風の松原を歩く   これまでの足跡 04年8月後半

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最終更新 04/8/31


04/8/16(月)
 八月も中旬となると秋の気配が強くなっていく。昨夜ある会合に出席したら、ある人が「うちの父も毎朝風の松原を歩いています」と言ったので、「何時頃から歩いていますか」と聞いたら、「4時半頃に家を出ています」という。私よりも1時間ほど早いのだ。
 私は今日も5時半に家を出た。昨日までは半袖シャツだったが、今日は長袖で歩いても暑いと感じなかった。ラジオでは今朝の最低気温は大館で16℃とか言っている。真夏の間は、首にタオルを掛けて歩いていたが、今日はタオルも必要なかった。秋の気配は木の方にも現れている。8月14日以来、木の上の方を見て歩いているが、木の上層部が見えやすくなっている。それは、落葉し始めた木が増えているからだ。カスミザクラもほとんど葉を落としてしまったものもある。そのため樹高の高い部分がよく見えるようになって、上層部にほとんど枝や葉のない松が目立つようになってきた。
 オリンピックが始まってから夜更かしが多くなったので、朝の散歩に影響が出て、トリムランニングコースを回るだけの日が多くなった。早さよりも、ゆっくり樹高の部分を見ながら歩いていると、葉のほとんど付いていない松がめだつようになった。アカシヤなどはまだ落葉していないから、今のうちはまだいいが、まもなく松原の風景全体が変化するだろう。その前に夏の様子を記録しておこうと、今日はトリムランニングコースを2周した。その様子をもとに700m〜1800mの改訂版を作ろう


04/8/18(水)
 今日、8月18日の朝日新聞秋田版「あきた空中散歩」に風の松原が登場した。タイトルは
風の松原  
海風の「防」「利」が融合
24基並んだ風車を八竜側から撮した航空写真を載せた上で、「八竜町から峰浜村にかけて14キロ続く松林、風の松原。760ヘクタールに700万本ともいわれるクロマツが植えられている。」と書いて風の松原を紹介している。写真を見ると風車の東側(陸側)脇には広い車道、西側(海側)の松林の中には電柱と細い道路が続いている様子が見える。一度ここまで行ってみたい。自家用車に自転車を積んで行ってみよう。天気予報では明日、明後日は台風の影響で雨が降り続くのが残念だ。


04/8/19(木)から20(金)

 今日は月に1回通っている医院へ通院。一時間半ほどの待ち合わせがあるので必ず本を持参している。今日は先日入手したばかりの『海岸林を守る 〜「風の松原」からの発信〜』(伊藤忠夫・近田文弘著、2001年11月10日北羽新報社刊、1500円)を読んだ。私が2か月半ほど風の松原を歩きながら漠然と感じ、ここにも何度か書いてきたことを明快に書いている。。<この続きは後日>



    <オリンピック観戦に夢中で申し訳ありません>

04/8/20(金)
 台風15号で強風・降雨のため今朝は散歩どころではなかった。午後から雨がやんだので松林の様子を見に行った。散歩のつもりではなかったが、ジョギングコース2番地点から5番地点の間に倒れた木が何本もあり、他の地点も調べたいので結局8キロ位を歩くことになった。倒木のほとんどはニセアカシヤだったが、そのとばっちりで長慶寺脇の街路灯も1基壊れてしまったようだ。
 私が風の松原に着いたのは降雨が止んですぐの13時半だったが、道路に面した倒木は既に切断の作業中であった。

3番地点付近のニセアカシヤ2本。アカシヤの根は意外に浅い。
4番地点付近は折れた枝が歩道中に散乱。 街路灯は既に切断され軽トラに収容後だった。
7番地点付近は何本も倒木があって通るのが難しい。左の写真はニセアカシヤ、右は不明。
2本が反対方向に倒れているのはなぜか? 右写真の木は葉の形からシロヤナギか?
トリムランニングコース1410m地点のクロマツ。前から気にしていた松くい虫被害木。
裂けて折れたのではなく弱い部分がつぶれて曲がった感じ。この松の写真を4枚掲載したが、
倒れた場所に枝も葉もほとんど残っていなかった。
0番から6番へ向かう道路のすぐ内側にある小径での倒木が多い。幹が裂けたのもニセアカシヤ。
その奥は杉林。風の通り道になったのだろうか。
23番地点から42番地点への道路には折れた
枝等はほとんど落ちていない。車輪跡が見ら
れたから、見回り車が来たのだろう。
29番地点過ぎから13番地点への小径もこの
ようにきれいだった。
39番地点から41番地点にかけて数カ所倒木が
あったが、既に細かく切られて処理されていた。
55番地点から58番地点にかけてはこのように
通せんぼが3カ所あった。

