セはセレマのセ
なぜ今ごろになって、20年も前の、しかも関西ローカルのCMの話をするかと言うと・・
先日、バスの中で、私のそばに座っている女性2人が、このCMに関して話していました。
「ああ、あの歌は耳についてうっとおしかったけど、宣伝効果はあったやろな」
「誰が作ってんやろ?」
「キダタローとかやろか?」
いいえ・・
あなたの横に立ってます。私です(笑)
・・と心の中でつぶやき・・。
帰ってから、検索してみると、このCMソングが耳について不快だったとか、作曲者は誰だ?とか、いっぱい出てきて驚きました。
皆さんゴメンナサイ・・。
作曲とアレンジ、歌入れからミックス時のディレクターは私ですが、歌詞を作ったのは広告代理店の担当者さんです。
でも、歌詞を輪唱にして、会社名の連呼にしてしまったのは私なので、やはり非難を受けるべきは私ですね。
ごめんなさい。
しかし、CMソングを作った者としては「耳についてうっとおしい」という程の褒め言葉はありません。
ありがとうございました(笑)
~~~~~~~
あのCMは、ちょっとばかし難産でした。
もう20年以上前なので、はっきり覚えてはいませんが、企画が立ってからオンエアされるまで1年近くかかったように思います。
とは言っても、私の作るものになかなかOKが出なかったというわけではなく、歌詞や、歌手の声質や、アレンジの雰囲気などを色々変えてみて、色んな可能性を試そうという雰囲気でした。
仕事を受け始めて間がなかった私は、広告代理店の会議室での度重なる打ち合わせも張り合いがあって、とても充実した気分だったのを覚えています。
この間、作ったプロトタイプは40種類以上。
歌ってもらった女性歌手は6人。
今も残してある60分のDATテープ(2014年追記:黴が生えたせいか、どうしても読み出せなかったので、残念ながら処分しました)3本の内容が全て、このセレマCMに関連した録音で占められています。
プロトタイプの歌録りは、自前の8トラックMTR(Fostex R-8)を使用していました。
これをリュックに入れ、京阪電車に乗って、四条寺町のリハーサルスタジオまで運んでいましたっけ・・。
最終的に決まった女性歌手(つまり、あのCMソングを歌っている人です)は、どんなスタイルでも抜群に上手くて、演歌風でも民謡風でもロックっぽくても、その素晴らしい歌唱力と声量にはホレボレしました。
彼女が唄う、沖縄民謡風セレマソング、ラテン風、津軽民謡風も保管してあります。
こういうのは勝手に公開してはいけないんでしょうね・・たぶん・・。残念ですが。
彼女の名前を失念してしまったのですが、この一連の制作を請け負った事務所の女性社長は「みっちゃん」とか・・そんな愛称で呼んでいたかと思います。
あんなに素晴らしい歌手ですから、今もきっと活躍しているのでしょう・・。
さて、会議でOKが出て、レコーディング日程が決まって・・
その頃、私はまだ祇園のバンドマンとしてギターを弾いて生活していましたが、休む時にはトラ(代わりの人)を自腹で雇って、自分の代わりに演奏してもらうのが決まり・・というか、この世界での常識です。
こういう仕事は、当然、初見で弾けて、トランスポーズ(譜面と異なる調でも自由に弾ける事)ができて、全ジャンルOKでなければ受けられません。
中年以上のベテランさんだとギャラも高いのですが、友人に1人、ジャズでは私なんかより遥かに上手い人がいるので、程々のギャラで引き受けてもらえました。
レコーディング当日。
大阪の有名な業務用レコーディングスタジオ「名城アバ」に、持ち込んだ機材のリストです。
・ATARI MEGA ST4(MIDIシーケンスソフトは Cubase Ver1.5)
・Roland S-550(サンプラー)
・Roland D-70(シンセ)
・Roland D-110(シンセ)
・YAMAHA RX5(ドラムマシン)
今ならノートパソコン一台・・いやトラック別のオーディオファイルを適当なサーバーに上げておいて、スタジオでダウンロードしてもらうようにすれば、完全に手ぶらで行けるのですが・・。
当時、複数のMIDIチャンネルを同時に送信した時のタイミングの遅れが気になる場合は、MTRとシーケンサーを同期させてチャンネルごとに別々に再生し、何度かに分けて録音したものですが、この時は一気に再生~録音しました。
各音源からはもちろん個別出力で、MTR(たしかStuderのアナログ24tr)の・・そう・・12トラックくらい使いましたかね・・。それと歌に2トラック。
何テイクも録って検討したりはせず、割と短時間で録りは終了。
15秒と、30秒ではアレンジが少し違うので、ミックス(卓はSSL)には4時間くらいかけました。
ちなみに、ラジオ用の20秒と40秒バージョンは、その数ヶ月後・・だったか・・また名城アバへ行き、録音~ミックスしました。
~~~
オンエアされてから1年程経った頃でしたでしょうか。
制作を請け負った事務所のスタッフから電話があり、テレビ番組でセレマCMソングの作曲者を探し当てて取材するという企画があるが、出られそうか?との事・・.
