雲台感覚の超小型ポータブル赤道儀 PanHead EQ

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雲台のことを英語でパンヘッドといいます。超小型ポータブル赤道儀のPanHead EQ は、名前のようにカメラ三脚の上に載せ雲台のように手軽にご使用いただくことができるポタ赤です。
標準型のPH-1と電池内蔵でUSB電源が使えるPH-1sがあります。
名 称 PanHead EQ PH-1およびPH-1s
形 式 極軸のみの星野写真撮影用小型赤道儀
追尾(PH-1) 恒星時(キングスレート)、平均太陽時、平均月時、2/3倍速(星景写真用)、西行32倍速、東行32倍速とリモコンないしオートガイダー使用時は2.0倍速と停止、の8速度切替え/北半球・南半球対応/3色LEDによるモードインジケータ表示。10秒間でギヤをなじませるスタンバイボタン付き。
追尾(PH-1s) 恒星時(キングスレート)、2/3倍速、西行き32倍速の3速。リモコンを付けると東西32 {速と2.0倍速/停止が追加され合計6速。オートガイダー使用時は2.0倍速/停止の合計5速。
ギ ヤ ウォームホイールによる全周微動/直径56mm・歯数110枚/快削黄銅製
追尾精度 ±15″以下(1台ごとに検証した測定写真付き)
極 軸 直径25mm、アルミ合金製、直径25mmのベアリング1個と小型ベアリング1個の支持
駆 動 マイコン制御によるステッピングモーター駆動
搭載可能重量 PH-1,PH-1sとも約3kg
極軸望遠鏡 視界約7度の素通し穴/外付け極望装着可(別売)
電 源 PH-1はDC6V〜12V
付属の単三乾電池ボックスにてアルカリ乾電池6本9VないしNi-MH充電池やNi-Cd充電池6本も使用可。PH-1sは単3乾電池2本内蔵で使用かUSB5Vの外部電源を別途入手しておいて下さい。USBコネクタ(A端子)ケーブル付属。
連続動作時間 PH-1はアルカリ単三電池6本で約12時間駆動。PH-1sは内蔵電池で約1.5時間駆動。
大きさ 縦115mm×横87mm×高さ75mm(フォーク式上下左右微動台座三脚アダプター含む、ネジ類の突起部を除く)
質 量 約900g
定価 PH-1 PH-1sとも40,300円(税別) 資料 詳しい説明取扱説明書
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●PanHead EQにはPH-1とPH-1sがあります
単3乾電池6本の電池ケースで9Vの外部電源を使用するPH-1と、単3乾電池2本を内蔵し内部で7.2Vに昇圧するPH-1sです。PH-1sにはUSBの5V外部電源(別途ご用意ください)を接続するケーブルが付属します。追尾精度は変わりません。

PH-1の方はボディが補強され、下側には35度に傾いた「ウエッジ」が標準装備されます。PH-1の追尾速度は、恒星時(より星の動きに近いキングスレートを採用)、平均太陽時、平均月時、2/3倍速、西行32倍速、東行32倍速と、リモコンないしオートガイダー使用時は2.0倍速と停止の合計8速です。
PH1-sは、恒星時(キングスレート)、2/3倍速、西行き32倍速と、リモコンないしオートガイダー使用時は東西32倍速と2.0倍速と停止の合計6速です。乾電池は本体に内蔵すると極寒地で性能低下が著しいので赤道儀には不向きですが、気軽な撮影には便利なので姉妹機として作りました。極寒地ではUSB外部電源をお勧めします。

●Pモーション±15″以下の高性能
ポータブル赤道儀は星野写真を撮影するための機材なので、ガイディングをしない「ノータッチ撮影」で、どの程度の望遠レンズまで追尾できるかが重要です。追尾精度で価値が決まるといえます。
PanHead EQはJILVA-170と同じく全ての個体で実際の星空を撮影してピリオディックモーション(Pモーション=追尾のヨロメキの幅を角度で表わしたもの)を測定し、±15″の精度をクリアした個体のみを測定写真付きで出荷します。

左の写真は高精度な特注部品で固められたPanHead EQのウォームスクリューユニットです。右がPモーションの測定写真で、左側はおよそ±9″右側は±12″程度の例です。±15″は星像の直径を2/100mm(20μm)と厳しく定めた場合に、135mm望遠レンズを長い時間追尾可能な性能です。200mm望遠レンズでも3〜4分露出なら流れて写ることはありません。
※追尾が正確でも三脚などでブレる場合も多いので、できるだけ丈夫な三脚や雲台をお使いください。


●極軸の上のターンテーブル
35mm離れた位置にM6のアクせサリー固定ネジ穴があります。ターンテーブルは取外式で交換ができるので、形状の異なる多機能のターンテーブルも随時発売してゆきます。
嵌合部には−30℃まで硬化しない高粘度グリースを塗布してあるので、そこそこスムーズに粗動回転します。
写真はPH-1sの方なのでPH-1に付属のウエッジは軽量化のために省略しています(特注で装着可能)。クランプハンドルも軽量化のためPH-1のL字型ハンドルではなくノブネジです。


