目新しい。

 これまで民有林に関しては国が5割、県と地元市町村が5割の負担割合で防除事業を実施してきたが、地元の財政難などから十分な対策を講じることは難しかった。大臣指定地域になると、民有林についても全額国費で事業が進められることになり、松くい虫被害の拡大阻止に向け地元の期待も高まりそうだ。

「民有林」について考えたことはなかったが、風の松原の中でもロケットセンター方面は国有林ではない。とすれば、県有林も「民有林」に区分されるのか?

 林野庁によると、平成九年に森林病害虫等防除法が施行されて以降、松くい虫対策ではトキの営巣木保全のため十五年度に佐渡の松林が大臣指定地域になっており、能代山本はそれに次ぐ指定となる。

以前、北羽新報の報道で、「全国2例目」とあったのはこのことかと感じた。


05/1/18(火)
 1月も半月以上過ぎたというのに、今頃になって元日の新聞を読んでいる。先ほど、「日々の記録」のページに万葉集4516番「新しき年の始めの・・・」歌について書いたが、その書が載っていた元日の北羽新報第4集3ページをめくったら5ページには「能代の遺産」と題した伊藤忠夫氏の文章が載っていた。もしやと思って読んでみたら、『海岸林を守る』の伊藤忠夫氏だった。

 文脈抜きに、気になった部分だけ紹介し、コメントする。引用部分は段落を下げ、重要と思う箇所は緑文字とする。

 たまたま風の松原を訪れた人たちから、「素晴らしい自然ですね」という賛辞を頂く。ありがたく誇らしいことではあるが、能代の人たちにとっては「蝶よ花よ」の自然観、価値観からもう一歩踏み込んだ見方が必要のように思う。

 これはその通りだ。昨年6月に初めて風の松原内を散歩し始めた当時の私がそう思ったのだから、「日本○大松原」の一つと思って来る人たちには、アカシアの葉の色も、桜の葉の緑もみな松の緑と同じに写るだろう。今日1月18日のジョギングコースを歩けば、緑鮮やかな地域と、ほとんど緑を感じられない地域があることがわかるのだが。

 市民の中には、白神と同じように自然のままが望ましいと主張する人もいる。しかし、白神のブナ林は数百年、数千年の遷移を経てつくられた極相林で、耐陰性の強い樹種が棲み分ける安定した広葉樹林である。
 これに対して、風の松原の高齢樹は遷移途上で競合が激しく、人為を加えない限り黒松は広葉樹のために失われることになる。しかも潮風などで遷移が攪乱されるため、安定した極相の形成は困難で、当分は現況のようなツタ類の絡まったやぶ状の林相が続くと考えられる。

 「極相林」という言葉は難しいが、自然のままではこれ以上変化しない林と考えればよいだろう。白神山地はそうだが、風の松原はその逆で、人手を加えて保護しない限りヤブの状態が続くとすれば、人手を加えるべきである。

  「保存」の立場で保護される白神山地とは異なり、風の松原は生活圏の中にあって散歩やキノコ狩り、森林浴など海浜公園的な利用が望まれる森林である。やぶの状態では鳥獣の生息環境としても不都合と思われる。広葉樹林とするにしても自然放置ではなく、除伐や下刈りなどの手入れが必要である。もちろん昔ながらの「白砂青松」の黒松林が望ましいが現状はかなり困難であり、景観の多様性や野鳥の生息環境を考えると、ある程度は広葉樹林の配置もやむを得ない。国有林で計画されている「地帯別森林整備」の早期実施が望まれる。

 白神山地は自然のままであればこれ以上変化しない場所。風の松原は自然のままでは悪化の一途をたどる場所。市民の中には松くい虫防除対策をしっかり実施すれば大丈夫と思っている人も多いようだが、平成11年に松くい虫に冒されなかったとしても、風の松原は危険な状態だったのか。例えばニセアカシアは「第2の松くい虫」と言ってよいものなのか。

 最も大切なことは「遺産を守り伝える」という視点である。「21世紀に残したい日本の白砂青松100選」の面影や「海岸黒松林独特の生態系」はほとんど失われている。遺産はそのまま後世に引き継がれてこそ遺産であり、能代市民がその責務を担っていることを忘れないでほしい。その象徴である巨木林を重点に、「白砂青松の遺産を残す」ことを前面に掲げ、官民協力して保全運動に当たられるよう切望してやまない。

