二度と読み返さなかった本

公開日: 11/07/2008 12:47:09 | カテゴリ: 未分類

*他所に書いた古い日記から編集して再録

読みにくかったり、良さが解らなかったり(解りたいと思えなかったり)で二度と読み返さなかった本も沢山あります。

ダニエル・デフォー『ペスト』
サキ『サキ短編集』
アランシリトー『長距離走者の孤独』
ドーデ『水車小屋便り』
その他色々・・

文学に限らずですが、作品に対する印象は人により様々ですね。

私がヘミングウェイを好きになったきっかけは、20代の頃に読んだ片岡義男のエッセイにあった記述でした。
片岡氏のエッセイは沢山あるのでどの本だったか忘れましたが、ヘミングウェイの『フランシス・マコーマーの短い幸福な生涯』について、片岡氏は「こんな辛い話は読みたくないと、冒頭から感じた」という意味の事を書いています。
それを読んだ私は、その作品を俄然読みたくなって(笑)すぐにヘミングウェイ短編集を買いに行きました。

予備知識のせいもあったとは思いますが、私には「波乱を予感させるゾクゾクするような導入部」に感じられ、面白く読み進んだのを覚えています。
(でも、読後感は・・嫌な感じでした)

デフォーの『ペスト』は、カミュの『ペスト』とはタイトルが同じなだけで何の関係もないのですが、カミュに夢中だった頃にペストつながりで何となく手に取ってみました。
前置きばかり長い、とても読みにくい作品としか記憶していません。


導入部の巧みさと言えば・・・私が選ぶNo1作家は、井上靖です。
最初のページの数行で、心を他へ向けられなくなる程に読者を惹き付ける、そのテクニックは殆ど魔術のよう・・。
『天平の甍』などの硬派な歴史小説でさえ、いや、そういう作品でこそ魔術が冴えていました。