自作のテイストで作った格安機材です

天文機材の開発の途中で「形は良くないけれど機能も良くて格安に作れる! 」と思う試作品が出来上がることは多いです。ほとんどは製品とするには恥ずかしいのでボツになりますが、中には皆様のお役に立ちそうな物が作れることがあります。ナンチャッテ機材は「わかる人にはわかる」格安で実用重視の機材なのかもしれません。
ナンチャッテ機材は一般の製品に昇格することもあります。


ナンチャッテ正立極望

●単眼鏡を利用したステンレスステー付き
LED照明付きは8000円 照明なしは5000円

1000円程度で購入できるケンコー・トキナー製の7×18(7倍で口径18mm)単眼鏡があります。ダハプリズムの入った本格的な単眼鏡で、見え味も価格からは想像できないほどシャープです。
単眼鏡として売られているメーカー製品に手を加えることは失礼とは思いますが、格安なうえに正立像の使いやすい極軸望遠鏡に仕立てることができたので、ポタ赤用にステンレス製のステーを付けて頒布させていただきます。

極軸望遠鏡は小さいとはいえ「星の位置測定」をする精密な望遠鏡なので、視野のスケールパターンや極望の取付部などの光軸を調整するのが非常に厄介です。
そこで弊社ではメガネ用の「ディオプター測定器」を改造した、写真のような極望専用のコリメータ調整装置を作りました。正確な∞(無限)出しと光軸の芯出し調整ができます。
極望単体の芯出しの精度は5′以内に調整するので、ステーに取付けても概ね10′以内の精度で極軸設置ができると思います。ちなみに100mm望遠レンズを4分露出するの必要な極軸設置精度は約1゜。200mm望遠レンズでも30′ですから実用上は充分です。

※スケールパターンは印刷技術の応用で製版フィルムに描いたものです。アイピースの倍率が高いこともあり、製版フィルム施してある「ノングレア無反射処理の小さな凹凸」が、塵かベールが掛かったように見えるのとゴミが目立ちやすい点はご容赦ください。星を見る場合は問題はありません。


●ステンレスステーで取付け
厚さ1.5mmの薄いステンレスステーで取付けるため、ターンテーブルと雲台の間に挟んで取付けることもでき、オルゴール赤道儀やポラリエなど様々な赤道儀にも使用できるのは大きな利点です。
対物レンズ枠の前面を少し斜めに削って光軸調整をしているので、ご使用時には極望取付けステーのアルミリングに「前面をピッタリ押し付けて固定する」ようにご注意ください。

離角の調整は鏡筒を回して行ないます。南半球のパターンと北半球はβUMi星を使う方法と北斗とカシアペヤを使う方法の2種類を選べます。正立像の極望はケアレスミスが少なく、初心者の人にも使いやすいと思います。取扱説明書を見る


●ナンチャッテ正立極望のスケールパターン
中央の小さな円が北極星の離角、その外側の円は南天のσOct星の離角の位置を示します。明視野照明なので視野を少し明るく照らして使用します。懐中電灯で照らせますがLED照明付きが便利です。

●JILVA-170に取付けたところ
JILVA-170の場合は、極軸のベアリングアダプターと一体加工されたボディ円盤の上面に取付けるため光軸の信頼性が高いです。写真のナンチャテ正立極望はLED照明付きのものです。


●オルゴルー赤道儀に取付けたところ
オルゴール赤道儀は外付け極望を取付ける場所がありませんが、このように極軸の上のターンテーブルと雲台の間に挟むことによって、様々なポタ赤に取付けることができます。

●ビクセン製ポラリエに取付けたところ
ポラリエにもターンターブルと雲台の間に挟んで取付けることができます。ナノ・トラッカーなど極軸とポタ赤のカメラ三脚取付面が直角のものは、カメラ三脚とポタ赤の間に挟むこともできます。



ナンチャッテ小フォーク

●カメラを縦位置に取付ける小さなフォーク赤緯軸
価格:2,500円(アルミ生地のままで表面処理なしです)

星空の撮影ではカメラを縦位置にしたいことがしばしばあります。
縦位置にすると向けやすい方向もあり、天の赤経・赤緯に直角にして縦位置にしたいこともあります。天の川に点在する散光星雲はだいたい赤緯方向に並んでいるからです。

「ナンチャッテ小フォーク」はターンテーブルの上に取付けて、赤緯の回転(赤緯軸と同じです)はカメラ底部の三脚ネジで行なう簡単な仕組みです。広角〜100mm程度までのコンパクトなカメラレンズ


写真はオルゴール赤道儀 MusicBox EQUと雲台赤道儀 PanHead EQ PH-1sに取付けたところです。



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