●PH-1を南側から見たところ
PH-1の速度設定のロータリースイッチは中央が恒星時で、西側に1段回すと西行き32倍速、東側に1段回すと東由 sき32倍速になるので、望遠レンズや小型の眼視用望遠鏡を搭載した時に便利です。

●PH-1を西側から見たところ
ステンレス円盤の「簡易傾斜計」見えます。極軸望遠鏡を使用しない極軸設置の際に重宝します。下部のウエッジとターンテーブルの間隔はこのように近い設計のため強度が高くブレにも強いです。


●PH-1sの裏側の電池ボックス
単3乾電池2本を入れます。搭載したカメラの東西のバランスが悪いとモーターがパワー不足になるので、充分なパワーを発揮するよう7.2V駆動です。そのため電池の消耗は早く連続使用で1.5時間です。

●PH-1sを南側から見たところ
追尾速度は恒星時、2/3倍速、西行き32倍速と、リモコンないしオートガイダー使用時は東西32倍速と2.0倍速と停止の合計6速です。
スタンバイボタンは「無くてはならない」と高評価です。



アクセサリー

●リモコンとオートガイダーケーブル
別売(税込み3300円)のリモコンは縦65mm×横35mm厚さ12mmで40gの超小型軽量タイプです。東西の32倍速のないPH-1sもリモコンをつなぐと東西の32倍速と2.0倍速と停止が使えます。端子は汎用性が高く自作もしやすい4極のφ3.5イヤホンジャックです。
オートガイダーのケーブル(税込み2000円)は、片側が同じく4極のφ3.5イヤホンジャックでもう片側が6極6芯のモジュラージャックです。お使いのオートガイダーによってピンアサインが異なるので、お問い合わせください。


●シーソー式上下左右微動台座
正確に極軸セ設置をしたい場合に便利な微動台座です。上下は中央を支点にしたシーソー式、左右は通常の赤道儀と同様なダボを左右からネジで押す形式です。(価格12800円)

●ユニテックのポラリエタイプ極望
広角レンズは極望代わりの素通し穴で極軸設置ができますが、精密な極軸設置には極望が必要です。他社様のステー付き極望は、ほとんど取付け可能です。写真はユニテック製。SB工房価格:22,000円


●ナンチャッテ正立極軸望遠鏡
ケンコー様の7倍18mmの正立単眼鏡に北極/南極の視野パターンを装着したもの。コリメーターによる光軸調整を行なって出荷します。
ステー付きでLED照明付きは価格8000円。照明なしは5000円。

●弊社の設計した本格的な極軸望遠鏡
中国の大手双眼鏡メーカーに依頼した暗視野照明付の極望です。米国パラマウント社でも採用されています。残念ながら現在は品切れ中です。入荷次第、ホームページでご案内します。



PanHead EQの作例

●魚眼レンズによる北極付近
フルサイズのデジタル一眼レフカメラ 15mm F2.8フイッシュアイレンズ IS0800 露出2分 PanHead EQ PH-1の1/3倍速モードで露出時間が2分でも地上風景が流れて写らないようににしました。

小型のデジタル一眼レフカメラよりも小さなボディを目指したPanHead EQ ポータブル赤道儀は、魚眼〜広角〜標準レンズによる手軽な星座写真や作例のように風景の写り込んだ星景写真の撮影がもっとも得意です。

デジタルカメラのISO感度とは本来の感度ではありません。撮像素子の本来の感度はISO125程度です。それを「カメラ内部で保存時に暗く写った部分を明るく画像処理をして」あたかも感度が高いように見せています。したがってISO3200やISO6400で撮影すると、暗く写った部分を明るくしたことによるノイズの多い画像が保存されます。
追尾精度の良いPanHead EQの撮影ではISO感度を低めに設定して、たっぷり露出を与えた美しい写真を撮ることができます。


●IC2177 鷲星雲
赤感度向上改造をしたフルサイズのデジタル一眼レフカメラ  200mm F2.8 ISO400 露出3分 3枚コンポジット合成 

ディスプレイで拡大して追尾の精密さをご覧ください。PanHead EQの追尾性能は、かなりシャープな135mm望遠レンズを追尾できる±15″以下のPモーションを確認して出荷しています。
しかし、作例のようにさらに圧倒的にシャープな200mm望遠レンズでも、3分露出なら充分な精度で追尾ができます。その場合は強固な三脚や雲台を使用して、ブレやタワミにも細心の注意を払ってください。

このようにPanHead EQは超小型ポータブル赤道儀でも200mm望遠レンズで撮影することができます。もっと長い焦点距離のレンズをお使いの場合は、オートガイダーの併用をお勧めします。



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