 23番地点から42番地点にかけては巡回したと思われる車輪跡が残り、倒木も切り倒されて道端に寄せられるなどしていた。しかし、42番地点から陸上競技場に向かう直進路は途中3カ所で最後の写真のように遮断されており、トラックが通った跡は見られなかった。写真を掲載しなかったが、大森稲荷神社境内の2本を含め、倒木のほとんどはニセアカシヤだった。ニセアカシヤの根は地中奥深くよりも、横に広がっているため風に弱いのではないかと思う。


04/8/21(土)
 今日は台風一過の好天。昨日の様子ではいこいの広場のトイレ脇までクルマで入るのは難しいかもしれないと思い、今日は陸上競技場前のスタート地点脇に駐車、スタート地点から歩き始めた。既に歩道上の小枝類はすべて道端に寄せられていた。7番地点の倒木も道路上の部分は切られて両側に片づけられていた。幹や葉の様子を見ると、8番地点先交差点にあるシロヤナギと同じだと思う。
 13番地点から30番地点へ小径を通り、44番地点のちょっと前に写真左の折れた松の幹があった。見上げると写真右の真ん中の松の幹(樹冠部)が欠けている。こんな太い幹が折れるものだろうか。

 47番付近まで来ると今度は写真左のように幹から折れて逆さに刺さっている松があった。折れた部分には枝や葉も多い。木を見上げると地上7〜8メートルの部分から折れている。43番地点から48番地点までは雑木も折れているのが何カ所もあったから、場所によっては相当な強風に見舞われたのではないか。今日の北羽新報の報道によると「最大瞬間風速は各地で30メートル前後を記録、能代市では観測史上2番目となる37.9メートルを観測した。」と出ている。。

 50番地点ではいつもは閉じている一般道との接続地点のゲートが開いていたから、トラックなどの作業車はここから出入りしていたのだろう。作業車はすべて30番台の地点へ向かっていたのではないか。51番地点から55番地点の間では何カ所も倒木の間をくぐり抜けなければならなかった。

51番地点 ニセアカシヤ
 標識が右側ニセアカシヤの中寄りに見える
53番地点のあと ニセアカシヤ
3本が重なり合うように倒れている

 このほか、駐車している場所に戻ったら、陸上競技場との間にある大きなニセアカシヤの、高いところの枝も折れていることに気づいた。昨日ここで能代市教育委員会の青いトラックが折れた枝の片づけ作業をしていたのを見て、「なぜ教育委員会が?」と疑問に思っていたが、陸上競技場は教育委員会の管轄なのだと納得した。写真の真ん中付近に折れた場所がある。そのしたの小さな屋根は公衆トイレの屋根の先端部分。


04/8/22(日)
 このところのメダルラッシュのためどうしても夜更かし気味。今夜はマラソンもあるので今のうちに寝だめしておこうとゆっくり起床。北羽新報(8/22付け)を読んだら第1面に風の松原に関する記事。
松くい虫 松原に被害防止看板設置 カミキリ成虫の標本も 
県立大木高研 
市民の意識高揚にひと役

の見出しで、「能代市の県立大木材高度加工研究所(桑原正章所長)は、松くい虫被害が発生するメカニズムなどを紹介する看板を製作し、風の松原に設置した。同研究所は「松くい虫被害の拡大防止は行政だけでできるものではなく、市民の意識高揚に役立てば」と看板の効果に期待している。看板は、能代ロータリークラブの依頼を受けて同研究所が製作を進めた。(以下省略)と報道されているが、私の「風の松原を歩く」では、6月19日朝の散歩の際にこの2枚の看板に始めてお目にかかった。早速、サムネイル画像をクリックすれば大きい画像を読めるページを作成したが、その後、ページの容量不足を補うために拡大画像は取りやめにした。
 デジカメデータを調べて見たが、6月14〜15にはこの付近を歩いたはずだが、画像がないので6月17日以降の設置ではないかと思う。この看板は良くできている。マツノマダラカミキリの成虫の標本も出ている。私もこの看板で始めて実物を見た。私たちに出来ることは、成虫になる前の毛虫の時に潰してしまうことだと思うので、毛虫の大きさや色を実物大の模型を作って看板の中に入れてほしい。確か毛虫が出てくるのは7月20日頃の一週間くらいだと思うので、来年に向けてPRしていただきたい。