 能代市役所のホームページを見ると、「風の松原」には「数々の功績」というタイトルで、 1.21世紀に残したい日本の自然100選 2.21世紀に引きつぎたい日本の名松100選 3.森林浴の森日本100選 4.21世紀に引き継ぎたい日本の白砂青松100選 5.日本の音風景100選 6.かおり風景100選 の6つが掲げられている。これを風の松原の6大タイトルと呼んでいる人もいるが、私はこれまでもこのホームページの中で 4の白砂青松100選 と 5の音風景100選 には該当しないのではないかと書いてきたが、伊藤氏も白砂青松100選の面影はほとんど失われていると書いている。「遺産はそのまま後世に引き継がれてこそ遺産であり」という主張には疑義があるが、「白砂青松の遺産を残す」ことを官民協力して運動に当たらなければならないのはそのとおりだと思う。

 風の松原生活環境保全林整備工事が始まったことは15日に書いたが、いよいよ工事が見えてきた。工事の邪魔をしないために仕事中の場所に入ることは憚られるが、散策道を歩いていても普段とは異なる光景を目にする。

大森稲荷神社入口には立て札が立った 42番地点十字路に自家用車が停まっている
39番地点付近には簡易トイレも設置された 38番地点付近には切り出された小枝が積み上げられた
休養広場も駐車場に変身 これは工事業者の車 作業用の雪上車2台が活動中 この写真は 1/20 10:40

05/1/16(日)
 今日の北羽新報にこのホームページに関連した記事が3つあった。一つ目は昨日のジョギングコース26番地点から見た白神山地に関した記事。見出しは「雪の白神山地くっきり」。北羽新報社屋上から撮したという白神山地の写真もすばらしい。この写真は北羽新報社のwebページには載っていないが、このようなすばらしい写真は是非載せていただきたいものだ。

 二つ目は、

17年度 大臣指定地域に内定 能代市の風の松原
全額国庫負担で松くい虫対策 全国唯一 被害北上阻止、保全に期待

 市民の憩いの場となっている能代市の風の松原が、松くい虫対策の17年度農林水産大臣指定地域に内定した。野呂田芳成代議士(秋田2区)が明らかにした。正式に決まれば全国2例目、新年度ではただ1カ所で、松くい虫対策が全額国庫負担で進められる。
 大臣指定地域は、実質的に国有林以外の松林も国費で松くい虫対策ができるメリットがあり、膨大な対策費を投じている自治体にとっては朗報となる。

という書き出しで、17年度の事業費は約1億5千万円が見込まれること、風の松原の松くい虫被害は平成11年に日和山下で初めて確認されたこと。一昨年から始まった市民ボランティア大会では被害の温床となる枯木や被害木の除去作業、クリーンアップを行っているほか、風の松原に守られる人々の会などのボランティア団体も活動していると報じている。

 三つ目は、上の二つ目の記事でも触れている「市民ボランティア大会」が、今年は5月8日に開催されることが報じられている。見出しは、

実行委 今年は5月8日開催 風の松原市民ボランティア大会
 昨年の反省踏まえ トラック、リーダー増やす

 風の松原を守る市民ボランティア大会実行委員会は13日、能代市中央公民館で開かれ、同大会を今年は5月8日に開催することで意見集約した。2月上旬に、大会の主催団体・風の松原ボランティア協議会総会で正式に決定、市民参加による松原保全活動を盛り上げていきたい考えだ。

という書き出しで、この大会のこれまでの経過、17年の実施計画などを報じている。これまでの経過については、

 同大会は、松くい虫被害などから風の松原を守ろうと、能代商工会議所が15年に初めて開催。16年は、市民運動としてのすそ野を広げようと、自然・環境保全、まちづくりなどボランティア団体、業界団体、自治会など各種団体や国、県、市など行政も加わり実施主体となる同協議会を設立、昨年は市民ら約1千人が参加した。