私がテレビが嫌いで一切見ないことを知っている、そのスタッフは気を利かせてくれて
「関西の芸人が出る夜遅い時間のドタバタ番組で、とても加藤さんが我慢できるようなモノではないですから、嫌だったら遠慮なく断って下さい。一応取材は受ける事になりそうですが、事務所で適当になんとかしますから」と言ってくれたので、遠慮なくお断りしました。
何年も経ってから知った事ですが「探偵ナイトスクープ」だったそうです。
(この番組、当時は知りませんでしたが、今はもちろん、いくら私でも知ってますし、見た事だってあります。心に沁みるエピソードもあったり『なんだ、良い番組じゃないか』と思いました)
その「探偵ナイトスクープ」で、セレマCMソング作曲者を探す、というような内容が放送された時、ご覧になった方いるでしょうか。
まあ、どうでも良い事ですが、事務所の人達がどんな風に処理して下さったか、ちょっと知りたい気がします。
私の身代わりに誰かを作曲者という事にしたのでしょうかね(笑)
セレマさんのおかげで、その後CMソングの仕事を沢山もらえるようになったり、色々と仕事上有利な事がありましたから、今もとても感謝しています。
先日、バスの中で、私のそばに座っている女性2人が、このCMに関して話していました。
「ああ、あの歌は耳についてうっとおしかったけど、宣伝効果はあったやろな」
「誰が作ってんやろ?」
「キダタローとかやろか?」
いいえ・・
あなたの横に立ってます。私です(笑)
・・と心の中でつぶやき・・。
帰ってから、検索してみると、このCMソングが耳について不快だったとか、作曲者は誰だ?とか、いっぱい出てきて驚きました。
皆さんゴメンナサイ・・。
作曲とアレンジ、歌入れからミックス時のディレクターは私ですが、歌詞を作ったのは広告代理店の担当者さんです。
でも、歌詞を輪唱にして、会社名の連呼にしてしまったのは私なので、やはり非難を受けるべきは私ですね。
ごめんなさい。
しかし、CMソングを作った者としては「耳についてうっとおしい」という程の褒め言葉はありません。
ありがとうございました(笑)
~~~~~~~
あのCMは、ちょっとばかし難産でした。
もう20年以上前なので、はっきり覚えてはいませんが、企画が立ってからオンエアされるまで1年近くかかったように思います。
とは言っても、私の作るものになかなかOKが出なかったというわけではなく、歌詞や、歌手の声質や、アレンジの雰囲気などを色々変えてみて、色んな可能性を試そうという雰囲気でした。
仕事を受け始めて間がなかった私は、広告代理店の会議室での度重なる打ち合わせも張り合いがあって、とても充実した気分だったのを覚えています。
この間、作ったプロトタイプは40種類以上。
歌ってもらった女性歌手は6人。
今も残してある60分のDATテープ(2014年追記:黴が生えたせいか、どうしても読み出せなかったので、残念ながら処分しました)3本の内容が全て、このセレマCMに関連した録音で占められています。
プロトタイプの歌録りは、自前の8トラックMTR(Fostex R-8)を使用していました。
これをリュックに入れ、京阪電車に乗って、四条寺町のリハーサルスタジオまで運んでいましたっけ・・。
最終的に決まった女性歌手(つまり、あのCMソングを歌っている人です)は、どんなスタイルでも抜群に上手くて、演歌風でも民謡風でもロックっぽくても、その素晴らしい歌唱力と声量にはホレボレしました。
彼女が唄う、沖縄民謡風セレマソング、ラテン風、津軽民謡風も保管してあります。
こういうのは勝手に公開してはいけないんでしょうね・・たぶん・・。残念ですが。