04/8/23(月)
 昨日はオリンピックを観戦しながら、この「風の松原を歩く」の紙面?を再構成した。6月から一つのページで8月まで書いてきたので、掲載写真が多くなり、重いページになってしまったので、月ごとにページを分割する作業をした。時々北羽新報の記事を紹介していたのでそのリンクも張り直したが、その際、7月21日、22日と二日続けて風の松原関連の記事があったのに紹介しなかったことに気付いた。そのころは、連日甲子園大会秋田県予選の応援に出掛けていたため見落としてしまったためだろう。

7月21日の記事は、
セラピーロードの可能性探る
東北森林局 風の松原を現地視察 生理的効果など解明へ
リード文は

 「森林療法やアロマセラピーなど森林の健康効果に注目が集まる中、東北森林管理局は能代市の風の松原でセラピーロード(森林療法道)の設定が可能か検討することになった。20日に森林総合研究所森林管理研究領域環境計画研究室の香川隆英室長と米代西部森林管理署の北本浩署長らが現地を視察した。」

本文は(本文の引用は部分引用が原則だが、セラピーロードや森林療法について分からないことが多いので全文を引用してみる)

 森林が持つ癒し効果を生かし、健康増進やリハビリテーションに役立てる森林療法が近年、関心を集めているが、森林の療法効果は医学的な解明が不十分なのが現状で、客観的、科学的な分析に基づく効能の評価と療法メニューの確立が求められている。
 このため、林野庁は今年度から「森林系環境要素」が人間の生理的効果に及ぼす影響の解明に着手し、森林療法の心理的、生理的効果などを裏付ける方針。
 同庁は客観的、科学的な根拠に基づいて、効果的な療法メニューづくりなどを目指すほか、国内の適地に自然療法などを体験できるセラピーロードを整備する計画。
 同局では、今年度から4カ年計画で、風の松原の生活環境保全林整備事業を実施、その中には遊歩道の整備も盛り込まれており、セラピーロードの導入が可能か検討することになった。
 香川室長らの視察は21日まで行われる予定で、同局では同研究所などと連携して風の松原でのセラピーロードの可能性などを探る。森林療法とは森林の地形や自然を利用した医療、リハビリテーション、カウンセリングなどを指し、海外ではドイツ、イギリス、カナダなどで森林を活用した自然療法の実践例がある。

7月22日の記事
風の松原 “癒しの遊歩道”設置へ 森林総研、効果に言及

 能代市の風の松原に、森林の持つ癒し効果を生かした森林療法道「セラピートレイル」の設置に言及。東北森林管理局は、今秋までに具体案をまとめ、4カ年計画で整備する方針だ。
 香川室長によると、森林浴は心を穏やかにし、ストレスを減らす効果が得られるとし、「松原は日本人の心の置きどころであり、視覚的にもセラピー効果が高い」という。風の松原は、市街地に近く日常的に訪れることができるため、連続的な散歩などでより効果が高まる、としている。
 具体的には、松原内の現道を利用して車いす用、健常者用のセラピートレイルを提案。子どもや生活習慣病予防などニーズに応じた活用を考慮し、どの程度の運動消費量があるか、距離をカロリーで示すことを想定している。また、コースが単調なため、少し高い場所から松原を俯瞰(ふかん)できるように「視点場」を設けて風景をより楽しめるようにするという。
 維持管理は、地元の民間団体との連携を考えており、香川室長は「地元NPO、NGOがセラピートレイル利用するとともに、下刈りなどの管理、環境教育に取り組んでくれれば永続性が得られる」と強調する。
 同局は、今年度から4カ年計画で風の松原の生活環境保全林整備事業を実施、その中にセラピートレイルの整備を盛り込んでいく方針だ。

04/8/24(火)
 今日の北羽新報に台風15号の被害が報道されていた。(インターネット版には集録されていない)
見出しは
風の松原 アカシア散策路ふさぐ
 台風15号のツメ跡、あちこちで倒木 能代市などが撤去作業

本文の一部を紹介すると

 能代市民の憩いの場・風の松原で、20日未明に襲来した台風15号の防風で倒木被害が発生、散策コースやサイクリングコースをふさぎ、市などが処理に追われている。市は「24日までには通行の妨げになる倒木は除去できる」としている。台風15号は、20日未明に本県に最接近し、同市で観測史上2番目となる最大瞬間風速37.9メートルを観測した。
 この暴風は、能代山本の各地にツメ跡を残したが、風の松原では黒松の被害はほとんどなかったものの、アカシアがあちこちで倒木。風が強まった19日夜から倒れ始め、3本が市道萩の台線の車道をふさいで交通を遮断、道路脇の街路灯1基も損壊した。松原内ではトリムランニングコース(2キロ)やサイクリングコース(6キロ)、縦横に延びる散策路、それに送電線に倒れ込んだアカシアも多かった。(中略)
 松林内を散策したり、ランニングする市民は多く、23日に散策していた主婦は「台風で倒れた木は意外と多く、暴風のすごさを感じた。まだ倒木が残っているので、できるだけ早く取り除いてほしい」と話した。