 17年度の実施計画については、日本野鳥の会から出された鳥の繁殖時期の5月中旬〜6月第1週までを避けてほしいという要望。昨年(6月13日実施)は草丈が伸びすぎて枝を見つけにくかった反省もあり、5月8日(午前9時〜11時30分)の開催を了承。トリムランニングコース周辺(第1ブロック、国有林)、船泊まり周辺(第2ブロック、国有林)の2カ所に絞ることにした。また、トラック台数を増やすことと、作業リーダーを増員し、「事前研修を行ってはどうか」との意見も出され、県の「この松をみんなの力で未来まで」事業による補助金を検討することとしたと報じている。 


05/1/15(土)
 今日は中学時代の同期生2人に出会ったが、突然の出会いでカメラの準備なし。しかし今日はニュースがいっぱい。なんといっても今日の最大ニュースは大好きな風の松原中央通り26番地点(ジョギングコース23番地点から42番地点に私が勝手に命名)(今年の年賀状には28番地点を使用)から、白神山地の主峰?が見えたこと。これはあとから「山へ行こう!」の作者に確かめてみよう。

ジョギングコース26番地点から白神岳?が見えた 左の真ん中を拡大すると白神山地の主峰?

 今日の話題の2つ目は、ジョギングコース22番地点から左折(南に曲がる)し、新しい足跡をたどったこと。説明が難しいので地図を添付。この地図は、「風の松原に守られる人々の会」が作成したパンフレットにある「中心部散策マップ」に加筆したものである。

 今日は、22番地点まで行った時、南側から来た新しい足跡が1つ残っていた。そこで、そこから入ってみた。以前は直進したが(以前7月14日に入った時には、どこまでも真っ直ぐに進み、不老岱入口手前で左折し、15番と16番の間から東に向かっている小径(この地図はここが間違い)との交点から砂留山(青葉園第2自治会)に出たことがあった。)、今日は途中から右折して進んだ。どこを歩いているのかわからなかったが、結果は上の地図の黒い太線で書いた部分だ。足跡が商業卸団地に近づいた時、足跡は上に上がらず、また右折して先に進んだ。そこでこの足跡はもしかしたら森林監督署の職員の見回りではないのかと考えた。(写真をたくさん撮したが、今日は省略し、あとから小径欄に記載したい)

 その後、22番地点からジョギングコース(上の地図では赤でサイクリングコースと書かれている)に戻り、28番地点まで進んだ時に、上の白神山地の風景を見ることが出来た。その後35番地点まで進んだが、先ほどのように白神山地が見えることはなかった。
 35番地点の休養広場から大森稲荷神社方面に向かう。ここは先日何回か森林管理署の職員を見かけているので、様子が変わっているかと思ったが、道路中央に打ち付けた赤いリボンの標識が掘り出されていた。標識番号は「A55」。近くに同じように雪を取り除いてあるが、標識のない場所もある。場所を間違えたのか。

写真3 道路の途中には雪だるまを作ってあった 写真4 休養広場脇の掲示板に作業告知の掲示
写真5 所々に赤いリボンを掘り出している 写真6 道にはかんじきのような大きな足跡

 今日の話題の3番目は、いよいよ工事が始まったこと。散歩に出かける時(9時50分)ころ、看板を立てていたが、帰る時にまだ完成していなかったので、午後から出かけた時に撮影した。上の掲示板の左側の用紙には「お知らせ」として次のように書かれている。
 平成17年1月6日から平成17年3月25日までの間【風の松原生活環境保全林整備工事】を実施いたします。
 林内において伐採作業・歩道整備作業等を行いますので通行の際は十分注意してください。 米代西部森林管理署

と書かれている。
 また右側の図面には、「風の松原生活環境保全林整備工事位置図」のタイトルで伐採作業区域を緑色で表示、歩道整備箇所を茶色で表示している。上に今日載せた地図では、この伐採作業区域部分を鉛筆で薄く塗り、歩道整備箇所を茶色で書き込んである。

写真7 トリムランニングコースの大森稲荷神社入口に立てら
れた工事表示板。「治山」ではインパクトが薄い。こんなに大き
な看板なら「生活環境保全林整備工事」と書いた方がわかり易い。
写真8 「風の松原生活環境保全林整備工事位置図」

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