彼女の名前を失念してしまったのですが、この一連の制作を請け負った事務所の女性社長は「みっちゃん」とか・・そんな愛称で呼んでいたかと思います。
あんなに素晴らしい歌手ですから、今もきっと活躍しているのでしょう・・。
さて、会議でOKが出て、レコーディング日程が決まって・・
その頃、私はまだ祇園のバンドマンとしてギターを弾いて生活していましたが、休む時にはトラ(代わりの人)を自腹で雇って、自分の代わりに演奏してもらうのが決まり・・というか、この世界での常識です。
こういう仕事は、当然、初見で弾けて、トランスポーズ(譜面と異なる調でも自由に弾ける事)ができて、全ジャンルOKでなければ受けられません。
中年以上のベテランさんだとギャラも高いのですが、友人に1人、ジャズでは私なんかより遥かに上手い人がいるので、程々のギャラで引き受けてもらえました。
レコーディング当日。
大阪の有名な業務用レコーディングスタジオ「名城アバ」に、持ち込んだ機材のリストです。
・ATARI MEGA ST4(MIDIシーケンスソフトは Cubase Ver1.5)
・Roland S-550(サンプラー)
・Roland D-70(シンセ)
・Roland D-110(シンセ)
・YAMAHA RX5(ドラムマシン)
今ならノートパソコン一台・・いやトラック別のオーディオファイルを適当なサーバーに上げておいて、スタジオでダウンロードしてもらうようにすれば、完全に手ぶらで行けるのですが・・。
当時、複数のMIDIチャンネルを同時に送信した時のタイミングの遅れが気になる場合は、MTRとシーケンサーを同期させてチャンネルごとに別々に再生し、何度かに分けて録音したものですが、この時は一気に再生~録音しました。
各音源からはもちろん個別出力で、MTR(たしかStuderのアナログ24tr)の・・そう・・12トラックくらい使いましたかね・・。それと歌に2トラック。
何テイクも録って検討したりはせず、割と短時間で録りは終了。
15秒と、30秒ではアレンジが少し違うので、ミックス(卓はSSL)には4時間くらいかけました。
ちなみに、ラジオ用の20秒と40秒バージョンは、その数ヶ月後・・だったか・・また名城アバへ行き、録音~ミックスしました。
~~~
オンエアされてから1年程経った頃でしたでしょうか。
制作を請け負った事務所のスタッフから電話があり、テレビ番組でセレマCMソングの作曲者を探し当てて取材するという企画があるが、出られそうか?との事・・.
私がテレビが嫌いで一切見ないことを知っている、そのスタッフは気を利かせてくれて
「関西の芸人が出る夜遅い時間のドタバタ番組で、とても加藤さんが我慢できるようなモノではないですから、嫌だったら遠慮なく断って下さい。一応取材は受ける事になりそうですが、事務所で適当になんとかしますから」と言ってくれたので、遠慮なくお断りしました。
何年も経ってから知った事ですが「探偵ナイトスクープ」だったそうです。
(この番組、当時は知りませんでしたが、今はもちろん、いくら私でも知ってますし、見た事だってあります。心に沁みるエピソードもあったり『なんだ、良い番組じゃないか』と思いました)
その「探偵ナイトスクープ」で、セレマCMソング作曲者を探す、というような内容が放送された時、ご覧になった方いるでしょうか。
まあ、どうでも良い事ですが、事務所の人達がどんな風に処理して下さったか、ちょっと知りたい気がします。
私の身代わりに誰かを作曲者という事にしたのでしょうかね(笑)
セレマさんのおかげで、その後CMソングの仕事を沢山もらえるようになったり、色々と仕事上有利な事がありましたから、今もとても感謝しています。