私が昨日午後から散策に出掛けた時は53番地点から54番地点にかけての除去作業中だった。北羽新報によると「24日までには通行できる」とのことだったが、私はオリンピックの女子レスリングを観戦していて、時差ぼけのため今日は散策しなかったので、明日25日に作業の終わった散策路を歩いてみよう。

 昨日散策していて感じたことは、北羽新報にも書いてあったように、黒松の被害はほとんどなかったことだ。昨日は、大森稲荷神社から休養広場に直進する小径も歩いたが、大森稲荷神社後付近の雑木が多い場所では散策路を塞いで倒れているアカシヤが何本もあった。20日の写真にも掲載したように、アカシヤは根が浅いので倒れやすいのだと思う。


04/8/25(水)
 このところ連日北羽新報の記事関連だが、今朝の北羽新報2面に松くい虫の記事が出ている。
松くい虫、県境越え阻止を 
 
秋田、青森  情報共有、連携して対策  
初の連絡会議 能代山本で現地調査

リード文

 松くい虫被害対策県境連絡会議は23、24の両日、能代、八竜、八森の3市町などで開かれた。秋田、青森両県の関係者が一堂に会した同連絡会議は初開催。県境付近まで被害が迫り、さらなる北上を懸念し予防対策に取り組む青森県側が本県を訪れ、両者で松くい虫の防除や被害実態などについて意見交換を図った。

本文の一部

 (前略)  初日の23日、八竜町大口のゆめろんに集まった両県関係者は、まず現地調査を実施。若美町の松くい虫被害の状況を見た後、八竜の重点防除帯の現場で本県側が被害や防除などの取り組みについて説明した。
 被害は、八森町滝の間の県境5キロまで北上。青森県側の被害はまだ確認されていないが、7年度に八森に接する岩崎村でマツノマダラカミキリ1匹が捕獲され、11年度以降は毎年捕獲されており、同県では予防対策事業にも取り組んでいる。(以下略)

 今日私が散策した場所では、大森稲荷神社後の散策路のアカシアの倒木も切り倒されており、昨日の北羽新報荷もあったように、通行の妨げになる倒木処理は終了していた。しかし、トリムランニングコース1400m地点の松くい虫に冒された松は切り倒されたが、そのままその場所に置かれた状態であった。アカシアなどはそのままでも良いかもしれないが、松の場合は焼却処理などを徹底しないとマツノマダラカミキリの住み家になるかもしれない。


04/8/26(木)
 今日は9番地点から59番地点まで歩いた後、0番から5番まで、歩道の内側の小径を歩いた。下の写真左は36番地点だが、すでに秋の装いを感じさせる。黄色に変化しているのはほとんど桜の木だった。また58番地点や59番地点付近では写真右のように路面に300mとか200mと塗料で書かれていた。ここ数日の内に何かの競技大会等があって書かれたのかもしれないが、アスファルトの場合は石灰で線を引いてもなかなか消えないのに、塗料で書かれてはたまらない。以前19番付近と9番付近に白で4000、5000と書かれたことがあった(7月22〜23日頃)が、その線や数字は今回の台風まで残っていた。。

 0番から5番地点までの歩道の内側の小径では、他の散策路の倒木処理はほとんど終わっていたのに、この小径にはまだ手が付けられたいなかった。この小径は役所の地図に登録されてなく、散歩する人たちが踏みつけて出来たケモノ道のようなものだからだろうか。写真左のように小径が遮られたままの場所が数カ所あり、それを迂回するように新しい小径が出来つつあった。台風通過後一週間で小径ができるほど多くの人が歩いていることを感じた。
 途中、一カ所だけきれいに整地された場所があった。写真右である。3番地点と4番地点の中間の後側。能代駅から直進した突き当たりの内側だ。看板が立てられている。「風の松原のアリ地獄」という題のもと、「この穴は第二次世界大戦の末期、ガソリン代りの松根油を採るために、松の根っこを掘った跡です。苦しい時代を語ってくれる貴重な遺跡ですね。」と書かれている。「風の松原に守られる人々の会」が立てたもの。きっとこの場所の掃除もこの会の人たちがやっているのであろう。


04/8/28(土)
 昨夜になってから朝に歩いた22番地点から港湾道路までの写真をもとに、散策路(小径)の中の「22〜港湾道路」を作成。しかし記憶が定まらず<作成中>とした。これを印刷して現地を確認しなければならない。


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